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最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第二部『魔王と死神』 第一章 『外界侵入編』
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第二部 第43話 煙草屋

静寂。



『……あ』



『もうバレた』



笑う者の声だけが、 街の喧騒へ沈んだ。



黒服の男達。



十数人。



路地の向こう。



動きが止まっていた。



視線。



警戒。



敵意。



違う。



恐怖。



士郎と翔を見ている。



笑う者が、 少し引き気味に呟く。



『早くない?』



『災厄認定って、もう共有されてんの?』



士郎が、 少し笑う。



「歓迎されてんじゃねぇか」



翔は、 何も言わない。



静かな目。



ただ歩く。



違う。



探していた。



匂い。



煙。



雑音。



そして。



ふと、 止まる。



士郎が眉を動かす。



「どうした?」



翔が、 小さく顎を動かした。



路地の先。



古びた店。



小さな看板。



煙草屋。



「見つけた」


静かな声。



笑う者が、 数秒止まる。



『……いや』



『優先順位!!』



『なんで真っ先に見つけんの!?』



翔は、 気怠そうに歩き出す。



だが。



その瞬間。


轟音。



ガラスが割れた。



悲鳴。



怒号。



店の中から、 誰かが吹き飛ばされる。



老人だった。



煙草屋の店主。



床へ転がる。



黒服の男が、 怒鳴る。



「だから言ってんだろ!!」



「この区画はもう終わりだ!!」



「店ごと渡せ!!」



老人が、 震えながら首を振る。



「……ここだけは」



「ここだけは勘弁してくれ……」



笑う者が、 露骨に嫌そうな顔をした。



『うわ』



『最悪のタイミング』



『街支配系だ』



『しかも弱ぇタイプ』



士郎が、 つまらなそうに鼻を鳴らす。



「帰るか?」


静かな声。



翔は答えない。



店を見る。



老人を見る。



床へ散った煙草。



潰れた箱。



沈黙。



そして。



小さく口を開く。



「……煙草屋か」


静かな声。



笑う者が、 嫌な予感で固まる。



『待て』



『その確認怖い』



翔が、 静かに前へ出た。



士郎が、 少し笑う。



獰猛に。



「ハハッ」



「終わったな」



黒服達が、 初めてこちらに気付く。



敵意。



威圧。



怒号。



「なんだテメェら——」



翔が、 静かな目で見た。



冷たい。



ただ。



一言。



「邪魔だ」


静かな声。

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