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35 報告

 階段を上がり、クレアは自分のカウンターに俺達ももう一度クレアのカウンターに向かった。 クレアは席に付き、ウルメラが前に出た。


「ウルメラさん、斬撃の乙女のアカムスタムへの往復護衛はワグネル夫妻がここに居ると言うことは無事成功したみたいですね。間違いありませんか。」


 ウルメラは苦い顔をして、


「ワグネル夫妻を連れて帰れたが、それだけだ。」


「何かあったのですか。」


 クレアは心配そうに聞いた。


「今回はついて無かった。村までもう少しの所で夜営をしたんだ。ココとサブリナが見張りをしているときに、ゴールデンニードルベアが襲ってきた。そして二人の声でケイトと飛び起きた時にはゴールデンニードルベアは棘を撒き散らす直前だった。この一撃でココとケイトはやられ、二人で応戦するも無理だった。ヤツの攻撃にサブリナが倒れ、私も満身創痍の状態で、もうダメだと思った時に、周囲が昼間の様に明るくなり、ヤツが違うところを向いていたんです。その先に居たのがヒロタカさんだったのです。そしてヒロタカさんがゴールデンニードルベアを倒してくれたのです。結局今回は亡くなったのは斬撃の乙女の3人とワグネルさん所の奴隷が1人とワグネルさんが村に帰るのに便乗して付いてきた奴隷商とその奴隷2人の計7人が亡くなりました。」


 ウルメラの説明を聞き、クレアは


「それは、大変でしたね。お仲間にはご冥福をお祈りいたします。それでは、報酬の御支払させて頂きます。クレアさんのギルドカードに入金させてもらってよろしいか?」


 少し素っ気ない様な気がするが、よく有る事なんだろうと、思った。


「はい、それでお願いします。」


「でわ、こちらにギルドカードを置いて下さい。」


 クレアがカウンターの下から四角いティッシュの箱ぐらいの魔導具を取り出し、何か操作している。


 そして、クレアの操作が終わると、ウルメラが魔導具の上にギルドカードを置いた。すると、魔導具が光った。


「入金完了です。ご確認を」


 すると、クレアはギルドカード裏面をを見ていた。そこには説明の通り銀行通帳みたいのが表示されていた。


「はい、大丈夫です。それと、ギルド長にお伝え下さい。この村の周辺にランクAの魔獣が出た事を最近この周辺にランクAではないにしろランクの高い魔獣がちらほら出没しておりますと、そろそろ西の山からのスタンピードが起こるかもしれませんから、一度調査をお願いします。すべて、冒険者の勘なんですがね。」


「分かりました。ギルド長に早急に報告させていただきます。以上でよろしかったでしょうか?」


「いや、まだです。それで、斬撃の乙女は解散します。メンバーが一人では仕方ありませんからね。」


「そうですか、残念です。メンバー募集をかければウルメラさんならすぐに見つかると思いますが、どうしますか?」


「やっぱり、解散します。解散後はまだ決めてないのですが、出来れば、ヒロタカさんのパーティーに入れればと、思っていますが、」


 そう言って、ウルメラが俺の方を見た。


「えっ、そうなの?俺のパーティーに入りたいの?知らなかった。どうする美恵?」


 俺は、焦って美恵に振った。


「良いんじゃない、ベテランが一人居たほういいしね。私達の場合、常識外れな事しそうだしね。」


 美恵の了解が出たので、


「良いよ、ウルメラ。これからもヨロシクね。」


 俺は、改めて挨拶をした。


「それでは、ウルメラさんはヒロタカさんのパーティーに入るということで、ウルメラさんがランクBなので、出来れば早めにパーティー申請をしてもらうと助かります。」


 俺は、考えた。


「えっ、そうなるとパーティー名を考えないといけないよね。それじゃ、ヒロタカと愉快な仲間たち、で、良いかな。」


 そう言うと周りから


「ヒロヒロ、それは無いでしょう。せめて、美しき仲間たちとか。」


「パパもママも問題はそこじゃないよ。こんなの恥ずかしくて使えないよ。」


「本当だ、親父、もっと真剣に考えてくれよ。」


 俺のネーミングセンスはみんなに受け入れられなかった。


「分かった。パーティー名は今度にする。すみませんね。クレアさん。」


「大丈夫ですよ。決まったら、また来てください。それではウルメラさん以上でよろしかったですか?」


「そうですね。私は以上ですが、ワグネルさんはどうですか?」

 

 ちょっと自分に振られるとは思っても居なかったワグネルは


「わ、私ですか?知り合いにも会ってきましたし、此処での用事はありませんね。ヒロタカさんは?」


 俺も、突然振られてちょっと驚き


「お、俺ですか?そうですね。倒した、ゴールデンニードルベアを処分しましょうか?いいですか?」


 いくらになるか知らないが、現金ほしいしね。


「それじゃ、別館にいきましょう。ありがとう、クレア。それでは失礼する。」


 みんなクレアに挨拶し、食堂横の通路から別館に移動した。


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