表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第三章 『魔女と死神編』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
46/746

第46話 黒核

轟音。


西園寺士郎が災厄級魔獣へ突撃する。


黒いコートが翻る。


兵士たちは息を呑んだ。


真正面。


逃げも隠れもしない。


まるで、死へ向かって走っているみたいだった。



災厄級魔獣が咆哮する。


無数の腕。


黒い刃。


一斉に士郎へ襲いかかる。


だが。


士郎は止まらない。


拳。

肘。

膝。

人体破壊術。


伸びた腕を叩き潰しながら前進する。


轟音。


血飛沫。


黒い肉片が飛び散る。


兵士たちは呆然としていた。


「あんな中を突っ込むのかよ……!」


普通なら近づく前に死ぬ。


だが、士郎は笑っていた。


「いい」


身体が熱い。


死に近い。


その感覚が、たまらなく心地いい。



魔獣の巨腕が士郎を叩き潰そうとする。


士郎は真正面から拳を叩き込む。


激突。


衝撃波。


巨腕が砕ける。


だが、次の瞬間。


別の腕が士郎の脇腹を貫いた。


血飛沫。


リゼが悲鳴を上げる。


「士郎!!」


兵士たちも顔を青ざめさせる。


致命傷。


普通なら。


だが。


士郎は笑った。


「……いいな」


完全に狂っていた。


魔獣の腕を掴む。


そのまま。


引き千切る。


轟音。


黒い血が降り注ぐ。



エレノアは静かに士郎を見ていた。


異常。


痛み。


致命傷。


そんなものが、この男を止めない。


むしろ。


傷つくほど、身体の奥の“何か”が強くなっている。


黒い靄。


濃い。


危険なほど。


エレノアは小さく呟く。


「目覚め始めてる……」



その時。


災厄級魔獣の胸部。


黒い核が脈動する。


士郎の目が細くなる。


あれを壊せば終わる。


本能で分かった。


しかし。


魔獣も必死だった。


無数の腕で核を守る。


さらに。


口腔へ黒い光が集まる。


エレノアの顔が変わる。


「まずい!!」


超高密度魔力砲。


直撃すれば王都中央ごと消し飛ぶ。


兵士たちが絶望する。


逃げる暇もない。


だが。


士郎は笑った。


「最高だ」


次の瞬間。


黒い奔流が放たれる。


轟音。


世界が白く染まる。



爆炎の中。


黒い影が前進していた。


士郎。


全身が焼けている。


血が流れる。


それでも。


止まらない。


兵士たちは言葉を失う。


なんで立っていられる。


なんで笑っている。


士郎は黒い奔流を突っ切りながら進む。


死に近い。


その感覚だけが、今の士郎を生かしていた。


そして。


ついに。


災厄級魔獣の眼前へ到達する。


魔獣の無数の瞳が見開かれた。


士郎が拳を握る。


黒い靄が拳へ集まる。


エレノアの目が細くなる。


「……!」


初めてだった。


士郎が無意識に、“それ”を使った。



士郎が拳を叩き込む。


ドゴォォォォォォォン!!!


黒核が砕けた。


静寂。


次の瞬間。


災厄級魔獣の巨体が崩壊を始める。


絶叫。


肉体が崩れ、黒い灰へ変わっていく。


兵士たちが呆然と呟く。


「倒した……?」


「黒狼が……」


災厄級魔獣。


討伐。


その中心で。


士郎だけが静かに立っていた。


血まみれで。


黒い靄を纏いながら。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ