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最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第二部『魔王と死神』第六章『世界管理崩壊編』 
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第二部 第193話 中枢崩壊


轟音。


世界が歪んだ。


士郎の拳。


真正面。


中枢管理個体へ叩き込まれる。


今度は止まらない。


翔が断った。


世界。


法則。


管理。


無数の結晶世界。


壁を支えていた繋がり。


全て。


崩れている。


白い結晶世界が砕ける。


空間が裂ける。


可能性が散る。


法則が崩れる。


中枢管理個体。


巨大な身体が。


初めて。


大きく揺れた。


頭の奥へ。


初めて。


明確な乱れが響く。


『中枢管理損傷』


『世界維持率低下』


『管理権限異常』


『修復不能』


『中枢構造不安定』


今まで絶対だった声が乱れる。


管理側そのものが悲鳴を上げていた。


笑うものが止まる。


顔が引き攣る。


『いや待って』


少し間。


周囲を見る。


『世界工場壊れてない!?』


セレナが白を見る。


静かな目。


僅かに揺れていた。


「……崩れています」


小さい声。


「管理機能が落ちています」


短く。


「世界生成が不安定化しています」


その瞬間だった。


結晶群が揺れる。


違う。


暴走だった。


管理を失った世界が。


勝手に壊れ始める。


一つ。


結晶世界が裂けた。


中から。


海が溢れる。


巨大な津波。


空間を埋め尽くす水。


だが水ではない。


世界そのものだった。


別の結晶が崩れる。


炎。


空。


雷。


都市。


山脈。


生命。


文明。


歴史。


断片が。


世界管理領域へ流れ出す。


さらに別の世界が割れる。


巨大な魔物。


見知らぬ文明。


崩壊した王国。


終末の空。


全てが混ざり合う。


笑うものが絶叫した。


『いや工場事故!!』


『スケールおかしいって!!』


『何で世界漏れてんの!?』


白い空間はもはや原形を留めていなかった。


世界の残骸。


文明の断片。


可能性の欠片。


全てが混ざり合いながら暴走している。


士郎は周囲を見る。


少し笑った。


目が細い。


「派手になってきたな」


楽しそうだった。


中枢管理個体が動く。


初めて。


明確な焦りを見せながら。


周囲の世界を吸い上げる。


壊れた法則。


結晶。


可能性。


文明。


歴史。


全て。


身体へ取り込む。


結晶群が減っていく。


世界が消えていく。


中枢管理個体の圧が増していく。


巨大化。


違う。


“世界そのもの”になり始める。


身体の中で。


無数の文明が生まれる。


無数の世界が回転する。


存在そのものが世界管理領域と同化していた。


頭の奥へ。


重い声が響く。


今までより低い。


今までより古い。


『文明維持優先』


『怪物群排除』


『管理権限最大出力』


『世界管理機能統合開始』


『中枢管理個体再構築』


周囲の世界が震える。


結晶群が悲鳴を上げる。


法則が収束する。


管理側が。


全力で怪物を殺そうとしていた。


沈黙。


士郎が笑う。


獰猛に。


口元が歪む。


「いいな」


少し間。


拳を握る。


重力が軋む。


空間が沈む。


「その方が壊し甲斐ある」


翔が煙を吐く。


静かな目。


巨大化する中枢を見る。


今までの敵とは違う。


少なくとも。


ようやく戦う価値はありそうだった。


短く。


「今度は少し持てよ」


その瞬間。


世界管理領域全体が震えた。


怪物。


そして。


世界そのものになろうとする管理中枢。


本当の衝突が始まろうとしていた。

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