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16 美恵と十六夜

「お帰り、ヒロヒロ、逸樹。どうだった?お肉獲れた。」


 【転送】で戻った俺たちを外を歩いていた美恵が柵の内側からすぐに見つけた。俺たちは出発前との違いに驚いた。


「ただいま、肉は獲ったよ。獲っただけ解体しないとダメなんだ。それより凄く変わったな家。」


 俺たちは話ながら柵の内側に入った。


 そこには石で出来た3階建ての家があったのだ。いや、3階建てだが高い、ブロック数で、12個分だから12メートルか、なんか、四角いしビルって感じだ。奥行きもしっかりある。なん部屋造ったのか聞くのが怖い位だ。その周りを高さ3メートル位の石の柵があったのだ。そして、美恵は俺が帰ってきたのでちょっと嬉しそうな顔をしていた。


「勇気が頑張ったからね。次は私の番、解体なら任しておいて、伊達に昼寝はしていないよ。じゃ、なくて、一応主婦ですから。」


 俺が、えっ、て、顔をするとギロッて睨んで来た。


「じ、じゃ川原に行くか。それで勇気はどこ行った?あっ、いいよ、分かった。」


 俺は【探知】検索条件を動物に設定し人間を青、魔獣を赤、その他を白で色分けし、名前を表示させると、勇気の名前が地面に表示された。


「勇気は地下に潜ってるのか?」


「そうそう、私の護衛もしないで、木炭から松明を創ったから、地下に穴掘って鉱石探すんだだって、言って地下に潜って行ったわよ。」


「それなら、今のうちに川辺で魔獣の解体をしてしまおう。」


 俺は帰ってすぐに家の中に入ってゴロンとしている逸樹に、


「逸樹、お前は勇気が帰ってきても良いように、ここで留守番な。俺達はそこの川辺で魔獣の解体をして晩ごはんの用意をしてるから、何かあったら大きな声で呼んでくれ。」


「はいはい、それぐらいは分かってるよ。いってらー」


 と、逸樹は、返事をすると【アイテムボックス】から果物を出し、食べ始めた。


「じゃ、行こうか。美恵。」


「ハイハーイ。」


 二人ですぐそこの川辺に歩いて行こうと思ったけど、少し悪戯心がでてしまい、


「【転移】」


 俺は、いきなり【転移】を使い美恵を驚かせた。


「なんじゃこりゃ、ヒロヒロ、なにしたの?突然場所が変わったよ。目の前川だし」


 美恵は突然目の前に川が有ったのでびっくりし頭を左右に振り周りを確認している。


「なんてこと無いよ。新しく創った【転移】のスキルを使ったんだよ。便利でしょ。」


「めっちゃ、便利だよ。歩かなくていいなんて。私も欲しい。何とかして」


「なんとかと、言われましても、俺では何ともならんよ。」


 と、美恵に言いながら違うことを考えていた。


(十六夜、スキルって人にコピーとか出来るの?)


『はい、弘隆様がレベル200に成られましたら【スキルコピー】が創ることが可能になり、他人のスキルをに自分に転写したり、逆に自分のスキルを他人に転写することが出来ます。しかし、転写先が必要レベルに達していない時は転写することが出来ません。』


(ありがとう、十六夜、それと【転移】は何レベルからコピーできる?)


『レベル10からと、なっております。』


(意外と簡単に美恵に複写することが出来るな。)


『はい。弘隆様がパワーレベリングをして差し上げればレベル10は容易だと思われます。しかし、重要なスキルを【スキルコピー】なさる場合は十分にお気をつけて行って下さいませ。』


(なぜ?)


『弘隆様が転写なさろうとしておられます【転移】のスキルですけれと一般人には普及しておりません。必要レベルは低いのですけれと習得されている人少数です。普通の人生経験では【転移】を習得することは、まずありません。国の魔術大臣クラスになると習得しております。話はそれましたが、【転移】はお使いになって分かっておられますと思いますが、とても便利なスキルですが、逆にとても危険なスキルなのです。弘隆様がなさっておられる戦い方を他人が弘隆様に向かって行った場合を考えて頂きたく思います。』


(ありがとう、十六夜。スキルを転写する時は自分の身内だけにする。これなら万が一裏切られてもあきらめも付くからな。)


『忠告、お聞き下さいましてありがとございます。』


「ヒロヒロ、フリーズしてるよ。どうしたの?」


 突然、動かなくなった、俺が気になってる声を掛けてきた。


「ああ、ごめんね。十六夜に美恵に【転移】を転写するにはどうしたら良いのか、聞いていたんだ。」


「で、どうだったの?」


「俺がレベル200になり、美恵がレベル10になれば出来るって。」


「そっか、で、十六夜って誰?」


 美恵がギロッと睨みながら聞いてきた。


「お、俺が創った【賢者】ってスキルの脳内アドバイザーでいろいろ知っているんだ。やましいことは何もありません。」


「女性なんだ、へぇー、そうなんだ、それで可愛いの?」


 その、へぇーが、怖いんだよな。 


「な、なんでやねん、音声だけだよ。」


「ヒロヒロが必要と思ったから創ったんでしょ。でも、ヒロヒロの事だから、まだ何かしようと考えてるでしょ。」


「確かに考えは有るけどまた今度。とりあえず十六夜のおかげで村の場所が分かったよ。」


「すごいじゃない、じゃ、今から村に行こうか?」


「それも考えたんだけど、今の時間帯じゃ村に行っても、なんか迷惑になりそうだし。」


「それもそうか、夕食前に訳の分からない家族が村にやってきても、向こうも鬱陶しいでしょうからね。明日の昼前にその村に着くぐらいがいいかもね。」


「俺もそう思う。」


「じゃ、解体しようか。でも、魚の捌き方ぐらいしか解体の仕方しらないよ。」


「俺も知らないよ、こういう時は十六夜さんだ。」


「おー!」


(十六夜、魔獣の解体の仕方教えて)


『はい、分かりました。しかし、弘隆様なら【クリエイトスキル】で【解体】を取られますと解体の知識を手に入れることが出来きなおかつ解体もスムーズに行うことが出来ます。』


「ヒロヒロ、黙ったって事は十六夜さんと話してるんでしょ。私も十六夜さんと話したいよ。」


(十六夜、外部音声に切り替えるとか、出来る?)


『はい、可能です。それでは、』


「初めまして美恵様、私、十六夜と申します。この度、弘隆様の【賢者】のスキルによりアドバイザーをさせて戴くことになりました。よろしくお願いいたします。」


 と、何処に音源があるのか分からないが俺と美恵に聞こえる声で話掛けてきた。


「あら、綺麗な声ね。十六夜さん、これからもヨロシクね。」


 と、美恵が俺に向かって頭を下げて挨拶をしていた。


「ありがとう御座います。美恵様、私の事は遠慮なく十六夜と呼び捨てて頂いて結構ですので」


「そんな、へりくだらないで、これから一緒に生活していく仲間なんですからね。でも、何にも無いところに話すのは違和感があるかな。電話のスピーカーで話してると思ったらいいかな。」


「申し訳ありません。私の本体は弘隆様の中にありますので。」


「そうなの?残念ね。退屈なときに一緒におしゃべりして欲しかったのに。」


「それでしたら、可能です。弘隆様が【チャット】のスキルをお創りに成られますと、弘隆様が登録された方々の頭のなかにチャットのウィンドウが出来それに話しかけると、登録されている方々の頭の中に音声が届きます。尚、会話はすべてウィンドウにログが残りますので、最悪聞きのがしても、ログを見てもらえば分かるようになっております。それと、登録者様は個別の会話も出来ます。」


 あいかわらず、十六夜は使えるなと思いつつ俺は会話に入った。


「なぁ、十六夜、なんかいろいろスキル創らないといけないみたいだけど、俺が必要かな?って思うスキルを十六夜の判断で創ることできるか?」


「なにそれ、ヒロヒロ、楽しすぎじゃないの?ちょっとは自分で考えたら?十六夜さん大変じゃないの。」


「いえ、美恵様、ご心配ありがとうございます。弘隆様、仰ることは可能です。しかし、私には恐れ多いことでございます。」


「気にすんな。十六夜、お前とは今日はじめて話したばかりだが、美恵が仲間だって言ったんだ、俺はいつも美恵の勘を信じているから問題ない。」


「ヒロヒロがそこまで言うなら十六夜さんちゃちゃっとヒロヒロから権限貰っていろいろ創っちゃいな。」


「それでは弘隆様、私にスキルの使用を許可すると念じていただければ、許可は終了致します。」


 十六夜がそう言うと、俺は頭のなかで十六夜のスキル使用を許可します。と念じた。


「ありがとうございます。早速、スキルを創らせて頂きます。」


 十六夜が言うと頭のなかで《【解体】のスキルを取得しました。》《【チャット】のスキルを取得しました。》のメッセージが流れてきた


 すると、したことも無い解体の作業手順が記憶にありそれを難しく感じずに居た。


 そして更に《美恵様が入室いたしました。》《逸樹様が入室いたしました。》《勇気様が入室いたしました》のメッセージが流れてきた


「それでは弘隆様【チャット】の登録は美恵様、逸樹様、勇気様、とさせていただきました。」


「おいおい、十六夜、お前が居ないぞ。それはまずいだろ。」


「よろしいのでしょうか?」


「当たり前でしょ。十六夜さんが居ないんじゃ、【チャット】創らせたいみないでしょ。」


 と、言うと頭のなかに《十六夜が入室いたしました。》とメッセージがながれた、が、俺はちょっといらっと来た。


「十六夜、やり直し。」


「申し訳ありません。何処がいけなかったでしょうか?」


「十六夜、お前はなぜ自分に敬称をつけなかった。ここが俺の気に入らないところだ。ここは様式美として様はつけろ。自分をへりくだるとかそんなの関係ない、俺の見た目が嫌だからだ、自分勝手だが慣れてくれ。」


「ヒロヒロ、きついな。もうちょっと、優しくできないの?」


「弘隆様、申し訳有りませんでした。美恵様もありがとう御座います。」


 すると《十六夜様が入室いたしました。》のメッセージがながれ俺は気分が良かった。


「ありがとう。十六夜、俺のわがままに付きあわせたな。」


「十六夜さん、ヒロヒロなんて放っておいて、二人でガールズトークしようね。」


「はい、美恵様。」


 心なしか十六夜の声が楽しそうだったのは、気のせいか?まぁいいか。


 俺はオープンチャットで逸逸樹と勇気を呼んでみた


[ 弘隆様 ]逸樹、勇気、聞こえとるか?


[ 美恵様 ]私は聞こえてるよ。


[ 弘隆様 ]美恵には言ってないよ。


[ 逸樹様 ]聞こえとるよ。これ、親父の仕業か


[ 勇気様 ]僕もきこえてるよ。


[ 弘隆様 ]【チャット】スキル創ったから何処にいてもこんな会話が出来るよ。


[ 勇気様 ]了解


[ 逸樹様 ]でも、会話中だとうるさそうだな


[ 十六夜様 ]それでしたらチャットを意識しながら静にとイメージすると音声がなくなります


[ 勇気様 ]だれ?十六夜様って


[ 十六夜様 ]初めまして勇気様、私は弘隆様のスキル【賢者】によるアドバイザーをさせていただいております。


[ 逸樹様 ]とりあえず。ハラ減ったよ


[ 弘隆様 ]了解、じゃ、解体してくるよ。分からないことが有ったら十六夜に聞いたらいいぞ!


[ 美恵様 ]じゃ私も解体してくるよ。




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