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最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第二部『魔王と死神』 第一章 『外界侵入編』
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第二部 第45話 災厄の王

静寂。



『理由が終わってる』



笑う者の声だけが、 路地へ沈んだ。



巨漢の男が、 ゆっくり笑う。



重い。



ただ。



重い。



路地の空気が沈む。



黒服達が、 露骨に安堵した。



「ボス……!」



「こいつらです!!」



「急に——」



男が片手を上げる。


静寂。



一瞬だった。



全員が黙る。



支配。



威圧。



街そのものが、 男へ従っているようだった。



笑う者が、 小さく舌打ちする。



『この街の支配者だ』



『裏社会まとめてるタイプ』



『雑魚じゃない』



士郎が少し笑う。



「へぇ」



「ようやく少しはマシか」



男が目を細めた。



視線。



翔。



士郎。



そして。



倒れた部下達。



少しだけ笑みが消える。



「俺の街で」


静かな声。



「好き勝手してくれてるな」



士郎が鼻で笑う。



「煙草屋潰そうとしてたろ」



「気に入らねぇ」



男の空気が変わる。



殺気。



重圧。



路地の壁が、 僅かに軋んだ。



「だから?」


静かな声。



「俺の縄張りだ」



「何を壊そうが」



「俺の自由だろ」


静寂。



士郎が止まる。



そして。



少しだけ笑った。



違う。



笑みが深くなる。



獰猛に。



危ないほど。



楽しそうに。



「……いいな」


静かな声。



一歩。



前へ出る。



空気が沈む。



重い。



違う。



“世界が沈む”。



笑う者が、 本気で引いた。



『あ』



『ダメだこれ』



『魔王モード入った』



士郎が、 静かな目で男を見る。



冷たい。



笑っているのに怖い。



「縄張り?」


静かな声。



少し間。



そして。



笑った。



「俺」



「元・世界の王なんだわ」


静寂。



重力が落ちた。



路地が軋む。



地面が沈む。



建物が悲鳴を上げる。



黒服達が、 一瞬で膝をついた。



男の笑みが。



初めて消えた。



士郎が、 ゆっくり首を鳴らす。



「支配者気取りなら」


静かな声。



「格の違い教えてやるよ」


静寂。



その瞬間。



街の夜が。



初めて。



西園寺士郎という災厄を理解した。

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