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33 説明

 美恵が、いきよいよく言ってきた。


「次は、絶対あたし、逸樹なんかに負けないんだから。」


 全く意味のない所で張り合っている美恵、


「それでは、ミエさんこちらにどうぞ。」


「ハイハーイ。」


「それでは、右手を魔道具の上にお願いいたします。」


 美恵は、水晶玉のような魔導具の上に手を置いた。


「ヒロヒロ、見てて。私やるわよ。」


 俺は、何をやるんだと、思いつつ、小さくため息をついた。


 クレアの「どうぞ」の一言の後に、美恵は「ふんぬ!」と掛け声を掛け、真剣な表情で何かをやっていた。多分、魔力を必死に流して居たのであろう。


 魔導具は光、そして作業は終わった。


「ふん、やるじゃない。今日は勘弁してやるわ。」


 クレアが微妙に困った顔をしていた。


「そ、それでは確認させていただきます。」


 名前、性別、年齢、と来て、またもや止まった。


「すみません。ミエさん。レベルの方が1と表示されていますが、」


「ええ、そうよ。まだ、1なのよ。困ったものよ。明日にはガッツリ上げてやるんだから。」


 クレアはなんだか、ハズレくじを引いたようにがっくり頭を下げた。しかし、そこは受付嬢、気を取り直して、カードを美恵に渡した。


「それでは、ヒロタカさんとお待ちください。」


 その時、ワグネルが声をかけてきた。


「ヒロタカさん、すみませんが、少し席を外します。ギルド内に知り合いが居るので、そちらの少し行ってきます。すぐに戻りますので、終わったら食堂でお茶でもしていてください。」


 そう言って、ワグネルは足早に奥にある階段へ向かった。


「次はイツキさんですね。」


 逸樹は隣のカウンターをじっと見つめていた。


「おい、逸樹、お前の番だぞ。」


 そう言われて、


「あっ、俺か、ごめんごめん。よそ見してた。」


 逸樹はカウンターに向かった。


 俺も逸樹の見ていたカウンターを見てみた。そこには魔女帽をかぶった。金髪の女の子が居た。あーあれだ。ちょっと、魔○沙に似ていた。服も白黒の服だったからな。


「それでは、イツキさん。右手を魔道具へどうぞ。」


 逸樹は言われるがままに右手を魔道具に置いた。


 クレアはカードを魔導具に差し込み、「どうぞ」の声を掛けた。


 魔導具は光り、その光もすぐに収まった。


 クレアは確認作業に入った。またもやレベルのところで、止まった。


「イツキさんのレベルは41で間違いありませんか?」


「あ、はい」


 クレアはなんだか少し嬉しそうだった。


「イツキさんはお若いのにレベルが高いんですね。凄いです。」


 イツキは誉められて嬉しそうだった。


「それほどでも無いですよ。」


 確かにそれほどでもない、逸樹は一回も戦ってないからね。


一通り、全員がギルドカードを手にした。


「それでは、皆さん冒険者の説明をさせて頂きます。」


 そう言うとみんなはクレアのカウンターの近くに集まった。


「えっと、それでは説明します。冒険者には下からE、D、C、B、A、Sの6段階担っています。最初はEから始まります。そして、依頼をこなし成功した回数、討伐した魔獣、レベルを加味してギルド側から連絡させていただきます。簡単な依頼を回数をこなせばランクが上がるわけではありません。尚、この方法は冒険者の生存確率を上げるために、行うものであります。ココまででご質問はありますか?」


 周りを見たが問題わなさそうだった。その時勇気が


「パパ、飽きたからウルメラ姉ちゃんとシルビア姉ちゃんで向こうの方を見に行ってくるね。」


 と、言って来た。


「すみませんね。ウルメラさん。」


「いいですよ。気にしないでください。」


「何かやらかしたら、怒ってやってくださいね。それとシルビアさんもごめんね。」


「いえ、大丈夫です。ご主人様。」


 シルビアにご主人様って言われて、ちょっとドキッとしてしまった。


 そして、ウルメラとシルビアを引っ張って歩いて行った。なんかめっちゃウルメラに懐いたな。


「話を止めてすみません。」


 そう言うとクレアは


「大丈夫ですよ。お子さんには退屈ですからね。」


 そう言ってニコッとしていた。クレアさんこども好き?


「それでは説明を続けます。次は依頼の説明です。依頼には常時依頼と通常依頼と指名依頼と緊急依頼と特別依頼があります。通常依頼はあちらの掲示板に張り出して有ります。行う依頼がありましたら、その依頼書を持って受付に来てもらいます」


 そう言って、クレアは左手でカウンターの左端、俺らから見たら右の方を指差した。


「それで、常時依頼とは主に低ランク魔獣の討伐、薬草などの採取などが挙げられます。この常時依頼はどのランクの冒険者でも行って貰っても問題はありません。魔獣の場合は討伐証明部位を切り取りもって来てもらいます。採取は採ってきた物を持って来てもらいます。常時依頼に関しては依頼書を持って来て貰う必要はありません。依頼書は提出に必要な個数の確認をしてもらいます。そして、討伐証明部位もしくは採取物を受付に持って来て提出してもらいます。ここ迄でご質問は?」


 みんななさそうだ。


「続いて、通常依頼は常時依頼とは異なり、依頼にもE、D、C、B、A、Sとランクが有り、ギルドランクによって受けられる依頼に制限が掛けられています。パーティーなら一番高ランクの人の一つ上、ソロでもその人のランクの一つ上まで依頼を受ける事が出来ます。ランクEの冒険者ならランクDの依頼、ランクCの冒険者ならランクBの依頼とこのようになっています。ここ迄でご質問は?」


 はい、と、俺が手を上げた。


「はい、ヒロタカさんどうぞ」


「例えばランクEの冒険者50人でパーティーを組んでもランクCの依頼は受けられないのですか?」


 その質問に


「はい、駄目です。50人居てもその中の一人が狙われたら間違いなく死にます。冒険者の生存率を上げるためには無理はさせられません。」


「ありがとう。」


「それでは次は、指名依頼ですね。これはその名の通り依頼主が冒険者を指名して依頼してきます。この依頼はランクB以上の冒険者に限ります。その為ランクB以上になった冒険者は拠点にしている場所をギルドに報告してもらうことになります。そして、依頼が来た場合はギルド職員がそちらにご連絡をする事になっています。そして、この依頼は掲示板には張り出されません。それと、この依頼は冒険者が無理、割に合わないと感じたら拒否することが出来ます。ここ迄でご質問は?」


 はい、とまたもや俺、


「じゃ、ランクBになったら、町を離れる時はギルドに連絡を入れなければならなくなりますよね」


「はい、その通りです。出来ればそうして頂けると助かります。しかし、それを怠ったから罰則が有るわけではありません。」


 俺は「ありがとう」と言った。


「次は緊急依頼ですね。これはこの名の通り緊急です。例えばスタンピードによる村への襲撃、村の大火災、など、人命が多く失われる可能性が有る場合にギルドが依頼します。これは町にいる全ての冒険者が対象です。これに拒否権はありません。逃げたり隠れたりすると罰則が有ります。罰則はランクS、A、B、に関してはランクダウンと罰金と強制労働、ランクC、D、Eに関しては罰金のみとなります。」


 はい、またもや俺


「もし寝ていて知りませんでした。もしくは負傷中でした。の場合はどうなりますか?」


「はいその場合も罰則の対象になります。が、寝ていてというのは無理だと思います。村の大きな音で警報が鳴ります。負傷の場合はギルド職員に報告してもらうと、ポーション、もしくは回復魔法で回復します。しかし、部位欠損などの重傷の場合は逆に足手まといになるので対象外になります。」


 俺は「ありがとう」と言った。


「それでは最後、特別依頼ですね。これは王族、領主からの依頼になります。貴族からは指名依頼になります。この依頼に関しても拒否権はありません。罰則も緊急依頼と同じとなりますが、この依頼はランクS、Aのみです。ここ迄でご質問は?」


 まぁ、王族、領主の依頼なら仕方ないわな。


「そして、ギルドカードですが、ランクによって、素材が変わります。ランクSはミスリル、ランクAはゴールド、ランクBはシルバー、ランクCはブロンズ、ランクDはアイアン、ランクEはウッドとなっております。そして、先ほども言いましたが、金銭の出し入れが出来ます。残高が知りたい場合はギルドカードに魔力を流してもらうと裏面に表示されます。尚、他人の魔力では表示されません。後、身分証になります。後はあまり居ませんが、冒険者ギルドが融資を行います。ランクによって、融資額は変わります。それとあまり有ってはいけないのですが、死亡時に残高が残っていた場合は初めに家族が相続し、家族が居ない場合はパーティーメンバーが相続し、両方居ない場合は発見者が相続する事になっています。質問がなければこれで終わりとなりますが。よろしいですか?」


 またもや俺、


「えっと、魔獣を倒したのですが、解体はしていません。こちらで解体は行ってもらえるのでしょうか?」


「はい、大丈夫です。そのまま運んで貰っても大丈夫ですが運ぶ場所がこのホールですと困りますので、冒険者ギルド建物の横の別館になります。依頼の場合は先に別館に魔獣を置いて、そちらで討伐証明を貰い、こちらで依頼の精算になります。依頼に関係ない部位などはお持ち帰り、もしくは買い取り、廃棄、など選ぶ事ができます。依頼と関係ない魔獣でも解体、買い取りはさせてもらいます。尚、解体には手数料が発生します。なのであまり低いランクの魔獣ではもったいないかと思います。」


「良かった。少し解体していない魔獣が居たものでね。」


「それでしたら、帰りにでも別館にお寄り下さい。別館には食堂横のあの通路で行くことが出来ます。」


 そう言って指差してくれた。


「後、何かご質問は?なければこれで終わりになります。分からない事があればいつでもお聞き下さい。」


 やっと、終わった。と周りを見ると、美恵も逸樹も二人で何か話していた。


「ありがとうね。クレアさん。」


「いえ、それと、ヒロタカさんはワグネルさんとお知り合いですか?」


「ちょっとね。」

 

 なんだろうと思った。


「ヒロタカさんと連絡を取りたい場合はどうしたらよろしいでしょうか?」


 おっ、ちょっと、逆ナンされてる?


「ごめんね、俺には妻がいるから」


 クレアは少し首を傾げ、


「ヒロタカさんは高レベルですから、ギルド長が話をしたがるかもしれませんから、念のために聞いて置こうかと。」

 

 いやー、恥ずかしいー、ちょー恥ずかしいー、自分でも分かる位顔真っ赤だよ。


「多分、今日、明日位ならワグネルに言って貰えれば連絡付くと思います。」


 そう言っていると、横から美恵が。


「ちょーウケる。俺には妻がいるから、って、どうよ。自分40超えたおっちゃんなのに、ププ。」


 うわー、聞かれていた。そこはスルーしといてよ、クレアも困った顔で居るよ。


「じゃ、ありがとうね。クレアさん」


 そう言って、恥ずかしいので逸樹と美恵を引っ張って食堂の方に向かった。


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