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最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第三章 『魔女と死神編』

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第50話 古代都市アガルタ

山岳地帯の奥。


霧の向こう側。


それは存在していた。


古代都市アガルタ。


巨大だった。


黒い壁。


空へ伸びる塔群。


崩壊しているはずなのに、どこか“生きている”ような異様な気配。


リゼが息を呑む。


「……なにこれ」


グランの顔も険しかった。


「都市ってレベルじゃねぇぞ……」


だが。

エレノアだけは静かだった。


赤い瞳で都市を見つめる。


「神代文明最高傑作」


その声には、ほんの少しだけ熱が混じっていた。



士郎は都市を見上げる。


強い気配。


大量。


しかも。


今まで感じたことがない種類。


その感覚に。


口元が歪む。


「いいな」


エレノアが笑う。


「気に入った?」


「ああ」


リゼが呆れる。


「観光感覚で言わないでよ……」



都市入口。


巨大な黒門。


数百年前に滅んだはずなのに、門には魔力が流れていた。


エレノアが静かに触れる。


魔法陣展開。


轟音。


門がゆっくり開いていく。


その瞬間。


都市内部から濃密な殺気が流れ出した。


グランが反射的に武器を抜く。


「来るぞ!!」


次の瞬間。


黒い影が飛び出した。


人型。


だが。


人間じゃない。


黒い装甲。


赤い単眼。


古代機兵。


神代文明の自動兵器。



古代機兵は士郎たちを見る。


そして。


機械音声が響いた。


【侵入者確認】


【殲滅開始】


次の瞬間。


超高速で突撃してきた。


速い。


兵士級では反応できない。


だが。

士郎は笑った。


拳。


轟音。


古代機兵の頭部が吹き飛ぶ。


そのまま踏み込み、二体目を蹴り砕く。


三体目。


腕を掴み、そのまま引き千切る。


火花。


金属片。


グランが顔を引きつらせる。


「また素手かよ……」



都市内部。


無数の赤い光が点灯した。


古代機兵。


数十。


いや。


百以上。


リゼの顔が青ざめる。


「うそでしょ……」


エレノアは少し楽しそうだった。


「歓迎されてるわね」


兵器群が一斉に動き出す。


空気が震える。


完全包囲。


普通なら終わりだった。


だが。

士郎は笑う。


「いい」


次の瞬間。


黒狼が突っ込んだ。


轟音。


拳。

蹴り。

肘。

人体破壊術。


古代機兵たちが次々粉砕される。


金属の雨。


火花。


破壊。


兵器群が一瞬で崩れていく。



その光景を見ながら。


エレノアは静かに士郎を観察していた。


黒い靄。


戦うほど濃くなる。


そして。


アガルタへ入ってから、明らかに反応が強い。


まるで。


都市そのものが、士郎へ呼応しているみたいだった。


エレノアは小さく呟く。


「やっぱり……」



その時。


都市中央。


巨大塔の上。


赤い光が灯る。


空気が変わる。


今までとは比較にならない重圧。


グランの顔色が変わった。


「なんだあれ……」


エレノアの赤い瞳が細くなる。


「守護者ね」


塔の頂上。


巨大な人影が立っていた。


全身黒鎧。


片手には巨大剣。


古代騎士。


神代文明最終防衛機構。


その瞬間。


士郎の口元が歪む。


獰猛に。


「強いな」


古代騎士の赤い眼が士郎を捉える。


そして。


機械音声が響いた。


【魔王反応確認】


沈黙。


リゼの顔が凍る。


エレノアは笑った。


楽しそうに。


そして。


古代騎士が巨大剣を抜いた。


轟音。


古代都市アガルタ全体が揺れ始める。

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