表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第五章『奈落城編』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
78/746

第78話 神代兵器

地下酒場。


静寂。


神代兵器。


巨大蜘蛛は崩れ落ちていた。


黒煙。


火花。


砕けた甲殻。


酒場は半壊。


誰も動けなかった。


普通なら軍隊級。


そんな怪物を。


黒コートの男が、素手で破壊した。



士郎は興味なさそうに血を払う。


「弱いな」


グランが頭を抱える。


「感覚壊れてんだろお前……」


リゼも呆然としていた。


「神代兵器だよねアレ……?」


エレノアは静かだった。


ただ。


赤い瞳だけが険しい。



その時。


巨大蜘蛛の残骸から、黒い光が漏れ始めた。


脈動。


不気味だった。


まるで。


まだ生きているみたいに。


酒場の空気が変わる。


セレナの紫の瞳が細くなる。


「やっぱり……」


エレノアの顔色が変わった。


「離れなさい!」


珍しく焦っていた。


リゼが困惑する。


「な、何!?」



次の瞬間。


黒い光が噴き出した。


轟音。


巨大蜘蛛の残骸から、闇みたいなものが伸びる。


酒場全体が震えた。


客たちが悲鳴を上げる。


「なんだアレぇぇぇ!!」


「まだ動くのか!?」


それは魔力じゃない。


もっと古い。


もっと禍々しい。


神代文明の“何か”。



そして。


士郎の黒い靄が反応した。


ゆっくり。


呼吸するみたいに揺れる。


まるで。


引き寄せられているように。


士郎の黒い瞳が細くなる。


「……なんだこれ」


初めてだった。


力の方から反応したのは。



セレナが静かに言う。


「共鳴してる」


沈黙。


エレノアの目が鋭くなる。


「まさか……」


セレナは士郎を見る。


妖しく。


興味深そうに。


「神代兵器の動力源」


少し間を置いて。


口元を歪めた。


「“魔王の欠片”よ」


静寂。


酒場が凍る。


グランの顔が引きつる。


「は?」


リゼは意味が分からず首を傾げる。


「欠片……?」



黒い光が士郎へ伸びる。


まるで。


帰る場所を探すみたいに。


エレノアが叫ぶ。


「触るな!!」


しかし。


遅かった。


黒い光が。


士郎の身体へ流れ込む。


轟音。


酒場が揺れた。


士郎の全身から黒い靄が噴き出す。


今までで最大。


空気が重い。


客たちが膝をついた。


息ができない。



士郎の背後。


巨大な黒い影が浮かび上がる。


王冠。


翼。


赤黒い瞳。


観客たちが凍りついた。


「な……なんだよアレ……」


「化け物……」


セレナは静かに笑う。


確信していた。


――やはり適合する。



士郎の頭へ。


声が響く。


低い。


古い。


世界の底から聞こえるみたいな声。


【継承者】


その瞬間。


士郎の黒い瞳が、わずかに赤く染まった。


エレノアの顔から、笑みが消える。


「……まずいわね」


セレナだけが笑っていた。


楽しそうに。


「始まったわ」



地下都市グラディウス。


その夜。


“黒狼”の異変が、静かに始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ