第二部 第220話 終わり方
士郎が肩を鳴らした。
拳を握る。
開く。
少し間。
「で?」
短く。
「いつまでやる」
静寂。
最初の観測者が少し止まる。
初めてだった。
ほんの少しだけ。
困るみたいな沈黙。
小さい声。
「……いつまで?」
翔が煙を吐く。
静かな目。
「殺せねぇ」
少し間。
「終わらねぇ」
煙が揺れる。
「なら」
静かな声。
「いつ終わる」
長い沈黙。
最初の観測者は考えるようだった。
本当に長い時間。
やがて。
小さい声。
「……分かりません」
士郎が鼻を鳴らす。
「知らねぇのか」
最初の観測者は静かだった。
少し間。
「終わった事がありません」
沈黙。
笑うものが止まる。
『……あ』
小さい声。
『そりゃ終わり方知らねぇか』
セレナが静かな目を向ける。
「では」
少し間。
「管理崩壊も放置なんですか」
最初の観測者が少し止まる。
ほんの少しだけ。
目が細くなる。
「……放置?」
セレナは静かなままだった。
「あなたなら止められた」
少し間。
「でも止めなかった」
静かな瞳。
「何故ですか」
長い沈黙。
最初の観測者は崩れた白を見る。
小さい声。
「目覚めた時にはありました」
少し間。
長い沈黙。
「ですが」
静かな声。
「それに興味を持ち」
少し間。
「管理する事を選んだのは」
崩れた白を見る。
「後から目覚めてきた者達です」
沈黙。
最初の観測者の目は静かだった。
ほんの少しだけ。
首を傾げる。
「それが崩壊したとて」
少し間。
「あるべき形に戻っただけでは?」
静寂。
笑うものが止まる。
『……は?』
小さい声。
『世界管理崩壊を自然現象みたいに言ってる?』
最初の観測者は静かだった。
「私が目覚めた時」
少し間。
「世界は自由でした」
静かな声。
「何故、それが問題なのですか」
沈黙。
士郎が少し笑った。
目が細い。
「なるほど」
短く。
「お前も大概だな」
翔が煙を吐く。
少し間。
「気持ち悪りぃ」
静かな声。
「でも」
ほんの少しだけ目が細い。
「分からなくもねぇ」
最初の観測者が少し止まる。
初めてだった。
翔を見る。
「……分かるのですか」
翔は煙を吐く。
少し間。
「興味無ぇもんは無ぇ」
短く。
「それだけだろ」
長い沈黙。
最初の観測者は静かだった。
そして。
ほんの少しだけ。
口元が緩む。
「……そうですね」
静かな声。
「あなた達は」
少し間。
「少し、似ています」




