第48話 ステップまで平らげたら……
壊れたガワを現地人を使って作り直して……っと。
新しい仲間をチェックしてみよう!
オトハ将軍は、種族が屍解仙だった。
屍解仙!?
死んで仙人になるやつ?
俺、リサイクルで相手を仙人にしたりできるの?
名称 :オトハ
種族名:屍解仙
階梯 :第八
能力 :身体能力超強化 感覚超強化 第六感 あらゆる状態異常への耐性 キョンシーの召喚 不眠
弱点 :光属性の武器や魔法
「体が軽い……! 今までの私がまるで、全身に重石をつけていたかのようです。力を与えてくださり、感謝致します師父」
「師父!!」
色々な呼ばれ方をするものだ。
今のオトハ将軍は、真っ赤なチャイナドレスにあちこちそれっぽいポイントアーマーを身につけ、棍を装備した黒髪、青白い肌の美女だ。
ボディのメリハリはうちの女性陣でトップだな。
ここにファルメラも駆けつけてきて、
「新たな仲間ですのね? 歓迎致しますわ。わたくしたちはリョウ様の軍勢。そう言えば名前がございませんわね?」
「うーん、普通に魔王軍でもいい気がするけど……。俺はネーミングセンスがない」
「何か面白そうなことで悩んでおられますな?」
『なんじゃなんじゃ。神様も苦手なことがあるのですなあ』
「ウボアー」
「私たちの名前? そうだなー。リョウさんと仲間たち!」
「リョウ&フレンズって感じか! そうだなー。俺はみんな仲間だと思ってるからなー。使い捨て用とは思わないもんな。じゃあしばらくは、リョウ&フレンズ軍ということにしよう!」
サークル活動みたいなもんだからね。
そして俺はここで、帝都の臣民を全部こっち側の存在に作り変えた。
キョンシーだね。
死人兵とも言う。
これはオトハ将軍が自在に召喚して使役できる。
それ以外では、武装した上でうちの雑兵として使う。
うんうん、いい感じで大半第一位階だな。
もともと戦士だった連中が第二位階。
腕利きだった連中が第三位階であり、こいつらは自由意志がある。
「リョウさーん!」「俺等ここまで連れてこられちゃったよー」「サンドパレスに戻らなくちゃ!」
「あっ、シエスタの住人たち! ……というのももうおかしいな。よし、吸血鬼村と名付ける。じゃあ吸血鬼村一行を元のところに戻すため、運搬用の奴を作ろう。この死んだドラゴンをリサイクルして……アパラチャノモゲータ!!」
『うごごーっ!!』
死んだドラゴンが起き上がった。
全身の肉が落ち、スケルトンみたいな感じになる。
骨の翼には、瘴気が皮膜として張られている。
これで飛ぶんだな。
こいつに大きいゴンドラをぶら下げ、背中にもいっぱいに掴まれば、吸血鬼村の全員が乗れると思う。
「よーし、じゃあこの帝都の管理は第三位階の死人兵に任せる! 頼むぞ!」
「頼まれました!」「我らにおまかせを!!」
「移動が終わったら、ドラゴンゾンビこっちに戻すからね」
こうして俺達は大いなるヒロピン号に乗り込み、頭上にドラゴンゾンビを飛ばせ、サンドパレスへと戻っていくのだった。
そろそろ、ピラミッドに派遣したバルログ三体も仕事が終わっている頃かな……。
数日を掛けて、のんびりと帰還した。
ステップは広大で、サンドパレスから帝都……今は名前をデッドランドに改名したが、そこに向かうのがなかなか大変だ。
ドラゴンゾンビを定期便にして、行き来させるのがいいだろうな。
「オトハさんずっと東の国の出身なんだー?」
「ああ。東方に島国あり。そこからカレンとともに、大陸へと渡ってきたのだ。私たちは腕試しのつもりだったが、いや、まだまだだった。だが、私はこうして師父より力を与えられた。より高みに到れるよう、腕を磨いていくつもりだぞ」
「まあ、ストイックですわね……! うちにいなかったタイプの幹部ですわ。わたくしたち、享楽的なメンバーが多いですものねえ」
『綺麗どころが増えて、わしは目の保養になっておりまずぞー』
「ウボボア!」
「ラッシュは目が入ってないじゃん!」
『あっ、これは一本取られましたな!』
わはははは、と盛り上がる、アニタ、オトハ、ファルメラ、ラッシュ、ヘッドレスの五人。
仲良しだなー。
カグツチはうろうろと船内を歩き回り、今後の策略を練っているようだ。
どこに侵攻するかとか、今の戦力はどういう活かし方をすべきかとか。
俺の代わりに頭を使ってくれて助かる!
人間と交渉する時は、ファルメラがやってくれるし。
今後はオトハ将軍も対応してくれそう。
吸血鬼村もかなり強力な戦力で、アニタが気分でガンガン呼び出す。
呼ばれる度にあいつら強くなってるもんな。
「リョウ&フレンズ軍は数が足りなかったが、それも今回の死人兵大量導入でカバーできた。ゾンビとは違って、ちゃんと強いので安心だ。大型ユニットも、シンカイだけでなく幽霊船とドラゴンゾンビが出来上がったし。うちの軍勢はどんどん大きくなるなあ。育成ゲームみたいで楽しい」
俺は大変いい気分のまま日々を過ごした。
そして、見えてきたサンドパレス。
ヒロピン号の姿を認めて、三人のバルログがぴょんぴょん飛び跳ねてる!
「うおーい! 主~!!」「大変だ~!」「あれ、力押しじゃダメだ!」
「なんだってー!?」
詳しく話を聞きたいので、俺は一人でビュンと飛んでいった。
オトハ将軍がキョンシーを召喚。
それが巨大な鳥の姿をしており、彼女はこいつに乗って俺に追随した。
あとはファルメラがついてくる。
アニタは村人の誘導ね。
「どういうこと? 詳しく話してくれたまい」
「それが話せば長いことながら」「ピラミッドは魔術に長けた魔人が引きこもってたんです」「俺等の炎にメタられて、入れません」
「なんだってー!?」
遊牧民たち、あのピラミッドに入り込んで魔法の契約書を手に入れたんだよな。
どうやったんだ?
人海戦術で無限に人を使い潰して手に入れたな?
人間は大した能力も魔力もない。
だからこそそれが出来たと言えるのかも。
魔人は強い力を持つが、それが武器にも弱点にもなる。
そこを突かれたらどうにもならないわけだ。
「よし、戻って早々だが、ピラミッドの探索と行こう! すぐ近くに味方じゃない魔人がいると落ち着かないからな!」
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