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まだ使える!~可哀想は可愛いをモットーに、転生魔王はダークな異世界をリサイクル能力で蹂躙する~  作者: あけちともあき
聖地の山脈へ

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第61話 寺院潜入を目指そう!

「リョウ様。寺院に潜入するとおっしゃいますが、何をするおつもりですか? 明らかに個々が強力な人間たちによって支配されている地域。騒ぎを起こしたら、わたくしたちでもかなり厄介な事になりますわよ?」


「うん、そうだろうね。ここに来た目的は敵情視察と、あわよくば戦力増強なんだが……。戦いになったら増強どころじゃない。ということで、今回は大人しく人間のふりをして潜入したい。寺院が閉鎖的なところじゃないといいんだが……。ではいつも通り、ラッシュ。頼むぞ」


『心得ましたぞー! 偵察にしゅっぱーつ!!』


 ぶいーんとラッシュが飛翔していった。

 アイススケルトンヘッドとか言うモンスターになったラッシュは、曇り空の色と似た感じのカラーに変化しているのだ。

 故に、飛んでいる彼を下界から見つけることは困難だ。


「俺達は俺達で、カモフラージュしながら近づこう。寺院は周囲に隠れるものがないところにあるが、常に周囲を監視し続けているわけには行くまい。夜間移動で距離を詰めるぞ」


「師父は圧倒的な力を持ちながらも、油断をしない! 慎重ですね……!」


「敵を舐めて掛かったらそれがきっかけでやられたりするからな! じゃあこの遮蔽物の陰で休憩とする~!」


『了解しました。休息モードに移行』


「ウボアー」


 俺達一行は、全員が睡眠などの必要がない。

 だが、やっぱりずっと頭を働かせていると思考が麻痺してきたりするので、何もしない無の時間を意図的に設けるようにしているのだ。


 ファルメラが目を閉じて、睡眠のような状態に入っている。

 オトハ将軍は瞑想だな。

 ヘルガーディアンは電源が落ちてる?

 ヘッドレス、横になってリラックスしきって寝るんじゃありません。


 俺は座り込んで、今後の方針を軽く考えることにした。


 多分、寺院はあれだよな。

 周囲の難民とか受け入れてるんじゃないの?

 ラッシュの報告と同時に、こちらも自分たちの目で見て、確認する。

 その上で、難民受け入れがされているならば難民に変装しての潜入を行いたい。


 もし難民受け入れがされていないなら、これはなかなか困難な仕事になる。

 寺院という閉鎖空間の住む人間なんか、みんな顔見知りだろう。

 俺達が入り込み、誰かと会ったらすぐに侵入者だとバレてしまう。


「そうなったら、スニークミッションだよな。なるべく寺院側にダメージを与えないようにして徘徊する……。この人数では難しいか……?」


 頭の中でシミュレーションしていたら、ラッシュが戻ってきた。

 遮蔽の中にスポッと入り込んでくる。

 そしてヘッドレスと合体!


『神様! 寺院は難民を一時的に受け入れているようですぞ。ただ、内部までは入れずに外側でキャンプを作らせておりますな。風雪を防ぐ光の壁みたいなのがありましたぞー!』


「おお、でかした! 結界かな? よしよし、じゃあ俺達は正面から難民のふりをして入るか。えー、みんな、武器をヘッドレスに格納してもらって下さい」


「分かりましたわ」


「手ぶらになるのか。落ち着かないな……」


『私のこの外見で難民に偽装できるものでしょうか』


「ヘルガーディアンは流石に人間に見せるのは無理があるので……別の偽装で行こう。俺にいい考えがある」


 こうして、リョウ&フレンズ軍、イチマンジャク寺院潜入作戦がスタートだ!

 まず、衣装をリメイクして難民風のコートなどにする。

 ボロボロに見せかけているわけだ。


 人間型の俺達はこれでOK。

 ラッシュは例によって、包帯みたいなもので顔をぐるぐるにしておく。

 魔人たちの攻撃でひどい怪我を負い、包帯を外せないという設定だ。


 そしてヘルガーディアン!

 俺は彼の体に岩や土をくっつけ、新たな姿に変化させた。


 牛である。

 俺達のペットの牛ということにする!

 ただの牛だと怪しまれるので、俺達の部族が飼いならし、家畜化した牛型モンスターということにしておこう。


『なるほど。大人しい未知のモンスターで、それも家畜化されていると。よくぞ思いつきますねマスター』


「フフフ、様々な創作物を摂取してきた知識が、ここで生きるのだ」


 完全な擬態が成功した。

 俺は難民のおじさん。

 オトハ将軍はその奥さん。

 ファルメラは娘。

 ラッシュ&ヘッドレスは俺の弟。

 そしてヘルガーディアンは牛。


 闇の中をこそこそと移動し、寺院の正面へ……。

 なるほど、ぼんやりとした灯りがある。

 あれは、寺院側が灯している魔法の照明だろう。


 真っ暗闇にならないようにしているのだ。


 難民キャンプには壁などない。

 ぼんやりとした光がそれを覆っているだけ。


 ちょっと触れると、わずかに反発が来た。


「ファルメラ様、オトハ将軍、どう?」


「びりっと来ますわね……。これ、多少抵抗がありますわよ」


「師父、我々には常に負荷が掛かる可能性があります」


「よし、じゃあちょっとこの結界、いじるか」


 この光の壁というか結界、魔の者に対する攻撃性能を持っているのも分かった。

 その攻撃性能を、ファルメラとオトハ将軍に関してはキャンセルさせる。

 カスタマイズするわけね。


 ラッシュたちは氷属性になっているから問題なし。

 多分、これで侵入できなくなる氷魔は、氷属性というか魔属性なんだろうな。


 ヘルガーディアンは当然のように、何の問題もなしなのだ。


「よし、リメイク完了、行くぞ行くぞ行くぞ」


「あっ、何の抵抗もありませんわ!」


「流石です師父!」


『ふむふむ、私を作り変えた時もそうですが、これほど容易く世界の有り様を操作する。恐るべき権能ですマスター』


「自分で使っといてなんだけど、まあまあ神の領域だよな。万能の力だ」


 ただ、リサイクルによって生じる副次効果を考えると、常識的な範囲のリメイクしかできない。

 人をアンデッドには変えられないし、この結界を人間を排除するものに変えることもできない。


 せいぜい、今回のように数名を見逃すようにリメイクするのがやっとだ。


「よし、行くぞ! 難民キャンプ入り!」


 寺院潜入ミッションの開始だ!

お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
あれ?服装だけで顔は変えてない? ローデスにリョウとファルメラは顔バレしてるし、 アニタいないからもめそう。
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