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異世界転移したら尖った耳が生えたので、ちびっこライフを頑張ります。  作者: 前野羊子
第六章 ~王子の道は前へ~

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367【お客さんの定員は一人】

いつもお読みいただきありがとうございます!

遅くなってしまったけど GW最終夜!

次の土日までの方もいるかな?


このページでゆっくりしていってください~♪

 大型試作室のそれぞれ天井が高い、四階まで吹き抜けの空間の三階あたりまでそびえているミスリルステンレスゴーレム。


 緑色の角のてっぺんまでは身長約十一メートル。

 角を外すと十メートルに満たない。

 重さは約六、五トン。

 

 緑色の角は、大気から魔素を取り込む装置。

 青い目の魔石はべつに水属性を期待しているわけではなくて、色なだけ。


 そして左胸に赤い魔石。


 超合金ロボサイズにつけたラインストーン魔石と違って、これらはハンドボールからボーリングの玉ぐらいの大きさ。


 足の裏には今は見えないけれど風属性の黄色い魔石が仕込まれている。

 

 硬いけれど、俺みたいな虫の翅というよりは天使の翅のような部材にも、ハンドボールサイズの黄色い魔石が左右対称に幾つかずつ埋まっている。

 光ってて綺麗だよ。


 形は、小さなゴーレムとほぼ同じデザイン。


 だけど、顔の鼻から下に面格子風のガードが付いている。

≪どうだ!≫

 やり切った顔の満足そうなアッシュ。

≪アナザーワールドで歩いてみたけど、なかなか動かしやすかったぞ≫

 試運転も済んでるのね。アッシュ自身で。


「これって前に言ってたみたいに俺も乗れるの?」

≪王子も乗れるし人も乗れる≫

「まじか…」


『乗りますか?』

「うん、クリプタン乗せてー」

『はいどうぞ』


 すると、胸のところがぱかッと開いて、ゲーミングチェアみたいなシートがあった。

 ひじ掛け、ヘッドレストにフットレスト。そしてリクライニングも出来るようです。

 たすき掛けのシートベルト。


『ここは操縦席(コックピット)ではないです』

「そもそも、人が操縦するようには出来ていないからね」

「精霊魔法でこんなことまで出来るなんてな」

「びっくりするよね」

「シュンスケが自分で言うな」

「だって…」


「じゃああの席はなんですか?」

 クリスが聞いている。


≪ただたんに人を乗せるところだ≫

「動かすのがクリプタンならそれでいいよな」

『はい、会話で指示をしてくれれば』


≪王子の提案で、ここは、人を拾って保護するために設けている≫

「うん、わざわざつけてくれてありがとう」


≪どうせ無駄な空間だからな≫


 ゴーレムは人と違ってものを食べて消化することは無いから、胴の中は空くよね。


「ベゼットも乗ってみる?」

「え?」

「試しに」


「ええけど」


 大きなゴーレムの方が少し屈んで、クリスの後ろに左手を持ってきている。

『どうぞ』


「うん」

 ベゼットがゴーレムの手によじ登る。


 俺が先日超合金のクリプタンを拾った風景の逆だよね。

 そうして、胸の所に手を持っていくと、シートが床ごと飛び出ていた。

 

「気を付けて移って」

「うん…」


 それでも俺はパタパタ飛んで、ベゼットがシートに乗り込むのを補助しながら確認する。

「シートベルトは、魔導車と同じなんやな」

「本当は三点ベルトがいいと思うんだけどね」

「両肩から支えるタイプのか」

「そう」


「シュンスケさん、シュンスケさんも入れるんですか?」

 クリスが言う。


「そ!小っちゃくなればね!俺はどっちにも乗れる。今は俺も乗ってくるね」


 ベゼットが乗り込んだ部分が閉まる。


 勝手にぱっかり開かないように外からロック。

 これは内側からも開けられるよ。

 でも外からはあまり見えないけれど中からは外が見える表面処理を施したアクリル樹脂の窓が付いている。


 そしてさらにパタパタと飛んで行って、顔の前に行くと、面格子状態のガードが開く。

 そこには小さな二人掛けのコックピットが。

 とはいえ、ここも操縦するための仕掛けは無い。

 精霊や妖精のスキルで、本体と一体化して操作するからな。

 そこには、小さい方のクリプタンがシートベルトをして座ってる。


『いらっしゃい王子』

「うん」


 声をかけられているけど、このクリプタンは抜け殻だ。


 ヴァルカーン王国には、ドールハウス屋さんがあるんだよ。

 で、そこではドール用の家具を拵えている女性のドワーフがいて、ここのシートを作ってもらったんだ。


 なにしろ小さい俺達のサイズって、着せ替え人形ぐらいの身長だ。

 コックピットのシートもドールサイズだ。

 床にがっちり貼り付けられているけど。


 アッシュによって。


 ただ、人が乗るには難しい狭いゴーレムの顎部分だが、小さい妖精や精霊には広い。


 ドールハウスのリビングセット一式を持ち込みました。ベッドもあるよ。

 そしてなんとシャンデリアのように白と透明の魔石が天井に一杯埋め込んである。

 まあ、これが動力源にもなるんだけど。


 動力用の蓄電池代わりの魔石は、体内のあちらこちらに張り付けてある。


 いまやスピリチュアル的な存在のクリプタンには魔法を溜めておくところが無いからね。


 外からの魔素や魔力を扱うってイメージだ。


 森や海などの自然いっぱいの地域では、畜魔石の消費は少ないだろうけど、アンシェジャミンのような砂漠で活動するにはバックアップが必要だ。


「んじゃちょっと起動してみようか」

『わかりました』


 クリプタンは今現在、小さな俺の隣に座ってるが、大きなゴーレム全体にも意識がある。

 

 器用な事だ。


 ヴンンンン……


 光の反射だけでキラキラしていた魔石が、中から光り始める。



「なんじゃこりゃー!!」


 そんなタイミングで、叫び声が!


「あれ?教授」

「教授は初めて見たんですか?」

「ここ二日は公務で学園にこれなかったから…」

「そう言えばそうでしたね」

「たしかにシュンスケやアッシュ君からゴーレムを作ると聞いていたが、まだまだかかると思っていたのだ」


…ですよね、何かすみませんうちの者が。


「もう動くのか?」

『はい動きますよ!』


 クリプタンが右手を動かしてみる。


「お、おお!」

「すげ」


「それより、広いとはいえこの中でこの大きなゴーレムの試運転は狭いだろ。

 シャッターを開けてくれシュンスケ」

「はい!…皆頼む」

“はーい”

“さいかそうへ~”

“ひらけますぅ”


 精霊ちゃんによる自動シャッターが開いていく。


 シュー


 そして、ゴーレムの足の下から空気が噴き出しているのが分かる。


 足裏には風魔法と重力を調節する魔法陣が描かれているはずだ。


 地面への物理的な衝撃緩和だ。これは石畳とか、こいつの体重でつぶれたらダメな地面を行くときの対策だ。


 足を上げることなく滑るように大型試作室の中をシャッターを超えるところまで進んでから、改めて地面に着地。


「じゃあ、ここの庭には起伏があるから、歩いてみよう」

『わかりました』


 足裏にはスライム樹脂タイヤゴムを分厚く、しかもタイヤのような模様を刻んでもらっている。


 だから足音は無い。

 まあ、動物園でみたあのでっかいアフリカゾウだって足音なんて殆どなかったもんな。

 走ったらちょっとはドスドスするかもしれないけどさ。


 なのに、


「自分より静かに歩くのである」

「ですね」

「まあ、馬車や魔導車と違って公道を走らないんだから問題はないだろう」

「シュンスケさんんは人里を通るときは何か音をつけると言ってますが」


 歩くだけで大騒ぎだ。


≪ヴァルカーンで歩くのは危険だ。道が入り組んでいるからな≫

 

 そうだよ、これはあくまでアンシェジャミン用なの!


「しかし、我が国も地底都市以外は活用できそうである」


…たしかに。だけどアンシェジャミンの開発が終わってからだよ!


 随分未来になるけどね。


『ベゼットは大丈夫ですか?』


「はい、サスペンションが利いてるのですねこれも」

「そう。さすがクリス」


 サスペンションは人用の座席の下の床と、この精霊や妖精のための空間の床下に仕込んでいる。さらに重力を調節する魔法陣も仕込んでる。

 そうじゃないと、ロボットが歩く衝撃なんて絶対石畳の馬車より凄いことになる。

 いくら足音がしなくてもね。そんな問題ではないし。


 そしてジャイロ効果の仕組みを採用。

 シート下の床を水平に保って、中で外側がクルクルしても動かない。

 これは無効化も可能。


 ガシャ ガシャ ガシャ ガシャ



 大きなクリプタンが魔導車練習場のコースを走り出した。


 ガシャガシャガシャガシャ


 さすがに走ると関節の音がする。グリースを入れた球体丁番(ボールジョイント)とはいえ。


 それでも大きさのわりに静かだと思う。


『このまま飛びます』

「おういったれ!」


 シュイィィィン


 羽が広がって風邪がまとわりつくのが分かる。


 少し膝をグイッと曲げるとジャンプして、かかとから空気を噴射する。


 その様子は白色君と黄色ちゃんを経由して俯瞰して見れている。


「うわぁ、飛んだ!」

「あんな大きなゴーレムが!」

「すげーすげー!」


 胴に乗ってるガゼットが高所恐怖症じゃなくてよかったよ。


「ゴーレムだけでもすごいのに、飛ばすとはさすがシュンスケである」


 まあね、日本育ちの俺としては、巨大ロボは飛ばなきゃだもん。


「これで、シュンスケやハロルド様、ミグマーリ様以外の飛ぶ物がひとつ増えたってことだな」

「一人乗りだけどね。ウリサも後で乗っておいてよ」


「わかった」



 後日、巨大ゴーレムでいろいろ試してわかったことは、


 クリプタン以外でこれを動かせるのは、俺とアッシュだけだった。


 他の小さい妖精や精霊では中に入れても動かせるのは難しかった。


「どうして?」


≪そりゃ…本人単体での能力差だろう≫


“あたしたちもすうにんがかりならうごかせたかもしれないけど”

≪俺たしも、手足とかパーツごとに一人ずつ入れば動いたんだが≫

“れんけいにがて!”

≪前に歩くことも出来なかった≫


小さい連中はそれぞれ別の人格だもんな。

クループレッスンみたいなものが必要かもしれんな。


いやいや…進化できる灰色妖精を見つける方が早いかもしれん。


で、もう一人灰色妖精のトットに聞いてみる。


「大きなゴーレムに乗ってみない?」


魁星の庵で縁側で洗濯ものを畳んでいたやつに聞いてみた。


≪やだ≫

≪どうして!あたしたちの力作だよ?≫


≪おれは、高いとこ苦手だ≫


「そっちか!」


 妖精には適材適所がはっきりしているからね。


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