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最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第二章 『血塗れの傭兵編』

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第32話 総攻撃開始

夜明け。


ヴァルガ砦。


空気は張り詰めていた。


兵士たちは城壁の上で武器を握る。


震える手。


乾いた喉。


誰もが分かっていた。


今日が地獄になると。



その時。


魔族軍陣地から、重低音が響いた。


角笛。


総攻撃開始の合図。


次の瞬間。


地平線を埋め尽くす魔族軍が動き出した。


咆哮。


怒号。


数万規模の軍勢。


大地が揺れる。


兵士たちの顔が青ざめる。


「く、来るぞ……!」


「構えろ!!」


さらに

大型魔獣まで混ざっていた。


オーガ。

ワイバーン。

巨獣型魔物。


完全な殲滅戦。


アレスが剣を抜く。


「全軍迎撃!!」


砦全体が動き出した。


魔法砲撃。


矢の雨。


爆発。


戦争が始まる。



だが

魔族軍は止まらない。


兵士が吹き飛ぶ。


城壁が揺れる。


悲鳴。


血。


地獄だった。


リゼも必死に魔法支援をしている。


「右側押されてる!!」


「回復班急いで!!」


だが

戦線は徐々に崩れ始めていた。


数が違いすぎる。


その時。


城壁へ巨大な影が飛び乗った。


大型魔族。


四メートル級。


兵士たちが絶叫する。


「突破された!!」


大型魔族が笑う。


「ニンゲン、ヨワイ」


巨大斧が振り下ろされる。


兵士たちが死を覚悟した。


だが

次の瞬間。


大型魔族の顔面が消し飛んだ。


轟音。


巨体が城壁から落下する。


沈黙。


黒いコートの男。


士郎。


兵士たちの顔が変わる。


「黒狼……!」


士郎は静かに言う。


「邪魔だ」


その瞬間。


さらに複数の魔族が城壁へ殺到する。


士郎が踏み込む。


拳。

蹴り。

肘。

人体破壊術。


魔族たちが次々吹き飛ぶ。


血飛沫。


骨の砕ける音。


兵士たちは呆然と見ていた。


一人で。


戦線を押し返している。



戦場中央。


ゼクトは城壁上の士郎を見て笑っていた。


「いい」


その目は完全に獲物を見る目。


そして。


ゼクトが魔剣を掲げる。


魔力が膨れ上がる。


アレスの顔色が変わる。


「まずい!!」


次の瞬間。


巨大な黒刃が放たれた。


城壁ごと両断する超斬撃。


兵士たちが絶望する。


だが。


士郎が前へ出た。


拳を握る。


そして。


殴る。


轟音。


黒刃が砕け散る。


衝撃波で空が揺れた。


兵士たちが絶句する。


「また……拳で……」


ゼクトが笑う。


「そうでなくては!!」


次の瞬間。


ゼクトが突撃した。


城壁を飛び越える。


轟音。


士郎の前へ着地。


周囲の兵士たちが吹き飛ぶ。


二人の怪物。


再び激突。


拳と魔剣がぶつかる。


城壁が砕ける。


兵士たちは近づけない。


完全に別次元だった。



その頃。


砦右翼。


人類軍は崩壊寸前だった。


大型魔獣が城門を破壊し始めている。


兵士たちが叫ぶ。


「も、持ちません!!」


グランが怒鳴る。


「踏ん張れぇぇぇ!!」


だが

限界だった。


その時。


轟音。


巨大な魔獣の頭部が吹き飛ぶ。


血の雨。


兵士たちが振り向く。


黒いコート。


士郎。


いつの間にかゼクトとの戦闘を抜け、こちらへ来ていた。


兵士たちが息を呑む。


速すぎる。


士郎は静かに周囲を見る。


崩れかけた戦線。


大量の魔族。


そして。


笑った。


「面白い」


次の瞬間。


士郎が魔族軍へ突っ込んだ。


その姿を見た兵士の一人が、震える声で呟く。


「……悪魔だ」

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