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メルヒェンランド  作者: 袋ラーメン☆好き男
魔法の国編 本
33/36

しきるちゃんの!『ガチンコ国盗り合戦#5』

 セッティングは完了した。

 まだターゲットはあらわれない。

 スコルテは黒一色のモニタを、ひたすらにらみつけていた。大広間に持ちこんだ機材とその接続は、すべてチェックを終えている。スイッチを押せば、いつでもぶちあげられる状態にある。 

 なぜか、マスカレーネが城内にいた。そして、攻城兵器と部隊は城外だった。スコルテはこの一見矛盾した状況について、熟考を重ねた結果、敵が攻めてくるものとして結論を出した。

 黒一色にモニタの下部より、ターゲットをあらわす三角がいくつも浮かび上がってきた。

 攻め上げて来ている。

「来たぞぉ……ねずみどもが……」

 モニタの右下に、ターゲット数が表示されていく。

 十――百――五〇〇――。

 数字は一五〇二で止まった。

 機械は魔法でつくっているため、数字には弱かった。多いのか少ないのかわからなかった。四桁もあるからかなりの敵数だ――スコルテはそう結論を出した。

「ククク……腕がなるぜ……」


《スコルテ様! 待ってください!》


 そのとき、ローカルが来た。

 見張り塔から目視警戒をおこなっている護衛兵。

《馬鹿野郎! 今、もう敵がきてるんだ! 何だ今ごろ!》

《敵じゃあありません! トラジ様の隊です!》

 思考が停止した。

《トラジ……何でここに? ……敵が攻めてくるんじゃないのか?》

《わかりません! しかし!》

 がっくりと肩を落とした。

 ぶちあげられなければ、しきるとペルソナーレにどやされる。しかし、味方をぶちあげるわけにはいかない。わかったと答え、ローカルを切った。

「仕方ない、作戦中止だ。仕掛けを撤去する。誤動作する危険があるから、トラジたちと合流したのち城門に設置した爆薬から……」



「バカじゃなお前!」

「うるせぇクソババ! あっちの方が近道だと思ったんだよォ!」

「俺がッ、俺こそがッ」

「下がってろマローネ! そもそもお前らは関係ねえだろぉよォ!」

「何を抜かす! 見せ場なくして引くことはできん!」

 一五〇〇が地を蹴る。

 空中で激しく回転をはじめた。

「加齢そのものォー!」

「俺だって、俺だってやってやる!」


「『将軍を、すごくそうする』」


「何だその魔法! 効果は何だ!?」

「効果は特にない。気持ちの問題だ」

「そんな魔法あるかァ!」

「部下がいないから具体的には発動しないんだ」

「魔法ってのはよぉ、マローネ、いいか! こうやるんだァ!」


「『花道』」


 赤い絨毯がまっすぐに伸び、すぐ目前にまでせまった城門を突きぬけた。





「うわあ綺麗。あんなの用意してたんですか? なんか、魔王国領、ちょっと期待しちゃうなあ」

 護送車の窓から見える色とりどりの花火を、頬杖をついたシューイチがうっとりとした表情で見上げる。

「あのバカ……これは予想がつかなかった……」

 マスカレーネからのグローバルを切ったしきるが、がっくりと肩を落とした。

「あの、つまり、魔王様はどうするおつもりだったのですか?」

「いや別に……。だから、単に、恋の演出を……」

 ふるえた。

 ぷるぷると心がふるえた。

 しかし今はそれどころではない、と思いなおした。

「……まあそれはいいとして、よくないけどいいとして、マスカですよ」

「マスカ?」

 しきるが、わずかに顔をむけてくる。

「あー。最初の案だよ。攻城にいったマスカに、万が一の為に、飛獣をつけさせた。そしたら城に人がいなそうだが確認していいかってメールきたから」

 ふるえた。

 ぷるぷると心がふるえた。

「メール? マスカのメアド知ってるんですか!? 私には絶対教えてくれないのに!」

「知るかそんなの。それで『気をつけてね』って。そしたら『誰もいないから城とります』って」

 ふるえた。

 ぷるぷると心がふるえた。

「じゃあ始まる前から城とってたのですか!? なぜそれを私に」

「バカか。マスカの攻城部隊、千かいないんだぞ? 敵に傍受されて城にむかわれたらひとたまりもないだろう。お前だって上陸直前まで作戦伏せていただろうが」

「ねえ、あなたの番。しきる、早くして」

 むかいにすわっているアパチアが無表情で言った。

「それでもせめて私には……」

「暴れさせてくれるって言ったろ? はい。終わり終わり」

 そう言うと、しきるは手のなかのカードへ視線をもどした。



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