オムライス
そういえば、聞こうと思っていたことをすっかり忘れていたな。
「今更だけど、なんで3人ともこのドリルを選んだの?」
私がそう聞くと3人は揃って
「おともだちがかいてあったから」
友達?あぁ、もしかして表紙に書いてある、狼の絵の事だろうか。
そうか、山暮らしで同世代が居ないとたしかに動物が友達みたいなものか。
「そうなんだ。お友達は大切にね」
「「「はい」」」
そんなこんな鉛筆で字を書く練習を昼頃までやると、3人にはかなりの差が開いてしまった。
鉛筆を持てていなかった子。この子は最初こそ他2人より遅れていたが、上手く力を入れられるようになって一気に上手に書けるようになった
力が強すぎた子。この子も少し腕等から持ち方を変えてみたところ力を抜けるようになったのか、意外にすんなりと書けるようになった。
もう1人の線は上手く書けないものの、筆圧などは完璧だった子。この子が今日始めた時にはいちばん上手かったのだが、そこから中々進めずにいる。結果として今は他の2人に比べると少し遅れてしまっている状況だ。
だが全く何も進んでいない訳ではない。きっとこの子は、この子なりのスピードで進めれば書けるようになるだろう。
「そしたらそろそろお昼ご飯にしようか、何かアレルギーとかあったりしますか?」
「私もこの子達も特に無いです」
「そしたら私は昼ご飯を作ってくるから、机を片付けて少し待っててくれるかな?」
「「「はい」」」
私がそう言うと3人は急いで机を片付け始めた。
それだけ楽しみにしてくれているのだろう。
ならば私も急いで最高の昼食を用意しなければ。
「あの、私も何か手伝いましょうか?」
「いえ、台所もさほど広くないですし、この子達とここで待っててください」
彼女にそう言い残し私は台所へ向かった。
私が何を作ろうとしているかだって?
ふっふっふ子供達の人気メニューオムライスだ!しかも旗付き!
さっ、張り切って作ろう。
まずは材料を切っていこう。この時野菜を先に切って肉を最後にすると洗う手間が省けて楽だ。
そして肉だけ先に軽く炒めて火を通しておく、肉は火が通ってないと怖いからね。
そしたら一度肉を皿にとって、米を軽く炒めてから野菜と肉を入れて炒めあつっ!
そして最後にケチャップを入れる。
この時一番火が強い部分の米や野菜を少し避けて穴を作って、そこにケチャップを入れると水分が飛んでいい感じになる!らしい!
そしたら皿にご飯を盛り付けてー
卵を割って容器に白身と黄身を分けて入れる。
先に白身だけを混ぜてメレンゲみたいにして、黄身を入れて軽く混ぜてから焼くとふわふわの卵になって美味しくなる。
よーし、何とか上手いこと出来た。
後はケチャップをかけてー
朝に用意しておいた旗を刺す!
よし完璧だ!
そしたらスプーンを用意して――
「出来ましたー」
「「「おいしそう」」」
「たしかに、美味しそうな綺麗な見た目ですね」
机に並べ、5人で出来たてのオムライスを一緒に食べる。
3人とも目をキラキラさせながら、美味しそうに食べてくれている。頑張った甲斐があったな。
「ふーふー」
まだ出来たてで熱い状態だからか、3人ともスプーンに取って冷ましながら食べている。
因みに旗は3人とも特に反応せずに外された…まぁ、可愛いから良しとしよう!うん
オムライスを食べ終わり、後片付けを終えて部屋に戻ると3人とも眠っていた。
「あ、片付けまでありがとうございます。この子達お腹いっぱいになって眠くなっちゃったみたいで、すいません」
「いやいや。寝てる姿も可愛らしいですね」
「寝ていればとても可愛いのですが。元気な時は大変なんですよね」
そんな話をしながら私も座り、鉛筆を削っておこうとした時、彼女に話しかけられた
「今更ですけどこの子達に色々してくださってありがとうございます。こんな山の中だと周りの人は皆さんお年寄りなので、中々こんな付き合い方は難しいんですよね。」
「私も楽しくやらせてもらっているので、お気になさらないでください。」
「そう言ってもらえると助かります。代わりと言ってはなんですが、私達に手伝える事があったらなんでも言ってください。」
そう私に向かって言う彼女がどこか可笑しく、私は笑ってしまった。
「ははっ。ありがとうございます」
昨日1年ぶり位に、ようやく自分の足で買い物に行けました作者です。
盆栽の土変え用の土(赤玉土等)を買ってきて、昨日、今日と作業してたら書いてる途中から左腕が痛くなってきました(´・ω・`)




