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妻と田舎でスローライフは難しいようだ  作者: 甘海老男
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80.ダンジョン発見

今日はプン達の船の練習に付き合っている。

海流はまだ無くならない。

海流に対しての対策は考えているが、最終手段でいいだろう。


「やっぱり海斬丸の性能が1番良いですね」

「そうなんだ。運転しやすい?」

「そうですね。クルーザーモードが凄く運転しやすいです」


僕はみんなの邪魔にならないように操舵室に入ったままなのであまり景色が見れていない。

なので船がどれだけいい動きをしているかはわからなかった。



操舵室でのんびりしていると、ザンとクリフが深刻そうな表情でやってきた。


「テツジ様!」

「ん?どうしたの?まさか海賊!?」

「違います…。オクトンが…」

「え?」

「ダンジョンを見つけました…」

「ダンジョン?」

かなり聞いたことのあるファンタジー単語だった。

色んな種類のダンジョンを知っているから、この世界のダンジョンがどういうものか気になった。


「ダンジョンってどんなの?危険?」

「場合によっては危険ですね…」

ザンもクリフもまだ深刻そうな表情をしている。


「ん?何かあったの?」

「いえ…。ダンジョンを見つけて島に帰ると、テツジ様が困る流れが発生しそうだなと」

「困る流れ?」

俺は少し考えた。


「あっ!小町とドグドとアデスが行きたがる」

「そうです。なのでどうしますか?というご相談に来ました」

ザンとクリフは本当に気が利く。

俺は少し考える。


「ダンジョンが島の近くにあって困ることは?」

「困ることは色々あります。ダンジョンによってはモンスターがダンジョンの外に出てくることがあったり、スタンピードというダンジョン内のモンスターが溢れかえって大量にダンジョン外にでてくることもあります」

「スタンピードか…」

「災害のようなものですね。何が原因で起こるかも明確にはわかっていないんです」

「それは困るな…」

僕はさらに悩む。


「ダンジョンを見つけたら普通はどうするの?」

「国でダンジョンを管理する場合もあります。冒険者を街に呼び込むためだったり、ドロップアイテムが資源として有益だったりなどが理由です。そのような例外以外はダンジョンの最深部にあるダンジョンコアを破壊して、タンジョンを消滅させます」

「じゃあダンジョンコアを破壊しに行くしかないか…」

僕達にダンジョンを管理することは無理だろう。

なので災害が起きる前にダンジョンを破壊するべきだ。


「コマチ様達はどうしますか…」

「そこだよね…」

俺は上手い言い訳を考える。


「ランヴォックさんが制御できるようになった力を試すってことにするとか…」

「なるほど」

「人数は少ない方が良いからって言って、少人数で行こう」

「そうですね。テツジ様も実戦で力を試すという名目なら参加できますし良いと思います」

ザンとクリフの表情がやっと明るくなった。


「じゃあその方向で話を合わせよう。ザンとクリフも援護射撃を頼むよ」

「はい。任せてください」

「問題ありません!」

僕達は作戦を立て、船の練習に戻った。


▽ ▽ ▽


僕達の作戦は意味を為さなかった。


夕食の時、オクトンがダンジョンを見つけたことを話した。

すると小町とドグドとアデスが行きたいと言い出した。


ここまでは予想通り。


僕はさっき考えた理由を小町達に伝えるが、納得がいかない3人は対抗してくる。

ザンとクリフの援護射撃で話が落ち着きそうだったが、まさかの伏兵の言葉で戦況が変わった。


「哲治くんの力を試すなら、守る対象が必要じゃろ?なら小町達を連れて行くべきじゃないか?」

シゲ爺の援護射撃で3人の参加を認めざるを得なくなった。

しかもシゲ爺も参加することになり、結局ランヴォックさんを連れて行かずに家族全員で行くことになった。



▽ ▽ ▽



翌日、僕達はフル装備で船に乗っていた。

みんなは水着を着ている。


リーヌや騎士達は島で留守番だ。

リーヌに来るか聞いたら、あんまり興味がないと言われた。

リーヌはスオンさんに懐いており、暇なときは絡みに行っていた。


「哲ちゃん、楽しみだね」

「そうだね」

小町はノリノリだった。


『過保護な防壁』がある。

それに聖盾ビナイギスもあるから大丈夫なはずだ。


キュー!キュー!


オクトンが海から飛び出して甲板に着地した。


キュー!キュー!


「この辺なの?」

キュー!

多分この下にダンジョンがあるみたいだ。


「じゃあ潜水クリームを塗って!」

「「「「「「はい!」」」」」

「プンに海斬丸を任せていい?」

「はい。回収しておきます」


僕達は全身に潜水クリームを塗った。


「よし。行こう。ザン、よろしく」

「お任せください」

僕達は海に飛び込む、プンは海斬丸を回収した。



海中の視界は良好。

みんなもちゃんと呼吸が出来ているみたいだ。


僕達はオクトンに掴まり、ダンジョンへ向かった。


▽ ▽ ▽


海底に石が山積みになってできた小山があった。

小山には洞窟のような穴が開いている。

たぶんあれがダンジョンなのだろう。


オクトンは僕達を引っ張って洞窟の中に入る。


入り口をくぐった瞬間、海水が無くなって地面に落ちた。


「痛った!」

僕は着地をミスって盛大に転んだ。


「哲ちゃん、大丈夫?」

「はは。大丈夫、大丈夫」

しっかり転んだせいで、自分の顔が赤くなっているのがわかった。


「ここがダンジョン?」

「そうです。比較的一般的な造りみたいです」

洞窟の中は遺跡のようになっていた。


「この1階層にモンスターがいることはあまりないです」

「そうなんだ」

「あそこにある階段を降りると地下1階層に行けます。地下1階層からはモンスターがいると思っていてください」

「わ、わかった」

ザンの言葉を聞いて、みんなは着装の腕輪でミリタリー装備に着替えて武器を所持した。



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