22 夜襲
『・・・様、弘隆様。』
夫婦のスキンシップを終えて眠りについていると、俺を呼ぶ声が聞こえてきた。
「ん? 誰?」
レベルが高いせいなのか日本のときより目覚めがいい。
周りを見てみると、開口部から見える外はまだ暗い、時計を見ると4時になったばかりだった。
『十六夜です。おやすみ中申し訳ありません。』
寝ている美恵と勇気を気遣って音のでない様に頭の中に話しかけてきた。
(どうした?)
それにつられて俺も頭の中で話しかけた。
『【警戒】の範囲には入っておりませんが、ランクAの魔物が出現いたしました』
(それは大変だね。)
そう言うと俺は、【マップ】を見ると、2キロメートルほど先にゴールデンニードルベアと表示された赤い点があり、ほぼ動いてない状態だった
(こっちに来そうもないから、明るくなったら倒しにいこうかな。)
そう言うと十六夜が
『弘隆様には影響は無いのですが、ゴールデンニードルベアの周りに人間の反応が在りまして、』
十六夜がそこまで言うと俺は、慌てて【マップ】を見直した。
するとそこには5つの青い点があったが、1つ消え4つになった。
「ヤバい!」
そう言うと俺は、【転移】でゴールデンニードルベアの所へ行った。
到着するとそこは小さな焚き火の光しかなく、暗くて見えない、が、何処かで金属同士がぶつかる音がしていた。すぐに【光魔法】で照度の高いライティングを複数イメージしそこら辺に飛ばし視界を確保した。
昼間の様に明るくなって見えた物は目を背けたくなる様な状況だった。
幌馬車が2台あり、20センチメートルぐらいのトゲみたいのがマシンガンで撃ったかの様に刺さり、その付近に数人が倒れており【マップ】に反応はない、息絶えているみたいだ。
そして、その奥に方膝をつき俯いて今にも倒れそうになっているのを剣で支えている状態の人と体長5メートルを超すと思われる金色のニードルベア。ヤツが俺の事に気づいたのか、こちらを見て口を開け大きな声で唸り威嚇をしていた。
ゴールデンニードルベアは、全身の毛が鋭い棘のようになっており、その棘は金属の様に固く、打ち出すことが出来るみたいだ。昼間倒したのは普通のニードルベアだった。それとは大きさが全く違った。昼間のニードルベアは2.5メートルほどだったがこれは倍近くあり、全身金色の棘で覆われ腕の棘は逆だっていた。
ヤツと目が合った。40歳過ぎたおっさんの何処にこんな怒りがあったのかと思う位俺は、思わず手ぶらで突撃しそうになったとき。
『弘隆様、ここは冷静にお願いします。ランクAの魔物など弘隆様の敵では御座いません。が、それでも武器を持たず突撃はいささか危険では無いでしょうか。』
十六夜の一言で俺は、冷静になった。が、ヤツは攻撃を仕掛けてきた。
ヤツが腕の棘を打ち出しこっちに向かってくるのが見えた、瞬間、《【思考加速】を取得しました。》メッセージが流れると同時にヤツの動きがかなりゆっくりになり、ヤツの棘がこちらにゆっくり飛んでくるのが見えた。
「ありがとう、十六夜。」
【転移】でヤツの真後ろにでた。完全に死角に入ったのにヤツは何かを感じたのか背中の棘を逆立て俺を牽制しようとしたのか棘がゆっくり逆だって来た。俺はもう一度【転移】を使い、今度はヤツのバカでっかい顔の前には出て、目の中に魔力増量のアイスバレットを撃ち込んでやった。一瞬の出来事でヤツも反応できずそのまま攻撃をくらった。
俺が地面に着地すると同時にヤツは後ろに大きな音と共に倒れ、ヤツの表示が消えた。すると頭のなかで《レベル107になりました》のメッセージが流れた。




