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最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第二部『魔王と死神』第七章 『怪物達編』

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第二部 第223話 何をする


静寂が落ちていた。


誰も動かない。


崩れた石床。


砕けた空間。


終われない怪物。


壊れない怪物。


そして。


士郎の言葉だけが残っていた。


「終われねぇなら」


短く。


「何して生きるか」


長い沈黙。


最初の観測者は静かだった。


本当に長い時間。


考えるようだった。


初めて。


考えた事の無い問いだった。


小さい声。


「……何を」


少し間。


「する」


静かな声。


「生きる」


言葉を確かめるみたいだった。


「何を?」


士郎は少し笑った。


目が細い。


「知らねぇよ」


短く。


「好きにしろ」


翔が煙を吐く。


静かな目。


「興味ある事」


少し間。


「探せばいい」


最初の観測者が翔を見る。


小さい声。


「興味」


少し間。


「私に?」


翔は煙を吐く。


静かな声。


「あるだろ」


少し間。


「今」


最初の観測者は少し止まった。


長い沈黙。


士郎を見る。


翔を見る。


そして。


小さい声。


「……楽しい」


少し間。


「面白い」


静かな声。


「分かりません」


「ですが」


ほんの少しだけ。


口元が緩む。


「嫌ではありません」


笑うものが小さく息を吐く。


『進歩してんなぁ……』


今度は小さかった。


独り言みたいだった。


セレナが静かな目を向ける。


「初めてですね」


少し間。


「“したい”に近い感情」


沈黙。


最初の観測者が止まる。


「……したい」


初めて聞く言葉みたいに。


小さい声。


「これが?」


士郎が鼻を鳴らした。


「多分な」


短く。


「で?」


少し間。


口元が少し歪む。


「もう一回やるか?」


沈黙。


最初の観測者が少し止まる。


そして。


ほんの少しだけ。


笑った。


前より少し自然に。


「ええ」


静かな声。


少し間。


「したいです」


その瞬間。


空間が軋んだ。

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