表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
まだ使える!~可哀想は可愛いをモットーに、転生魔王はダークな異世界をリサイクル能力で蹂躙する~  作者: あけちともあき
対決、西方の悪食王

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

77/112

第77話 水魔の代表に挨拶をしておく

「おーい、おーい!」


 マンマーが湖に向かって呼びかける。

 なんだなんだ。

 何か俺達を乗せるものが来るのか?


「パオーン」


「象じゃん。俺の部隊の仲間じゃん。君の仲間を呼ぶんじゃ無かったんかい」


「へへへ、大変有能な象なので色々雑務をやってもらってます」


 マンマーが無表情のまま後頭部を掻いた。

 この横に、クローバーが並んだ。


「旦那、この魚男は面白いやつですな! 俺の代わりに賑やかしに任命しては……! そして俺は幹部に……」


「おやおや、リョウ様の横に賑やかなのがいると思いましたら賑やかしでしたか。ははあ、こりゃあ賑やかそうな顔だ。まあわたくし、人間の顔の見分けはつかないんですけど」


 マンマージョークだ!


「おい魚、お前が向いてるのは旦那の方だぞ」


「あ、こいつは失敬しました! どうか、刺身にするのだけはご勘弁を……! 魚の頭の下は普通に人体ですので」


「わはは、旦那は寛大だからな。それくらいじゃ怒りゃしないぜ。ねえ旦那!」


 俺の肩に手をおいて馴れ馴れしいクローバーを、水平チョップでぶっ飛ばしておいた。


「ウグワーッ!!」


「おう、よく飛ぶ。そして流石上位キョンシーだ。五体満足なまま着水して戻ってきたぞ」


「死ぬかと思いましたぜぇー」


「おや、彼はもう死んでいるのでは」


 クローバーとマンマーが俺を巻き込んで、なんか漫才をやっている。

 これは有用なメンバーだなあ。


「アニタ、いい人選だな! 強いだけの奴は多いが、喋れるやつは貴重だぞ!」


「ほんと!? リョウさんが好きそうだなーっていう人を選んでおいたんだよねー」 


 素晴らしい。

 いい仲間に恵まれたなあと思いつつ、俺は象に乗り込んだ。


 こいつは、パパールの部下である戦象だ。

 どうやらこっちまで遠征してきてから、産気づいて赤ちゃんを産んだらしい。


 なので、赤ちゃんと一緒に湖近辺で暮らしてるんだそうだ。

 我が軍はまったりしていて大変よろしい。


 象は器用に湖を泳ぎ、俺達を連れて行く。

 眼の前には、小さな浮島のようなものがあった。


「ここに乗るのか?」


「ぱおん」


「よし、赤ちゃんが待ってるだろうからお前はもう帰っていいぞ。赤ちゃんにおっぱいあげてきなさい」


「ぱおーん」


 象は去っていった。


「象には優しいんですのねえ」


「そりゃあ、象は変な策略も働かせないし、奸智でこちらを陥れようともしないからな……。下手な人間よりも信頼できるし、何よりカワイイ」


「まあ、そうですけれども。それにしても連れてこられたここはなんなのでしょう?」


「ここはね」


 アニタが説明を始めた。


「湖に住む偉い人だよ。シンカイさんと猛烈に戦ったけど、最後はぶちぶちっとちぎられてバラバラにされちゃった」


『あれはひどい戦いじゃった』


「うおっ、浮島が喋った!」


 俺達を乗せた浮島が、ぐぐーっと持ち上がっていくではないか。

 これは島ではない。


 巨大なヘビの頭だったのだ。


『お初にお目にかかる、偉大なるお方よ。我らはヒュドラ。この遠大の湖を治めておった魔竜の長よ。じゃが、それもこれまでのこと。あなた様の部下を名乗る巨大な魚人が現れ、我らを下した。我らはあなた様への恭順を誓いました。こうして頭の上に頂いているだけでも分かる、その凄まじいお力……』


「一気に喋ったな。でも状況はよく分かったぞ。よろしくなヒュドラよ。で、バラバラにされたと言うが、君は普通にヘビのボディを保ってるじゃないか」


『それはですな』


 ヒュドラが言葉を紡ぐと、遠く離れた水面からまた巨大な首が浮かび上がった。

 別の場所からも浮かび上がる。

 さらに遠くでも。


『元々は九つの首を持つ大蛇が我らだったのですが。それが引き裂かれたので九匹の大蛇に』


「なるほど。全てが合わさった大蛇であればこそ、遠大の湖を治める権能を有していたわけか。それを分けられた以上、俺の傘下に下るしか無いと」


『ははーっ』


 周囲の水面から、ポコポコと魔人たちが現れる。

 マンマーであったり、巻貝を背負った怪人であったり、巨大な蛇であったり、異形の魚であったり。


 全てが俺を見上げている。

 俺は軽く咳払いをした後、彼らに語りかけた。


「諸君! 先日この湖を征服したシンカイが、伝えていたであろう。俺が彼の主である、リョウだ。真・オルトファースと言う変身名も持っている。リョウの方が呼びやすいと思うのでそっちで呼んで欲しい。気さくにリョウ様とか呼んでくれると嬉しいな」


「リョウ様!」『リョウ様!』「リョウ様!」「リョウ様!」『リョウ様ー!』


 水面に現れた魔人たちが大いに盛り上がった。


「なにげに、こう言う状況で盛り上げるのは得意なんですわよね……」


「わーい、みんな喜んでる!」


「ひえー、どいつもこいつも、一癖も二癖もありそうな魔人なのに」


 シンカイとアニタとパパールが力を見せつけてくれたお陰だな。

 俺は別に何をするでもなく、彼らを味方につけることができる。


 これが、人というか魔人の上に立つ者の器というやつなのだろう。

 いつまでも俺がせこせこ動き回り続けてると、やっぱり勢力の拡大は限定的になるもんな。


 部下に任せて一地方を征服させてみたけど……大正解!

 このノリで、バルログ三人衆と軍団を向かわせた西方も丸く収まるといいんだが……。


 こう考えること自体がフラグかも知れない。

お読みいただきありがとうございます。

面白い、先が気になる、など感じられましたら、下の星を増やして応援などしていただけると大変励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
バルログ三人衆とその軍団はやはり…。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ