第49話 メンバー選定だ!
「お、お、お、お帰りー」
「ガランドーさーん! 斧、すっごく活躍したよー! それにかわいいし! ありがとー!」
「お、お、お、それはよかった。うーわー」
アニタに飛びつかれて、目を回すガランドー。
過激な親愛表現には慣れてないっぽいな!
ガランドーは基本的に争いを嫌い、自ら戦うことはない。
だからこそ人間に囚われていたわけだ。
彼を我々が囲い込んで守ることで、その辺の利益はリョウ&フレンズ軍が独り占めすることができる。
これは重要だぞ。
なお、アニタにはそういう打算とか全く無いからな。
リョウ&フレンズ軍最高幹部の一人ということになるが、自認はローティーンの村娘のままなのだ。
「ちゅうことで、ピラミッドに行く人員を選定しよう。アニタ行く?」
「んー、シエスタのみんなとたまにはゆっくりしたいしー」
「そっかー。じゃあファルメラ様もゆっくりします?」
「わたくしはご一緒しますわよ? あなたを一人だけにしていたら、何をやらかすか分かってものではありませんもの」
「おっしゃる通りで」
「よし、では私が同行しよう。新参の将として、師父に力を見せておかねばならないだろう」
「オトハ将軍! じゃああとはラッシュとヘッドレスで五人で行こうか」
『やりますぞー!』
「ウボボアー!」
そういうことになった。
オトハが不思議そうに、ラッシュを見ている。
「こやつ……二人で一人なのか? 四人しかいないのになぜ五人なのかと思っていたのだが……」
『わしとヘッドレスで二人で一人なのじゃ』
「ウボアー」
「なるほど……。師父の幕僚には変わった者たちがいるのだな……」
こいつら、実力よりも器用さとかキャラクターで重用してるからね。
「それでベス、ベラン、カイ、どんな感じでピラミッドにしてやられたんだ」
「それがですね聞いてくださいよ主」「中に入れたは入れたんですが、あそこはてっぺんが入口でそこから下へ下へ向かう構造なんですよ」「吹き出してくる罠が水とか火消しの粉塵ばかり! 俺達にダイレクトな嫌がらせ!」
「ははあ、それでこりゃ堪らんと逃げてきたのか。で、ピラミッドの中に魔人は?」
「いた。包帯だらけのゾンビみたいなやつ」「ゾンビよりは強かったよな、炎に一定の耐性持ってたし」「パワーも悪くなかったぞ」
少なくとも、この三人なら蹴散らせる程度の強さの魔人がいたらしい。
それがマミーだろう。
ピラミッドの主を味方につけられたら、マミーも軍勢に加えられるな。
その強さ、性質なども確認に行かねばなるまい。
「こ、こ、こ、こっちに戻ってきたときには、三人ともボロボロだった。お、お、俺が火を吹きかけて、復活した」
神妙な顔で頷く、ベス、ベラン、カイ。
炎に特化しているバルログだと弱点を突かれやすいということだな。
その点、今回は応用力の高い俺がいる。
安心であろう。
「じゃあ行ってくるね」
「主殿は本当に勤勉でおられる。部下に任せておけばよいでしょうに、常に自ら足を運ばれるのは頭が下がります。あ、我らバルログは基本的に怠惰であり、ある程度動いたらサボりたくなるので……」
「カグツチはお留守番ね。分かった」
特に責めはしないからな。
言い訳しないでいいぞ……!
こうして五人でピラミッドに向かうのだった。
「見た感じ、大きいピラミッドの他に小さめが四つ、中くらいが遠くに二つあるんだけど」
『バルログ三人衆の話では、地下で繋がっている可能性があるそうですじゃ!』
「ほほーん、つまりこれは一つの建造物の、地上にちょっと出てるだけの姿というわけか」
一段一段が、成人男性の背丈ほどもあるピラミッドの階段。
俺達が登っているのは中央にある大ピラミッドだ。
常人ならこの階段を登るのも大変だろうが……。
まあ、うちは人間がいないしな。
オトハが数段をまとめて跳躍しながら飛び越えていき、ファルメラはそもそも飛翔するから歩いてすらいない。
ラッシュもふわ~っと飛ぶので、俺も飛んだ。
「三人組を追っ払ったというピラミッド。どういう仕掛けになっているのかワクワクしないか?」
『神様は物好きですなあ! わしは怖くて怖くてたまりませんわい!』
「大丈夫大丈夫。ラッシュとヘッドレスは俺が守ってやるからな」
「ウボアー!」
「なんだかわたくしたちを差し置いて、ラッシュとヘッドレスがお姫様みたいな役割になっていませんこと?」
君たち女子は強靭だからね。
階段を登りきったところで、門がある。
翼のある鳥みたいなのが描かれているが、俺には分かるね。
「こいつはドラゴンだな? ラッシュがこの間聞かせてくれた、三柱のドラゴンの一つがこのピラミッドに関わってるんだろう」
『おーっ! 流石は神様! 素晴らしい洞察力ですぞ!』
「ふむ……私の里でも、かの竜の伝説は語られています。私の里には、竜の力を強く受け継いだ災害竜という存在も現れますから」
「えっ、そんなのがいるの? 帝都に出てきた大きいドラゴンくらいのやつ?」
「あれが子供だましになる次元の」
「ひえーっ! 世界は広い!」
俺は感心してしまった。
それと同時に、本物の竜ではない奴らがそれだけのスケールなんだから、もし本物が現れたらどれだけ凄まじいのかを想像してしまうのだ。
「いやあ恐ろしい恐ろしい。じゃ、扉を開けようか」
俺は扉に手をかけた。
「そんな、師父が自らやらずとも、私にお任せ下されば」
「この方、割となんでも自分でやろうとするんですわよ。好きでやってるのでやらせるといいのですわ」
「そうなの……?」
そうなんだ。
「よいっしょー!!」
俺は気合を入れて扉を開いた。
引き戸だ。
奥は真っ暗かと思ったら、青白い炎が幾つも灯っている。
どれどれ、ピラミッドの中はどうなっているのだろうか。
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