【9話】シオンの欲張り計画
机に広げた地図と山積みになった宝石を見比べ、うんざりすること数十回。
最初はシオンが自分で宝石を水中ユートピア内のいい感じのところに置くつもりだったのだ。
さて、どこに置こうかと地図を広げたら意外と広かった。西は今話題の白藍地域。東は僕がいる紺青地域。北は花色地域、南は浅葱地域。対極にある地域同士は、飛行船で行かないといけないほど離れている。しかもこれはシオンが把握している地域のみで、全てではなかった。
過去に戻れたら自分を殴りたい。ターナに脅されて渋々この世界を創り始めたはいいものの、途中で楽しくなってきてついつい範囲を広げすぎてしまった。記憶を掘り起こせば、当時の自分が「楽しかったんだもん」とほざいている。後先考えてくれ。
改めて地図を見る。
……嫌だー、宝石設置なんかに時間を使いたくない。子ども達は1秒でも目を離せばもう違うことをしている。それを見ていたいのだ。僕だって忙しい。
自分がめんどくさくなくて、子ども達を観察する時間を確保できて、水中全域に宝石を隠せる方法。
欲張るとろくなことがないなんて誰かが言ったらしいけど、自分を戒めて小さな一歩を積み重ねるなんて面白くない。全部一気に叶えられる方法は無いだろうか。
机に顔を突っ伏す。頭は回っているようで、何にも浮かんでこなかった。蝋燭の揺れる炎を見ていても何も出てこなかったので、もう今日はいいかと顔を上げた瞬間、ふっと浮かんできた。
子ども達に宝石を隠してもらえばいいのでは?
今あるチームやグループの数くらいは、違う種類や見た目の宝石がありそうだ。
ちょうどいい!
子ども達は遊びのプロだ。戦闘のためなんて固定観念で世界を見るあいつらよりもずっとずっと意外な場所を見つけるに違いない。
それに子どもを使うのだって立派な一つの手段である。
朝からカフェインを摂取しまくっていてよかった。今日は冴えている。
ウキウキで宝石を1つ手に取り、水に空気を送り込んで作った気泡をまとわせる。細かい気泡はキラキラと輝き、ますます子どもが好みそうな見た目になった。まぁ、何人か自分のものにしそうだが、それはそれでいいだろう。
子ども達に設置を任せる分、このくらいはやるかと残りの宝石にも手をつける。
あとは、依頼状も書かなくては。
みんながワクワクしそうなやつ。




