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最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第三章 『魔女と死神編』

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第49話 古代都市への道

数日後。


王都ヴァルディアを、一台の馬車が出発した。


行き先は北東。


神代文明遺跡群。


その最深部に存在すると言われる、“古代都市アガルタ”。



御者台。


グランが手綱を握りながら顔をしかめていた。


「なんで俺まで付き合わされてんだ……」


リゼが苦笑する。


「諦めて」


そして。


馬車後方。


黒いコートの男。


西園寺士郎。


その隣には。


灰の魔女エレノア。


最悪の並びだった。


街道を通る旅人たちは、二人を見た瞬間に

道を空ける。


誰も近づかない。


怖すぎる。



エレノアは地図を見ながら言う。


「アガルタは神代文明最大級の遺跡都市よ」


士郎は興味なさそうだった。


「強い奴はいるのか」


「多分たくさん」


即答。


その瞬間。


士郎の口元が歪む。


リゼがため息を吐いた。


「ほんと戦闘しか興味ないんだから……」


エレノアは笑う。


「でも、それがこの男の本質でしょう?」


士郎は否定しない。


実際その通りだった。



馬車は山岳地帯へ入る。


空気が変わっていく。


静かすぎる。


鳥もいない。


魔物の気配も薄い。


グランが嫌そうな顔をする。


「……嫌な場所だな」


エレノアが静かに言う。


「神代文明跡地は、今でも呪われてるもの」


リゼの顔が引きつる。


「怖いこと言わないでよ……」


その時だった。


士郎の目が細くなる。


「来る」


次の瞬間。


轟音。


馬車の前方で地面が爆発した。


巨大な黒い影。


全長十メートル級。


岩のような外殻。


赤い眼。


古代守護獣。


グランが顔色を変える。


「うおっ!?」


リゼが叫ぶ。


「なにあれ!?」


エレノアは冷静だった。


「神代文明の防衛兵器ね」


守護獣が咆哮する。


衝撃波で木々が吹き飛ぶ。


だが。

士郎は笑った。


「悪くない」



次の瞬間。


士郎が馬車から飛び降りる。


轟音。


地面が陥没する。


守護獣が突進。


巨体。


超重量。


普通なら潰される。


だが。

士郎は真正面から踏み込んだ。


拳。


ドゴォォォォン!!!


守護獣の顔面が歪む。


巨体が止まる。


グランが絶句した。


「止めた!?」


士郎はさらに拳を叩き込む。


連撃。


外殻が砕ける。


守護獣が咆哮。


巨大な腕を振り下ろす。


士郎は避けない。


肘打ちで迎撃。


轟音。


腕が砕け散る。



エレノアは静かにその戦いを見ていた。


やはり異常。


魔力なし。


なのに神代兵器と殴り合っている。


そして。


黒い靄。


また少し濃くなっている。


エレノアは小さく呟く。


「順調ね」


リゼが嫌そうな顔をする。


「何が?」


エレノアは笑った。


「壊れ具合」


「笑顔で言わないで!?」



その時。


守護獣の胸部が開いた。


内部。


赤い光。


超高密度魔力砲。


グランの顔色が変わる。


「まずい!!」


だが。

士郎は笑った。


「いい」


砲撃発射。


轟音。


山そのものが揺れる。


爆炎。


煙。


静寂。


だが。

その中から。


黒い影が歩いてくる。


士郎。


全身傷だらけ。


それでも。


笑っていた。


そして。


守護獣の眼前へ到達する。


拳を握る。


黒い靄が拳へ集まる。


エレノアの赤い瞳が細くなる。


「また使った」


次の瞬間。


士郎が拳を叩き込んだ。


ドゴォォォォォン!!!


守護獣の胸部が貫通する。


赤い核が砕けた。


巨体が崩れ落ちる。


静寂。


グランが乾いた笑いを漏らす。


「……神代兵器まで殴り壊すのかよ」


士郎は血を払う。


そして。


山奥を見る。


そこには。


巨大な黒い都市の影が見えていた。


古代都市アガルタ。


まるで。


世界そのものが眠っているような場所だった。

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