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最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第二部『魔王と死神』 第一章 『外界侵入編』
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第二部 第44話 支配者

静寂。



「邪魔だ」



翔の声だけが、 夜へ沈んだ。



黒服達が止まる。



数秒。



沈黙。



そして。



怒号。



「……あ?」



「なんだテメェ」



「部外者が——」



遅い。



翔が動く。



違う。



消えた。



霧。



視界が揺れる。



気付けば。



懐。



近い。



近すぎる。



男が目を見開く。



何も分からない。



ただ。



拳が流れるように入った。



霧流拳。


静寂。



男が崩れる。



もう死んでいた。



何が起きたかも分からずに。



笑う者が、 引き気味に呟く。



『うわ』



『雑魚にも必殺かよ』



黒服達が凍る。



理解不能。



仲間が突然死んだ。



一人が震えながら叫ぶ。



「ころ——」



遅い。



霧が揺れる。



次の瞬間。



また一人。



崩れる。



さらに一人。



気付いた時には終わっていた。



悲鳴すら間に合わない。



恐怖だけが残る。



店主が震えていた。



黒服達が、 初めて後退する。



理解した。



敵じゃない。



化物でもない。



“災害”だ。



翔が静かな目で見た。



「失せろ」


静かな声。



その瞬間。



路地の奥から、 低い笑いが落ちた。



「へぇ」



「面白ぇのがいるな」


静寂。



空気が変わる。



重い。



威圧。



殺気。



今までの雑魚とは違う。



笑う者の輪郭が、 ぴたりと止まった。



『……あ』


静かな声。



『終わった』



士郎が、 心底楽しそうに笑った。



「ようやくか」



路地の奥。



巨漢。



黒い外套。



街そのものを背負っているような圧。



男が、 ゆっくり笑う。



「俺の部下に」



「何してくれてんだ?」


静寂。



士郎が一歩前へ出る。



獰猛に笑う。



「煙草屋の邪魔した」


静かな声。



「だから潰す」



男が数秒止まる。



理解できない。



怒りより先に。



困惑が来る。



笑う者が、 顔を覆った。



『理由が終わってる』


静寂。

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