第107話 ここはアトランティスっぽいとこか!
海の中に存在する、不自然に平坦な海抜マイナスであろう広大な大地。
どこまで真っ白なそこの上で、リョウ&フレンズ軍があてもなく走っていた。
とりあえず走り回らせているのである。
人間たちは別の所から上陸している。
みんな脆いんだから無理するなよ。
人間には後で増えてもらわないと困るんだから。
「とりあえず、見渡す限りどこまでも何もない白い大地だな。さっぱり分からん」
「分からないのですか。いえ、最近はリョウ様も何も分からないことばかりでしたから何も申し上げませんが」
「俺はどっちかというと物を知らない方であると自負してるんですよね。なので知恵者は魔であろうと人であろうと重んじたい。よし、トーカーを召喚しよう」
シンカイと同様に、俺はある特定の部下を近くに呼ぶことができる。
ただ、それには条件があるようで、あまり便利な万能な奴は呼べないのだ。
多分これ、召喚コストがあるんだな……。
シンカイは海専用だから呼べるのだ。
ではトーカーはどうか?
あいつは俺に知識を伝える専用なので呼べる。
そう確信する。
「来い、トーカー! そして説明を求む!!」
『かしこまりましてございます、マスター』
虚空よりトーカー出現!
着地に失敗して、ぺたんと地面に倒れ込んだ。
喋る以外の能力が無いので、運動音痴なんだよな。
「大丈夫?」
『問題ございません』
「足がプラプラしてるじゃん! なんと儚いんだ。よし、リビルド。強い足に作り変えてやったぞ」
『ありがとうございます。では早速語り始めましょう』
『神様、こやつ変わったやつですなー』
「ウボアー」
「だろー? お喋り特化だからな。他はなーんもできない。だがこと、知識を喋ることにかけては最強だぞ。既に俺がここで何の知識を欲しているのか、理解しているようだな」
『はい。ここは太陽の大海にかつて沈んだ、アトランティック大陸です』
「アトランティス大陸だ!?」
『この地そのものが、外の世界よりマロングラーセが乗ってきた船であったと言われています。かの大魔王はこの地より始まり、世界へと汚染を広げていった。ですが人を滅ぼしたマロングラーセは三柱の竜と戦い、アトランティックへと追い詰められたのです。そしてマロングラーセは世界に空いた穴により、異なる世界へと放逐されました。ですが、このアトランティック大陸には元々、マロングラーセの欠片が残されていたのでしょう』
「いつもながら説明が長い。だがよく分かった」
「どういうことなのですか?」
「どういうことなのー?」
『これは……わしが知っている伝説とは少々違うようですな!』
おっ、流石ラッシュ、分かったか!
『つまりですな。マロングラーセは間違いなく異世界へと放逐されたわけですぞ。しかし、最初からそのマロングラーセは二つに分かたれていたわけです! この世界に来た時、かの大魔王はあらかじめ己の身を二つに分けておったと!』
「そう! つまりそういうことだ! このアトランティス大陸はきっと宇宙船なんだろう。で、こいつの中に、最初からマロングラーセは欠片を置いてあったということだ! というか、もしかすると自分の欠片を制御装置にしてたのかも知れないけどな」
明らかになる事実!
というか推測なんだが。
トーカーとしても、そこは同じ見解らしい。
コクコク頷いている。
「ということは、マロングラーセがいるのがどこか分かっちゃうよな。つまりぃー」
俺は床に手をつけた。
「下だ! リビルド!」
俺の力が効果を示す。
海の水を弾きながら、存在感を誇示していたアトランティック大陸。
その上面が再構築され、下り階段に変わる。
向こうの人間たちのところも変えておいたぞ。
言うなれば、大陸丸ごと一つが下層へと向かうための道に変わった形になる。
「全軍進撃! 行くぞ行くぞ行くぞ!」
俺はヘルガーディアンにまたがると、後ろにトーカーをくっつけて走り出した。
ラッシュとヘッドレスはアニタにおんぶしてもらって空を行く。
ファルメラは平気な顔で、おれと並走。
カグツチは本来のグレートバルログに戻り、飛翔だ。
他、ハンドレッツは蜘蛛マシン、マミーとキョンシーたちは世紀末バギー。
圧倒的機動力である。
対する人間たちは、足でどたどたと駆け下りるしか無い。
階段で転ぶんじゃないぞ。
こんなくだらないところで死んだらもったいないからな。
「おーい! 応援は必要? 何人か改造してやろうか?」
「いらなーい!!」
ローデスから強いお断りの声が返ってきた。
そうかそうか。
俺は人間を信じているからな!
なお、この下りの道も無人の野ではなく。
『うごごーっ!!』『ここより先には行かせぬーっ!!』『お館様の御前までたどり着かせるわけにはいかぬ!!』
次々に、マントを纏ったハゲ頭の怪人みたいなのが登場する。
これがマロングラーセの眷属か。
『古き記録においては、世界中に現れたマロングラーセの分身をジーヤと呼称しています。これらはその生き残りと考えられます』
「なるほどな、トーカー。つまり、ここに来たら魔人将クラスが雑魚敵として出てくるわけだ! おーいシンカイ! ちょっと水を流れ込ませて、人間たちを支援してやってくれ!」
『かしこまりました!』
大魔王へと通じる道。
ボスラッシュみたいな状況になりながら、俺達は突き進むのだ。
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