演
'ゴゥン……'
金属で出来た分厚い扉が開く。
トンネルのような狭い通路を抜け、その先の部屋に侵入──
'ビチュン!' 'ビチュン!' 'ビチュン!' 'ビチュン!'
(──おおっと!?)
バック ダッシュでレーザー回避。
(ただの砲台じゃない…… 自律式 浮遊 砲台か)
タイミングを はかって飛び出し、手際よく片付けよう──と、タイミングを はかっていたら奥に光が見えた。
カメラが自動で光の観測 地点をズームすると、そこには人型メカが一機。
こちらに向けて腰だめに大砲を構えており、その砲口に光が集束──
(げぇッ──!?)
ターボ ジェット点火。
身を隠していた通路から、一瞬で前方へ飛び出す。
'ズドオォオ……!'
迫りくる光の柱を避けるため、射線とは垂直となる方向へ補助ブースターを吹かす。
'カシュン!'
空中を右へ。滑るように移動。
しかし──
'ズドォオオオ……!'
「途切れないッ?! 」
(とにかく、射線と垂直に!!)
(上!)
'カシュン!'
(下!)
'カシュン!'
(右!)
'カシュン!'
光の柱は、砲手の友軍である浮遊 砲台をも巻き込みながら、こちらを追いかけてくる。いい加減、こちらのエネルギーが空に なりかけた時──すんでの所で 光の柱が消えた。
(さて…… 突貫か? 様子見か?)
エネルギーをチャージする時間が欲しい。
あちらも再びアレを放つにはチャージが必要なハズ……と猶予を確信しかけ──
メカの背後にある巨大なエネルギー タンクを見て、その確信を即座に打ち消す。
(突貫ンぅう──!!!)
エネルギー切れ寸前までターボを吹かし、慣性と自由 落下も併用。
メカの真正面に降り立ち、即座に左腕の側面に取り付けられたシールドから金属の杭を射出。
'バシュ!'
'ガッ!!!'
'ガシャア~ッ!'
杭が相手の構えていた大砲を直撃、吹き飛ぶす。
'バタタタタ……!!!'
'ガガガガガン!!'
相手の肩と胸から火閃が走り、至近距離から装甲が叩かれる──。
すかさず、こちらも右腕 側面にシールドをかざし、コックピットと頭部カメラを守る。
合わせて、肩のロケットを乱射。
''バシュ! バシュ! バシシュ!'
''バタタタタタ……!
相手の上半身が大破するのと こちらの右腕シールドが完全 破壊されるのが、ほぼ同時だった。
《演習 終了》