表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第四章『地下闘技都市編』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
67/746

第67話 奴隷商人ドグマ

地下奴隷闘技場。


空気が凍っていた。


観客たちの視線が、一斉に士郎へ集まる。


黒いコート。


血の匂い。


そして。


――あの目。


「黒コートの新人……」


「昨日の怪物か……?」


ざわめきが広がる。


まだ確信ではない。


それでも。


本能が理解し始めていた。


――関わってはいけない、と。



闘技場中央。


斧闘士が怒鳴る。


「ふざけやがって!!」


巨大な斧を振り上げ、士郎へ突進する。


轟音。


殺意全開。


しかし。


士郎は動かない。


そして。


斧が振り下ろされる寸前。


踏み込んだ。


最短。


最速。


拳。


ドゴォォォォン!!!


斧闘士の上半身が吹き飛んだ。


血飛沫。


肉片。


静寂。


観客席が凍る。


実況すら声を失っていた。



士郎は興味なさそうに血を払う。


「弱い」


獣人少年は震えていた。


目の前で何が起きたのか理解できない。


リゼが急いで駆け寄る。


「大丈夫!?」


少年は怯えたまま頷く。


鎖だらけ。


痩せ細っている。


どれだけ酷い扱いを受けてきたか、一目で分かった。



上層席。


奴隷闘技場オーナー、ドグマの顔が歪む。


「……ガキが」


太った身体。


大量の指輪。


下品な笑み。


典型的な成金だった。


周囲には重武装護衛。


それでも。


ドグマ自身は一歩も動かない。


完全に他人を盾にするタイプ。


グランが舌打ちする。


「胸糞悪ぃ野郎だな」


エレノアは静かに笑う。


「こういう男ほど長生きするのよね」



ドグマが怒鳴る。


「捕まえろ!!」


次の瞬間。


闘技場周囲から武装闘士たちが雪崩れ込んだ。


剣。


槍。


斧。


数十人。


観客たちが熱狂する。


「始まった!!」


「殺せぇぇぇ!!」


完全に見世物だった。



――それでも。


士郎は笑っていた。


「いい」


次の瞬間。


黒狼が動く。


轟音。


拳。


蹴り。


肘。


人体破壊術。


武装闘士たちが次々吹き飛ぶ。


頭蓋粉砕。


関節破壊。


喉潰し。


全部一撃。


観客席が静まり返っていく。


あまりにも。


殺し慣れしていた。



グランの顔が引きつる。


「相変わらず容赦ねぇな……」


リゼも顔をしかめる。


「ちょっと怖くなってきた……」


エレノアだけは楽しそうだった。


「今さら?」



その時。


一人の武装闘士が背後から少年へ斬りかかった。


リゼが叫ぶ。


「危ない!!」


しかし。


次の瞬間。


士郎のナイフが飛んだ。


銀閃。


武装闘士の喉へ突き刺さる。


絶命。


静寂。


観客席がどよめく。


「ナイフ……?」


「アイツ武器も使えんのか!?」


グランが苦笑する。


「そりゃ元殺し屋だからな……」


その瞬間。


観客席の空気が変わった。


――殺し屋。


その単語だけで。


地下都市の住人たちは理解する。


士郎の“異常性”を。



士郎はゆっくりドグマを見る。


黒い瞳。


感情がない。


それでも。


その奥だけは冷えていた。


ドグマの顔から余裕が消える。


初めてだった。


自分が“獲物側”になった感覚。


士郎は静かに言う。


「次はお前か?」


その瞬間。


地下奴隷闘技場から、悲鳴が消えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ