第20章『幼女』
__消えた__
それは何十年も前に思える数分前の事。
「会長……!」
「今は早く王城に向かいましょ」
「………そうだな」
たった今、連盟は破壊された。同時に、認めたくも無い事実に突きつけられる。
苦しい。逃げたい。去りたい。何処かへ消えてしまいたい。
辺りには家がたくさんあるが、その全てが壊れていて、死体すらも残っていない。
僕らはとても急いで王城へ向かう。王城まではあと何キロか。僕らは自転車くらいの速度で走っている。
さすがにこの距離を全力疾走したらすぐに疲れてしまうからね。
その時だった。僕らの目の前に小さな女の子が怪我をして倒れていた。
その子は苦しそうに「ウゥ…………ウ………ウッ」と。
「大丈夫⁉」
近くで見ると小学1年生くらい。
「う……お兄さんたち、だぁれ? お母さんは? お父さんは? どこ?」
「それは……」
僕の後ろでハユとタクも困った表情。それはもちろん僕も一緒。なぜかというと………この子の親はおそらく死んでしまっているから。
王城に逃げられるのはせいぜい王城から1キロ圏内のエリアに住んでいる人だけ。それより外の人は王城にたどり着く前に………恐らく………死んでしまっているから。
ましてや子供をおいて逃げる親は親じゃない。もしこの子の親が本物の親であるなら、自分達だけで逃げることはまずない。
この子の親はもう居ない。何処にも。死体すらも。蒸発してしまっているから。
この子は未だに「お母さんはッ! お父さんはッ!」と、僕らに何度も聞いてくる。迷子になった子供のように。泣いて泣いて泣きじゃくって。ただそれは、迷子どころでは済まされない。
ただ………これが正解かどうかはわからないけれど、これで女の子が救われるのだったら。
「君のお母さんとお父さんはね、神様になったんだよ」
「……きゃみしゃま……?」
「そう。神様。これからはいつでも君を見守っているんだ」
「じゃあもう……会えないの……?」
「いつかきっと、いや必ず会えるよ」
「ほんと?」
「うん」
けど、あと80年は合わないでほしいかな。
「それならいいや。サリ、少しだけ我慢する!」
「サリちゃんって言うんだね! 僕はガト。でこっちがタクでこの子がハユ」
サリちゃんはニコリと笑って
「よろしく! お兄さん! お姉さん!」
と。
いつの間にかサリは苦しそうではなくなっていた。
奇跡的に生き残っていたこの女の子を………僕は守って見せる………!
もうこれ以上人を死なせはしない!
急いで王城に行かなきゃ!
書き終わりました。
一応書いておきます。
《予告》第21章『残酷』
親を亡くした幼女、サリとであったガト達は王城についにたどり着く! ただそこに待っていた運命は……!
次回はとてつもなくダークなかいになる予定ですが、中学生編『前編』は少し闇ですがそれ以外は主人公らが楽しく冒険する話なので。
あと前回のあとがきでなんでガトがあのようになったかは今回で明かす予定でしたがすいません。書ききれませんでした。
次回に必ず明かすので! ごめんなさいお願いします!
というわけで次回もお楽しみに!
ジャンケンポン!(下の方に僕が出したジャンケンがあります。みなさんは勝てたかな……?)
✌




