表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ギターを弾き続けたら東欧の王女様にラテン語で求愛されました。『言葉が通じないと思っている彼女が可愛すぎるので、もう少しだけ秘密にしておきます』  作者: 虹の箸
恋のライバル出現

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
9/16

三人でお買い物

日曜日。

日本有数の楽器店が立ち並ぶ街、御茶ノ水。駅前の広場は、ギターケースを背負ったバンドマンや学生たちでごった返していた。

「結城センパ〜イ! お待たせしましたっ!」

人混みの中から、パタパタと手を振って駆け寄ってくる日野さん。

オフショルダーのトップスにふんわりとしたスカートという、気合の入った「デート服」だ。彼女は合流するなり、挨拶代わりとばかりに僕の右腕にギュッと抱きついてきた。

「ちょっ、日野さん、歩きにくいってば……」

「え〜? 迷子になっちゃうからダメです! あっ、外人さん……じゃなかった、アレクサンドラ先輩も、おはようございます!」

日野さんが無邪気に声をかけた先には、少し離れた場所で腕を組んで立つアレクサンドラの姿があった。

彼女の私服は、上質な素材のブラウスにタイトなロングスカートという、気品あふれる洗練されたスタイルだ。ただ立っているだけで雑誌の表紙から抜け出してきたような美しさに、周囲の通行人が思わず振り返っている。

しかし、そのサファイア色の瞳は、僕の腕に絡みつく日野さんを絶対に許さないとばかりに、ギリギリと睨みつけていた。

「……おはよう。あくまで今日は、日本の庶民の休日の過ごし方を視察する『公務』よ。勘違いしないでちょうだい」

冷たく言い放つアレクサンドラ。だが、僕の耳には彼女の小さな『ラテン語』がしっかりと届いていた。

「|Cur illa puella bracchium eius tenet... Invidiosa sum!《どうしてあの子が結城の腕を……! キィィ、腹立たしいわ!》」

(王女様、めっちゃハンカチ噛みちぎりそうな顔してる……!)

僕は内心で冷や汗を流しながら、日野さんをなんとか引き剥がし、「それじゃあ、行こうか」と楽器店街へと歩き出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ