怪物達のとある日常
静かな空間だった。
白い煙。
古びた店。
時間すら曖昧な場所。
煙草屋。
士郎が椅子に深く座っていた。
足を組む。
面倒そうな顔。
翔は少し離れた場所で煙を吐いている。
静寂。
何も起きない。
少し間。
翔が煙を吐いた。
小さい声。
「……暇だな」
士郎が鼻を鳴らす。
「そうか」
短く。
興味なさそうだった。
沈黙。
翔が少しだけ目を細める。
煙を見ながら。
「世界救った」
少し間。
「怪物とも遊んだ」
静かな声。
「で」
短く。
「暇」
士郎が少し笑う。
「贅沢な悩みだな」
翔は煙を吐いた。
少し間。
「気分悪ぃくらい暇」
静寂。
遠くでカップの音がする。
時間が止まっているみたいだった。
翔が少し首を鳴らす。
小さい声。
「ちょっと遊んできていいか?」
士郎が少し眉を動かす。
「遊ぶ?」
翔は静かな目のまま。
「暇潰し」
少し間。
「お前居たとこ」
短く。
「まだ残ってんだろ」
沈黙。
士郎が鼻を鳴らす。
面倒そうだった。
「好きにしろ」
少し間。
ほんの少し笑う。
「晩飯までに帰ってこいよ」
翔が少し止まる。
そして。
面倒そうに煙を吐く。
「そんな早く帰んねぇよ」
士郎が少し笑った。
目が細い。
「面倒増やすなよ」
翔は立ち上がった。
煙が揺れる。
静かな声。
「知らねぇ」
少し間。
「気分次第」
霧が滲む。
姿が薄くなる。
士郎が小さく息を吐く。
「……絶対面倒起こすな」
少し間。
沈黙。
そして。
ほんの少しだけ笑った。
「まぁ」
短く。
「退屈しねぇか」
白い煙が揺れた。
霧が消える。
ただ。
静かな店だけが残った。




