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「・・・わああっ」
目が覚めると同時に僕はベッドから跳ね起きた。はあっ、はあっ、と息が荒くなっている。額に手をやると、じっとり汗がにじんでいた。
――夢か。
慌てて、刺されたはずの左わき腹に手をやる。なんとも無かった。僕はふーっとひとつ大きく息をつき、ドサ、と音が鳴るくらい大げさにベッドに仰向けになった。
それは夢とは思えないほどのリアリティがあって、僕は夢から覚めても底知れない恐怖を感じたままだった。脳裏はいつまでも気味悪く夢の後味に支配されて、普通の悪夢から覚めた時の、ほっとするあの感じは全く無い。僕はがたがた震えだし、寝返りをうって毛布にくるまった。
「ん・・・」
僕の声と動きで、隣で眠っていた菜奈が起きた。「んー」と眠そうに声をあげながら、枕元のスマートフォンを手にとって時間を確認した。それから頭を少し持ち上げて、こちらを見、
「どうしたの、友紀斗」
とかすれた声で言った。
「まだ五時だよ。・・・どうかした?」
そう言って、心配そうに僕の背に手のひらを添えてきた。僕は激しく息をつきながら、恐怖に身を丸めていた。




