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最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第1章 『黒衣の転生者編』

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第14話 北門突破

警鐘が鳴り響いていた。


ルーガス北門。


街は完全に混乱している。


悲鳴。


怒号。


逃げ惑う住民たち。


そして。

巨大な怪物。


オーガ。


二メートルを超える筋肉の塊。

灰色の皮膚。

巨大な牙。

鉄棒のような腕。


それが十体以上、街へ侵入していた。


家屋が潰される。

兵士が吹き飛ぶ。

血が飛ぶ。

普通の人間では止められない。



北門前。

王国兵たちは必死に抵抗していた。


「止めろ!!」


「街へ入れるな!!」


槍が突き出される。


だが。

オーガは止まらない。


兵士の一人を掴み、壁へ叩きつけた。


骨が砕ける。

絶叫。


さらに別のオーガが門を殴る。


轟音。


門が歪む。


兵士たちの顔から血の気が消える。


「くそっ……!」


その時だった。


黒い影が、兵士たちの前へ降り立つ。


西園寺士郎。


黒いコートが揺れる。


オーガたちの視線が一斉に集まる。


リゼたちも遅れて到着した。


レオンが舌打ちする。


「先に突っ込むな馬鹿」


士郎は答えない。


オーガを見る。

強い。


だが。


まだ足りない。


一体のオーガが咆哮しながら突進する。


巨大な拳。

士郎の頭を潰そうと振り下ろされる。


だが。

士郎は避けない。


拳を握る。


そして。

真正面から殴り返した。


轟音。


オーガの腕が爆ぜた。


肉と骨が飛び散る。

オーガが絶叫する。


兵士たちが絶句した。


「う、腕を……!」


士郎はそのまま踏み込む。


肘打ち。

顎粉砕。


続けて蹴り。

首が折れた。


オーガが崩れ落ちる。


一撃。


完全な実力差。


残るオーガたちが咆哮した。


怒り。

恐怖。

混乱。


そして一斉に襲いかかる。


士郎は笑った。

ほんの少し。


「来い」


戦闘が始まる。


いや。


虐殺だった。


士郎は止まらない。


拳で顔面を潰す。


膝で腹を砕く。


掴んで投げる。


オーガ同士を激突させる。


轟音。


血飛沫。


怪物たちが次々倒れていく。


兵士たちは動けなかった。


助ける必要がない。


むしろ。

近づく方が危険だった。


レオンが苦笑する。


「ほんと滅茶苦茶だな……」


リゼは半泣きだった。


「街壊れてるぅ……」


士郎の肩へオーガの拳が直撃する。


轟音。


普通なら即死。


だが。

士郎は動かなかった。


逆に。

拳を掴む。


オーガの顔が引きつる。


士郎は静かに言う。


「軽い」


そのまま腕をへし折った。


絶叫。


そして顔面へ拳。

頭蓋骨が陥没する。


沈黙。


最後のオーガが後退った。


恐怖していた。


怪物が。


人間を。


士郎はゆっくり歩く。


オーガは逃げようとした。


だが遅い。


士郎の蹴りが背中へ叩き込まれる。


轟音。


オーガの巨体が門へ激突し、そのまま動かなくなった。


静寂。


北門前に残ったのは、オーガの死体だけだった。


兵士たちは呆然と立ち尽くす。


十数体のオーガ。


普通なら街一つ壊滅する規模。


それを。

たった一人で殲滅した。


騎士団長が士郎を見る。

顔色が悪い。


さっきまで討伐対象だった男。


だが今。

理解してしまった。


この男が敵に回れば、街など一瞬で壊れる。


士郎は血を払う。


「終わりか」


その時だった。


森の奥。

さらに重い足音。

地面が揺れる。


レオンの顔色が変わる。


「……まだいるのか」


兵士たちが怯える。


木々が倒れる。


そして現れた。


巨大。


三メートルを超える異形。

黒い鎧のような皮膚。

巨大な斧。

赤い眼。

オーガたちが一斉に跪く。


リゼが震える声で呟く。


「……オーガロード」


空気が凍った。


A級危険種。


オーガの王。


普通の討伐隊では勝てない怪物。


だが。

士郎は笑っていた。


獰猛に。


「いい」


拳を握る。


「やっと強そうなのが来た」

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