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観測者
とある街に聳え立つ建物の一室。
書類に目を落としていた男の元へ、来訪者が現れた。
コツンコツン。
ガラスを小突く音が鳴る。
男は部屋に一つしかない窓に視線を移した。
窓の外には薄く黄金に輝く一羽の鳥。
男は無駄のない足取りで窓へと向かった。
「おいで」
静かに窓を開けて、手を差し出す男。
黄金の鳥は男の手のひらに乗ると、
瞬間、その姿を一枚の紙へと変えた。
「……」
男は紙に刻まれた文字を追う。
そして、
僅な間を置いて、男の口元が弧を描いた。
「ふうん? リベルタねぇ……」
男はそれだけ零すと、
椅子に掛けていた紫のローブを手に取り、影の中へと姿を消した——




