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最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第二部『魔王と死神』第七章 『怪物達編』

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第二部 第212話 観測


石床が砕ける。


轟音。


士郎の拳。


蹴り。


肘。


止まらない暴力。


空間ごと叩き潰す連撃。


最初の観測者の身体が砕ける。


肩。


胸。


首。


壊れる。


死ぬ。


だが。


次の瞬間。


何事も無かったように立っている。


傷も無い。


血も無い。


最初から。


壊れていなかったみたいに。


翔が煙を吐いた。


静かな目。


少し間。


「……無理だな」


士郎が止まる。


少し笑っていた。


だが。


ほんの少しだけ面倒そうだった。


「本当に壊れねぇ」


最初の観測者は静かだった。


小さい声。


「試しましたか」


少し間。


「速さ」


「連撃」


「拘束」


静かな目。


「皆、試しました」


沈黙。


崩れた石床を見る。


小さい声。


「壊した後」


少し間。


「皆、絶望します」


笑うものが止まる。


『……あ』


セレナが小さく目を伏せる。


静かな声。


「……普通は」


少し間。


「諦めます」


翔が煙を吐く。


少し間。


静かな声。


「……面倒だな」


士郎は少し笑った。


目が細い。


「いいな」


短く。


「やっと喧嘩っぽい」


最初の観測者が止まる。


長い沈黙。


初めてだった。


少しだけ。


理解できないものを見る目。


「……何故」


静かな声。


「絶望しないのですか」


士郎が鼻を鳴らす。


面倒そうだった。


「知らねぇよ」


短く。


「壊れねぇなら」


少し間。


口元が少し歪む。


「壊れるまで殴るだけだろ」


笑うものが固まる。


『いや怖ぇよ!?』


翔が煙を吐く。


静かな目。


最初の観測者を見る。


「慣れりゃ殺せるかもしれねぇしな」


少し間。


「まぁ」


煙を吐く。


「まだ面倒だけど」


最初の観測者が静かに止まる。


長い沈黙。


その目が。


ほんの少しだけ。


初めて揺れた。

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