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最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第三章 『魔女と死神編』

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第52話 対魔王最終兵装

轟音。


古代都市アガルタ全域へ警報が響き渡る。


【対魔王最終兵装 起動】


赤黒い光が都市中を走る。


崩壊した塔。


黒壁。


地面。


全ての魔力が、古代騎士へ収束していく。


兵士でもないグランですら、本能で理解した。


終わっている。


あれは戦争兵器なんてレベルじゃない。



古代騎士の巨大剣が変形を始める。


黒い装甲が展開。


内部から赤い光が脈動する。


そして。


背後へ巨大な光輪が出現した。


まるで。


機械仕掛けの神。


リゼの顔が青ざめる。


「な、なにあれ……」


エレノアの赤い瞳が細くなる。


「神代文明の本気ね」


士郎は笑った。


心の底から楽しそうに。


「最高だ」



次の瞬間。


古代騎士が消えた。


轟音。


士郎の眼前。


巨大剣が振り下ろされる。


速い。


今までとは別次元。


士郎は拳で迎え撃つ。


激突。


衝撃波。


都市の建物がまとめて吹き飛ぶ。


だが。

止めきれない。


士郎の身体が地面へ叩き込まれる。


大地が陥没。


リゼが悲鳴を上げる。


「士郎!!」



古代騎士は止まらない。


巨大剣を連続で叩き込む。


轟音。


轟音。


轟音。


アガルタそのものが崩れ始める。


エレノアですら眉をひそめた。


「本当に対魔王兵器なのね……」


その時。


地面が爆発した。


士郎。


血まみれ。


全身ボロボロ。


それでも。


笑っている。


兵士なら即死。


だが。

士郎は立っていた。


そして。


黒い靄。


今までで一番濃い。



古代騎士の赤眼が明滅する。


【危険度上昇】


【魔王因子活性化確認】


【殲滅優先度最大】


エレノアが静かに呟く。


「やっぱり反応してる」


古代兵器は間違いなく理解している。


西園寺士郎の中にいるものを。



士郎は拳を握る。


身体が熱い。


壊れそうだ。


だが。


不快じゃない。


むしろ。


今までで一番、生きている感じがした。


士郎は笑う。


「もっと来い」


次の瞬間。


古代騎士が背後の光輪を展開した。


無数の赤い砲門。


エレノアの顔が変わる。


「伏せなさい!!」


発射。


光の雨。


都市全域爆撃。


轟音。


爆炎。


空が白く染まる。



だが。


その中を。


黒い影が突っ切っていた。


士郎。


砲撃を受けながら前進している。


皮膚が裂ける。


血が飛ぶ。


それでも止まらない。


グランが絶叫する。


「なんで前に出るんだよ!?」


士郎は笑う。


「死にそうだからだ」


リゼの顔が凍る。


エレノアは静かに士郎を見る。


やはり。


この男は。


死を恐れていない。


死に近づくことでしか、生を実感できない。


完全に壊れている。



その時。


士郎の背後。


巨大な黒い影が再び揺らめいた。


今度は前よりはっきり。


巨大。


禍々しい。


王冠のような角。


赤い瞳。


エレノアの目が見開かれる。


「……!」


古代騎士の動きが止まる。


赤眼が激しく明滅した。


【原初魔王反応】


【確認】


沈黙。


次の瞬間。


古代騎士が初めて後退った。


恐怖していた。


兵器であるはずなのに。


“原初の魔王”を。


士郎は気づいていない。


ただ、笑っていた。


獰猛に。

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