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ゾンビ☆ファンタジー ~ゾンビがあふれるポスト・アポカリプス世界なのに僕だけレベルアップするとかジャンル違くない?   作者: 灰灰灰


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第14話 荒っぽい女子ほど女の子らしかったりする件について


「陽乃がここにいた? 同じ名前の別人じゃなくて?」


「えぇ、その通りよムンク君。冬雪さんと瓜二つな容姿で陽乃という名前であるなら、間違いなく私と貴方が思い浮かべている人物は同じでしょうね」


 さっきから何度も思うけど名前呼びはやめて欲しい。勝手に惚れられて訴えられても文句言えないぞ。


 それはさておき、天草が嘘をついているようには見えなかった。他の面々も陽乃と面識があるようで次々に声を上げる。


「あーお前の探していた奴って陽乃だったのか。確かに冬雪と瓜二つだし間違えるのも納得だわ」


「はーちゃんとゆーちゃんは姉妹みたいにそっくりだったもんね」


「陽乃先輩大丈夫かな……?」


 やはり彼女らが嘘をついているように見えず、陽乃はここにいたということで間違えないらしい。


「じゃあこれはやっぱり……」


 懐から真っ赤な紐を取り出す。


「それは……陽乃さんのリボンね。これは何処で?」


「この町に来た時、風に流れてきたんだよね」


「へー! どこか運命的だねっ!!」


 純真は少女漫画の一シーンを見たかの如く、爛々と瞳を輝かせた。


 でもなぁ。運命もクソも僕と陽乃の中には幼馴染以上のものは無いんだよなぁ。単なる幼馴染でしかなく、かつて勝手に振られた哀れな男がいるだけである。そう考えるとアイドルにガチ恋するオタクと何ら変わりの無い事に気がついた。何それ超哀れじゃん。


 まぁ、でもそこは良いのだ。僕はとりあえずアイツを探すと決めたのだから。


「それで。陽乃はどこに?」


 若干期待を膨らませながら聞いたが、天草達の反応は微妙なものだった。


「ただ、数日前にここを出て何処かへ行ってしまったわ」


「あぁ、私らも止めはしたんだけどな。でも陽乃の奴、すげぇ真剣な顔して言うことなんて聞きやしなかったぞ」


「陽乃先輩、いつもは飄々としていたのに様子がおかしかったです……」


「そんな心配しなくてもだいじょーぶだよ、ゆーちゃん。陽ちゃんならそのうちひょっこり帰ってくるよ!」


 まじか。彼女らの言葉に辟易とした。陽乃は昔から何かとついている奴だった。クジを引けば大抵当たるし、彼女が楽しみにしているイベント日にはどんな予報でも覆って快晴になる。とにかく超弩級に運が良い奴だったのだ。


 しかし、そんな事を差し引いてもこの状況で何が目的か分からないが、出歩くのは自殺行為に等しい。


「まぁ、そこら辺は彼女が生きていることを信じるしかないわ。さてムンク君、ちょっとついて来てくれるかしら」



 ◆



「えっと……ここは?」


 天草達に連れられて来たのはとある教室だった。中に入ると五つに分けられたスペースが目に入る。


「おいあんまりジロジロ見んなよ!? 一応ここは乙女の聖域だからな!!」


「そうだよー! きみつじょーほーってやつだよっ!」


「キモいです……」


 鉄槌は僕を睨みつけながらガルルと唸った。確かに彼女らが言うように各々のスペースには女子特有の可愛らしさと言うのものが見てとれた。特にあのぬいぐるみがやたらと飾られている部屋とか超女子っぽい。


「だからアタシの部屋をジロジロ見るなよ!!!」


「え、あれ鉄槌のなの? 純真のじゃなくて?」


「はぁ!? アタシがぬいぐるみ置いてちゃおかしいてことかよ!?」


 やべ、失言した。どうやらあの部屋は鉄槌のものらしく、彼女は僕の発言に大層ご立腹であった。今にも背中に担いだバールを振りまわしそうな勢いである。


「はいはい落ち着いちょうだい。千棘は誰よりも女の子らしいから大丈夫よ」


「アリアさん……」


 突如展開された百合フィールド。鉄槌は天草に熱い視線を向けている。僕は百合の間には挟まらない紳士なので安心して欲しい。


「それとムンク君。あんまり女の子に意地悪しちゃダメよ?」


 はい。


 普通に叱られた件について。天草(マリア)様は見逃してくれない。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

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