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最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第1章 『黒衣の転生者編』

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第6話 オーク掃討

夜の街道を、士郎は一人で歩いていた。


月明かり。


冷たい風。


遠くから聞こえる咆哮。


オーク。


獣臭い匂いも漂ってくる。


士郎は静かに目を細めた。


「数が多いな」


その時。


後ろから足音。


レオンたちだった。


ガルド。


数人の冒険者。


そしてリゼ。


士郎が振り返る。


「来たのか」


レオンは呆れたように言う。


「お前を一人にすると街ごと壊しそうだからな」


士郎は否定しない。


リゼが小声で言う。


「否定して……」


森を抜ける。


そして見えた。


オークの群れ。

三十……いや四十近い。


巨大な体。


筋肉。


牙。


人間を見た瞬間、低い唸り声を上げる。


冒険者たちが武器を構えた。


緊張。


恐怖。


数が多すぎる。


だが。


士郎だけは歩みを止めない。


「おい」


レオンが眉をひそめる。


「突っ込む気か?」


「ああ」


「連携を――」


士郎は聞いていなかった。


地面を蹴る。


爆発音。


次の瞬間。


士郎はオークの群れへ突っ込んでいた。


「はぁ!?」


レオンたちが絶句する。


オークたちが咆哮。


一斉に襲いかかる。


棍棒。


斧。


牙。


だが。


遅い。


士郎は最前列のオークへ拳を叩き込む。


ドゴォォォン!!


頭部粉砕。


そのまま死体を掴み、別のオークへ投げつける。


二体まとめて吹き飛ぶ。


返す拳。


喉を潰す。


肘打ち。


顔面陥没。


蹴り。


胸骨粉砕。


一切止まらない。


冒険者たちは呆然としていた。


「なんだよ……あれ……」


「人間じゃねぇ……」


オークたちも混乱していた。


理解できない。


自分たちは数で蹂躙する側。


なのに。

目の前の男は、一人で群れの中心へ突っ込んでくる。


恐怖すらなく。


士郎は一体の腕を掴む。


引き千切る。


黒い血が飛ぶ。


絶叫。


その腕を武器代わりに振り回し、周囲のオークを叩き潰した。


リゼが顔を引きつらせる。


「うわぁ……」


レオンの顔も険しい。


強い。


強すぎる。


だが戦い方が異常だった。


まるで。

“殺すこと”に最適化されている。


その時。


森の奥から咆哮が響く。


空気が変わった。


オークたちがざわつく。


そして現れた。


巨大。


通常種の倍以上。


全身に傷。


赤い眼。


オークジェネラル。

B級危険種。


冒険者たちの顔色が変わる。


「まずい……!」


「なんでこんな場所に!」


レオンが剣を抜く。


だが。

士郎は笑っていた。


「やっとか」


オークジェネラルが突進する。


大地が揺れる。


巨大な戦斧が振り下ろされた。


轟音。


地面が砕ける。


だが士郎はいない。


「遅い」


背後。


士郎の回し蹴り。


ドゴォォォン!!


巨体が揺れる。


だが倒れない。


オークジェネラルが怒り狂う。


戦斧を乱舞。

木々が吹き飛ぶ。


しかし士郎は紙一重で回避していく。


無駄がない。


最小動作。


まるで攻撃が全部見えているようだった。


レオンが目を細める。


「戦闘技術が異常すぎる……」


士郎が懐へ潜り込む。


掌底。


肘。


膝。


人体破壊技術を、そのまま巨大な怪物へ叩き込む。


オークジェネラルの骨が軋む。


だが。


反撃。


拳が士郎の肩を掠めた。


轟音。


士郎の身体が吹き飛ぶ。


木へ激突。


リゼが叫ぶ。


「士郎!!」


土煙。


オークジェネラルが咆哮する。


勝った。

そう思った。


だが。


煙の中から士郎が立ち上がる。

肩が赤く腫れている。


それでも。

笑っていた。


「悪くない」


オークジェネラルが一瞬怯む。


本能が理解した。

目の前の存在は危険だと。


士郎は歩き出す。


一歩。


また一歩。


圧が増していく。


冒険者たちですら息を呑む。


その時だった。


オークジェネラルが、逃げた。


森の奥へ。

全力で。


全員が目を見開く。


「え……?」


「逃げた……?」


怪物が。


B級危険種が。


恐怖して。


士郎は舌打ちした。


「つまらん」


そして。

地面を蹴った。


爆発音。


黒い影が森へ消える。


数秒後。


森の奥から、轟音と断末魔が響いた。


静寂。


戻ってきた士郎は、血を払っていた。


「終わった」


冒険者たちは何も言えない。


オーク四十以上。


B級危険種。


それを。

たった一人で壊滅させた。


レオンは士郎を見る。


そして確信した。


この男は、いつか必ず。


世界を揺らす。

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