表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第五章『奈落城編』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
84/746

第84話 奈落の棺

奈落城内部。


静かだった。


異常なほどに。


外では神代兵が徘徊し、巨大兵器が暴れていたのに。


城の中だけ、音が死んでいる。



重い扉が閉まる。


轟音。


その瞬間。


リゼが肩を震わせた。


「……閉じ込められた感じする」


グランも顔をしかめる。


「気味悪ぃ城だな」


薄暗い通路。

黒い石壁。

天井へ刻まれた神代文字。


そして。


空気そのものが重い。


まるで。


城全体が生きているみたいだった。



セレナは慣れた様子で進む。


「奈落城は普通の遺跡じゃない」


「知ってるわよ、それくらい」


エレノアの声は硬い。


セレナは笑った。


「ここは“封印”そのものだから」


静寂。


リゼが嫌そうな顔をする。


「その言い方ほんと怖い」



士郎は黙って歩いていた。


黒い瞳。


時折、赤が混ざる。


そして。


城へ入ってから、黒い靄が濃くなっている。


エレノアは気づいていた。


奈落城そのものが、士郎へ反応している。


歓迎するみたいに。



その時。


士郎が足を止めた。


「……声がする」


全員の空気が変わる。


「声?」


リゼが聞き返す。


士郎は暗い通路の奥を見る。


「呼んでる」


静寂。


グランが嫌そうに呟く。


「帰りてぇ……」



その瞬間。


壁へ刻まれた神代文字が、赤黒く発光した。


轟音。


通路全体が揺れる。


リゼが叫ぶ。


「また!?」


次の瞬間。


床が崩落した。



全員が落下する。


暗闇。

轟音。


グランが叫ぶ。


「クソがァァァ!!」


数秒後。


地面へ激突。


土煙。

静寂。



リゼが咳き込む。


「げほっ……!」


「みんな無事!?」


グランが立ち上がる。


「あー……多分な」


セレナも無事。

エレノアもいる。


そして。


士郎。


普通に立っていた。


まるで落下ダメージが存在しないみたいに。



その時。


全員の視線が前方へ向く。


巨大空間。


地下都市並みに広い。


そして。


そこに並んでいた。


無数の“棺”。


リゼの顔が青ざめる。


「……なに、これ」


棺は全部、人型。


黒い鎧。

神代文字。


しかも。


中には、人影が見える。



エレノアの赤い瞳が細くなる。


「神代騎士の保存庫……」


グランが顔を引きつらせる。


「おい待て」


「つまりコレ全部動くのか?」


沈黙。


その時。


カコン。


一つの棺が開いた。


静寂。


そして。


中から、“それ”がゆっくり立ち上がる。


白銀の甲冑。

巨大な剣。


そして。


人間の顔。


だが。


瞳だけが赤黒い。



リゼが息を呑む。


「……人?」


セレナは静かに否定した。


「違う」


白銀の騎士が、ゆっくり士郎を見る。


そして。


初めて口を開いた。


『……魔王』


空気が凍る。


エレノアの表情が変わる。


グランも息を呑む。


士郎だけは笑っていた。


黒い瞳。

歓喜。


「喋るのか」


次の瞬間。


白銀の神代騎士が、巨大剣を構えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ