82.海中ダンジョンに挑戦②
ロックサーペントは数匹現れたが、全てドグドが倒した。
ドグドは誇らしげにしていたのでちゃんと褒めてあげた。
僕達は地下5階層にやってきた。
遺跡のような空間なのは変わらないが大きな石の扉があった。
「ここは何?」
「ボス部屋です。ボスモンスターがいて、それを倒さないと次の階層には行けないことが多いです」
「なるほどね」
冒険者経験があるザンがいてくれて助かる。
シゲ爺とダルン達がやってきた。
「哲治くん。ここはわしらにやらせてくれないか?」
「え?4人でですか?」
「ああ。ちょっと身体を動かし足りないんじゃ」
「そうですか…」
「「「お願いします、テツジ様!」」」
僕はザンを見た。
ザンは呆れながら頷いた。
「危なかったらザン達にも戦ってもらいますからね」
「わかった」
そう言って4人は石の扉を開けた。
中にはロックサーペントよりも大きくて目が6つのヘビのモンスターがいた。
僕達が部屋に入った瞬間、ヘビのモンスターは目を見開いてこちらを見た。
「行くぞ、ダルン!デルン!ドルン!」
「「「はい!」」」
ゆっくりと歩くシゲ爺を追い越して3人が攻撃を仕掛けようとする。
するとヘビのモンスターは体勢を変えた。
腹部が膨らみ、口から灰色の煙を吐き出した。
僕は急いで壁盾を使う。
しかし煙は盾をすり抜けて4人に当たる。
「おじいちゃん!!!」
小町は叫ぶ。
「プロール!プン!風魔法を!」
ザンの指示に2人は頷く。
「ブラストショット!」
「ウィンドショット!」
風が吹き、煙が消えていく。
煙が晴れると、石のように固まっている4人がいた。
「石化です!あの息には気を付けてください!」
「どうすれば?」
「プロールとプンは風魔法を常に!」
「「はい!」」
「他のみんなは離れてください。ボス部屋から出てもいいです」
「4人はどうするの?」
「私が回収します!」
ザンが珍しく焦っていた。
俺は咄嗟にヘビのモンスターに籠盾を使う。
「盾をこんな使い方をするとは。テツジ様、ありがとうございます」
「そう簡単には出て来れないはずだから」
「はい!」
ザン4人の回収をしようとするが石化しているからかうまく運べていない。
僕も手伝いに行こうとするとアデスが口を開く。
「パパ。僕がやるよ」
「え?」
「もう怒ったもん。シゲ爺とダルン達にこんなことをして」
アデスは頬を膨らませていた。
「アデス、危ないからザンの言う通りにボス部屋から出よう。小町!」
僕は小町を呼ぶ。
「大丈夫だよー」
アデスは羽根を広げてザンの元に向かった。
「哲ちゃん、大丈夫なの?」
「わかんない。だけど僕が今度こそ守るから。小町はみんなと一緒に避難して」
僕はアデスを追ってザンの元に向かう。
ザンの元に到着した。
アデスはザンに石化した4人を集めるように頼んでいた。
「アデス、何するんだ?」
「見てて!出来ると思うから」
ザンが石化した4人をアデスの周りに集める。
アデスはそれを確認して呟く。
「ディスペル!」
石化した4人が光りだした。
数秒経つと4人は元の姿に戻っていた。
「ん?どうなったんじゃ?」
「オイラ達はどうなったんだ?」
4人は困惑していた。
説教はあとだ。
「ザン、一旦ボス部屋から出よう」
「そうですね」
僕とザンが4人を連れてボス部屋と出ようとするとアデスが口を開く。
「パパ!盾を消してー」
「え?ダメだよ。みんなの所に行くよ」
「ダメー!こんな悪い事するモンスターは倒さなきゃ!」
そう言ってアデスはクロデコステッキを構えた。
僕は籠盾の様子を見る。
ヘビのモンスターが暴れているが壊されそうにない。
「ザン、4人を頼む」
「テツジ様は?」
「僕はアデスを守るよ」
「なら私も!」
「いや、人が多いと守れないかもしれない」
僕はザンの目を見る。
「わかりました…。4人をコマチ様の元に連れて行ったら戻ってきます」
「うん。頼んだよ」
そう言うとザンは4人を連れて離れていく。
「アデス、危なくなったらすぐ盾であいつを動けなくするからな」
「大丈夫―!サモン!」
その場の空気が変わり、魔法陣の中から大量のポイジーが現れた。
ポイジー達は集まって合体し、1mほどの大きさになった。
「ポイジー!行くよー!」
アデスとポイジーはモンスターに向かって行った。
「パパ!盾邪魔―!」
僕はすぐに籠盾を解除する。
中で暴れていたヘビのモンスターはすぐにアデスを見つけて突っ込んでいく。
アデスはそれに合わせてクロデコステッキを振りかぶる。
「ちゃんと4人に謝らなきゃダメなんだよ!」
アデスはクロデコステッキを振り降ろす。
ヘビのモンスターはギリギリでそれを避け、アデスに噛みつこうとする。
「壁盾!」
僕は盾でアデスを守る。
「パパ!ありがとうー!ポイジーお願い!」
再び分裂したポイジーは積み重なり、自身を足場のようにしてヘビのモンスターの口の中に入っていく。
ヘビのモンスターは藻掻き始めた。
何故かアデスは嬉しそうに僕の元に戻ってくる。
「え?どうしたの?」
「もう大丈夫だよー。ポイジーが治してるから」
「ん?治してる?」
俺が混乱していると、ヘビのモンスターは藻掻くのをやめて僕達の元にやってくる。
そして腹部が膨らむ。
「籠盾!」
僕は石化されると思い、僕とアデスを籠盾で守る。
しかしヘビのモンスター口から吐き出されたのは灰色の煙じゃなくピンクの大量の花びらだった。
「え?」
「石にしちゃう息を吐きだせないように治したんだよ」
「え?花を吐き出すように変えたってこと?」
「うん!」
アデスは笑顔で答えた。
僕はポイジーの凄さに何も言えなくなった。
「ポイジー!じゃあ優しくね」
アデスがそう言うとヘビのモンスターは少しずつ動きが鈍くなってドロップアイテムになった。
さすが魔人領の元幹部。
自分の娘の凄さに圧倒されてしまった。
アデスは褒めて欲しそうにしているので、頭を撫でながら褒めてあげた。




