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まだ使える!~可哀想は可愛いをモットーに、転生魔王はダークな異世界をリサイクル能力で蹂躙する~  作者: あけちともあき
対決、西方の悪食王

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第90話 戦いながらインタビュー

 前に出てきた俺を目掛けて、地中から槍が突き立つ!

 俺には別に刺さらなくて、槍がひしゃげてその辺に散らばるだけなんだが。

 そもそも俺と槍では存在強度が違うので、勝負にならないので……。


 そう、この戦い、既に勝負になっていないのである!

 周囲から集まってくる甲冑の獣人たちは、ハンドレッツが迎え撃つ。

 地中から突き立つ槍は、片っ端から俺が回収し頭上に集めている。


 魔人将はどこかなー。

 この場を睥睨できるところで、玉座にでも腰掛けて偉そうに眺めているのだろう。

 俺は槍を作り変えながら、階段に変えていった。

 これを上がりながら、ブルスト神聖王国の大地を眺める。


 おっ、俺に向けて次々槍が放たれてきた!

 こいつ、見下されてイライラしてるな?

 ということは、これを見上げる位置にいるということになる。


 ど・こ・か・なあ~。


『おのれ! おのーれええええええ! この私を! 見下ろすんじゃなあああああいっ!!』


 何かが飛び上がってくる。

 幾つもの槍が折り重なり、その上に鎧をまとった血まみれの男が立っているのだ。

 ははあ、こいつがブルストを滅ぼした魔人将か。


『私を見下ろしていいのは、アルハングラー様のみ! それを貴様ごときぽっと出の……!』


「そのアルハングラーというのが、悪食王の名前か?」


『貴様ぁーっ! アルハングラー様をその名で呼ぶなぁぁぁぁ! 人間どもが名付けた、忌まわしき名よ! 人が捨て、世界に廃棄された者たちを集めて己の国を作らんとされたあの方を、いらぬものばかり食らう悪食だと人間どもは笑った! あのお方はそんな人間どもの妨害と戦い、世界に不要とされた我らを集め! ついには水底に沈んでいた偉大なる力を手に入れて、我らの上に君臨なされた!』


「なるほどなるほど。で、恐らく君はあれだな? そのアルハングラーが人間であった頃からの部下だったやつだな?」


『ふん、貴様ごとき下郎に喋りすぎたようだ。死んでいいぞ、下郎!』


 俺を目掛けて次々に槍が飛び上がってくる。

 だが、こんなもん防ぐ必要すらない。


 俺は情報をまとめることにした。


「まず一つに、ここ最近悪食王が勢力を伸ばしてきた。次に、七王国は悪食王によって滅ぼされた。で、俺の偵察に行かせたバルログが無惨な姿になって戻ってきた。俺が怒ってやって来たと」


『なんだ!? なんだ貴様はーっ! なぜ、なぜ私の攻撃が通じぬ!! 偉大なる力を受けたこの私が! 私の力が! なぜお前に……!!』


「偉大な力は、太陽の大海に沈んでいた魔王マロングラーセの力の一部であると」


『なにっ!? なぜだ! なぜお前がその事を知っている!?』


「海に沈んだのを拾い上げるのはなかなか大変だろう。だったら海担当の魔人がいるだろ? 例えば海賊王。俺が見る所、そいつも元人間なんじゃないのー? そして人間であった頃、悪食王と関係があった。そいつと協力して太陽の大海でマロングラーセの一部を回収して、二人揃って超強い魔人になった」


『おま……お前は……お前はぁぁぁぁぁぁ!!』


「まだ気づかないのか、名も無き魔人将よ」


『名もっ……無き……!?』


「俺とお前では格が違うんだ。伝説の魔王の力がなければ魔人にもなれなかったやつに従い、おこぼれで魔人将になったお前とだな。魔王オルトファースの肉体をまんま使った上、これをいい感じでグレードアップしていってる俺とだ。比べ物になるわけが無いだろう」


『はっ……? オルト……ファース……』


「槍はこう使う」


 俺は空中でぐっと拳を握りしめた。

 俺の周囲に、魔人将の放った槍がまとめて集まった。

 槍の支配権を全て俺が奪ったことになる。


『ばかな! 槍は……私の……!! ウグワーッ! 力が弾かれた!?』


「今のがリロールだ。お前が槍の支配権を奪い返そうとしたのを無かったことにして、もう一回やらせて失敗させた……。じゃあな」


 俺が支配した槍が、ドリル状に変化する。

 それは魔人将目掛けて一斉に降り注いだ。


『ぐわああああアルハングラー様ぁぁぁぁぁぁ!!』


 消し飛んだ。

 俺は槍が地面に落ちる前に、丸ごと回収した。

 これは街を立て直すための貴重な素材だからだ。


 そして、呆然と空を見上げる魔人将の部下どもに語りかけた。


「どうだ。俺とやり合う気がなくなっただろう。お前たちにチャンスをやろう。寝返れ」


 俺の一声で、甲冑姿の獣どもは一斉にひれ伏した。

 地面に降りてくる俺。


 ちょっと高いところで、アニタが少年と並んで座りながら足をプラプラさせていた。


「リョウさん、どうだったの?」


「悪食王はありゃ、元人間だな。魔王マロングラーセのパーツの力で魔人になったんだ。それでこれだけの権力と勢いを持てるんだから、マロングラーセってのはとんでもないな! こりゃ、俺が落ち着いて魔王やるどころじゃなくなるぞ」


「そうなんだー! じゃあどこにそれがあるかって分かったの?」


「分からんなあ。一応、海賊王がグルなことまでは分かった。ここを再生させたら、一旦戻って態勢を立て直すのも手かもしれないな」


「戻りますのね? 賛成ですわ。少々時間はかかりそうですけれども……」


 ということで。

 ブルスト神聖王国は、一つくらい魔人の国があったほうがバランスがいいだろってことで、この鎧を着た獣人たちの国として作り変えることにした。


 見た目はジャングルジムみたいな立体的な国にしてだな。

 ほら魔人たちよ、楽しそうな国だろう?


 パイプのような道を伝って、上がったり下がったり。

 複雑怪奇な街の姿だが、人間以上の運動能力を持つ魔人にとってはそこまで生活に問題はないだろう。


「じゃあ、ここを維持してくれ! 俺達は一回帰るからな!」


 俺に完全服従した魔人達は、ペコペコと頭を下げた。

 こいつらは人間が変じた魔人では無いだろう。

 現地の野良魔人を恭順させただけのやつではないか?


 忠誠心とか欠片もないしなあ。

 思えば、あのケンタウロス軍団は人間が変じた魔人だったかも知れないな。


 そんな事を考えながら、一旦サンドパレスへと引き返すことにするのだった。

 なぜなら……。


「ちょっと総攻撃するつもりだからな。マロングラーセというビッグネームが出てきたんじゃ、本気を出さないわけには行かないだろうよ」

お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
串刺し公(仮)のランスオブ〇ラドは結構強そうだったのに…。 勇者パーティ以外は相手にもならないのかw
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