第54話 ファラオシティ案内
『私の行動体を作成する必要があります。まずはファラオシティの中枢まで案内しましょう、ミスターリョウ』
「なに、君は肉体を持つことができるのか。実は俺はそう言うのを作るのがとても得意なのだ。手伝わせてくれ」
『はい、観察していました。あなたはガードロボを破壊した後、それを独創的な方法で修理し、再構成しました。あれを私に対して可能であると? 大変興味深いです。0264、彼らを案内して下さい』
『了解しました』
俺の支配下にあるはずなのに、ヘルガーディアンへの命令権を持ったままなの?
それともハッキングしたか?
ジェプティス、なかなか底知れないAIだな。
ヘルガーディアンが、道行きを案内してくれる。
「わたくしたちが知らないうちに、どんどん話が進んでいますわね。まあいつものことですけれども」
「ファルメラは落ち着いたものだな……。私など、一年で起きるような異変がたった一日で次々発生するから、目が回りそうだよ……」
『ハハハ、オトハ将軍はまだ神様と付き合って短いですからな。あの人、常にああですぞ』
「ウボボボアー」
『あー、その会話助かります。私は皆さんの会話の記録を取り、現代の人類の使用している言語を理解していきます。そのまま会話を続けて下さい』
「リョウ様、これは何と言ってますの?」
「ジェプティスがこっちの言葉を分析して、理解してるんだそうだ。すぐに同じ言葉を話せるようになるから、その参考のためにそっちでお喋りしててくれって言ってますよ」
「なるほど……。この大きなお顔は、とても知的な存在なのですね……。リョウ様がウキウキと協力を申し出るなんて、初めて見ますもの」
「そりゃあね。人間たちは余裕がなくて、こっちを敵視してるし攻撃を仕掛けてくるからね」
ガーディアンについていくと、ファラオシティに矢印のような灯火が次々に灯っていく。
これを追いかけていくと、都市の中心に到着だ。
シリンダーのような形のビルディングがあり、この地下にジェプティスの本体があるということだ。
どれどれ……?
この都市は、完全に俺に対して友好的。
他にも守衛ロボみたいなのが次々現れるが、みんな手を振ってくる。
『おほー、こりゃあ大歓迎ですぞー! やあやあ、どうもどうも』
「ウボア、ウボアー」
ラッシュとヘッドレスも手を振り返している。
「なあガーディアン、あれはプログラムされたからあいう動作をしているの?」
『我々は独自の判断能力を与えられています。今までは必要無かったためにその機能を凍結していましたが、皆さんの来訪とジェプティスからの許可で、思考能力を取り戻しています』
「つまり?」
『我々は皆さんを歓迎しています』
「おー! おーい、みんなー!」
俺も手を振って挨拶した後、シリンダービルに入った。
中心にあるエレベーターで地下へ。
100mくらい下ったな?
エレベーターの扉が開くと、そこはやたら涼しい空間だった。
LEDっぽい灯りがつく。
おーっ、サーバールーム!
そのデカいバージョン!
『ようこそ皆さん。ここがファラオシティの最深部です。ファラオの間と呼んでいいでしょう』
「お招きいただき感謝感謝。ここにあるサーバーの全てがジェプティス?」
『ええ、その通りです。ここは星渡りの竜の協力を得て作り上げられた大空洞を、人類が残された力で都市化しました。私はこの都市を管理するために作られたAIです。人類は種としての寿命を迎え、滅びました。ですが私はこうして、都市を管理し続けてきたのです。それはそうと、行動体を作成するには普通に半年ほどかかりますが』
「すぐに俺が手伝っちゃおう。使っていい資材はある? あ、これが壊れたサーバーの部品ね? よし、リサイクルだ。そしてリメイクだ! 形はなんかファラオっぽい形にしとくね」
黄金に輝く、ファラオーって感じの人型ロボができた。
ヘルガーディアンが『おおーっ』と驚き、拍手する。
『驚くべき速度と正確さです。内部を精査してみましたが、機械仕掛けの人間を作ったような精密さです。これなら問題ないでしょう。ただし、行動はファラオシティから非接触型の電力補充を行いますので、この周辺地域だけになりますが』
「じゃあ蓄電池と、メモリをプラスしてジェプティスのバックアップみたいな感じにしたら? 遠出できるようにさ。戻ってきたら記憶を同機したらいい」
『素晴らしいアイデアです。そうしましょう。あ、そろそろ皆さんの言語の解析が終わりました。これより私は、皆さんが理解できる言葉を使用します。こんにちは。言葉が分かりますか?』
「あっ、わたくしたちの言葉を喋りましたわ!」
「本当に言葉を覚えたんだな……。驚いた」
『金色のやつが動きますぞ! どうもどうも!』
「ウボアー!」
ジェプティス行動体、起動成功。
「ようこそ! 俺は君たちを歓迎するぞ! リョウ&フレンズ軍はさらに多様性を増し、大きくなり、そして環境に優しい組織になる……!!」
廃墟となっていたファラオシティが、俺達にとっての拠点の一つともなるわけだからな。
つまり、めちゃくちゃ数を増やせるということだ。
『私はあなたがたこそが新たな人類であると認識しました。千年の時を超え、再び人類のために尽くせることを誇りに思います』
こうしてジェプティス率いる、超文明軍団が仲間になった。
とは言っても、その数は大したものではない。
あくまで都市を管理するロボットだけしかいないからだ。
彼らがいることで得られる恩恵は、この地下都市を利用できることと……。
「ファラオだ! ファラオが出てきた!」「ははーっ! ファラオー!」「勝手にご厄介になってます!」
ジェプティスが地上に出てきたら、マミーたちが一斉にひれ伏した。
マミーはどうやら、野良魔人だったようだ。
侵入してくる人間を捉え、魔人に作り変えてその数を維持する一族だ。
ピラミッドに長いこと住んでいた彼らは、ジェプティスが侵入者の特性をメタって迎撃するシステムに惚れ込み、勝手にこれを信仰していたのだ。
ジェプティスが仲間になった今、マミーたちもまた俺達の軍団に加わったということになる。
では、新たなメンバーを仲間たちに紹介するとしよう!
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