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まだ使える!~可哀想は可愛いをモットーに、転生魔王はダークな異世界をリサイクル能力で蹂躙する~  作者: あけちともあき
かくして世界は、人魔の時代へ

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第104話 終わりだ海賊王!

 海賊王が打ち出してくる財宝ミサイルだが、これは彼の持っている財宝からランダムに選ばれるらしい。

 香炉であったり、神像であったり、燭台であったり、額縁であったり。


 そういうのが殺人的な勢いで飛んでくる。

 というか、当たれば並の魔人なら一撃で粉砕されてしまうことだろう。


 これをキャッチしながら、俺がリサイクルを試みるわけだな。

 うーん、相変わらずリサイクルしづらい!

 力を込めても、最初に反発があって、これを貫くためにちょっと踏ん張る必要がある。


 めんどいなー。

 なんとかなんない?

 最近、俺の能力も覚醒してないし。

 オルトファースの秘められた最後の力とかない?


『仕方ないですねえ』


「おっ、願ってみるもんだな!」


『マスター、今あなたが虚空に向かって喋り始めたら、因果がねじれました。何かとんでもないものと会話していませんか』


「そう? 俺の能力の制限を次々取っ払う謎の声なんだけど」


 そう言えばこいつ、誰なんだろうなあ。

 俺が首を傾げながら攻撃を回避し続けるので、海賊王は激おこだ。


『俺を前にしてえぇぇぇ! よそ見とはぁぁぁぁぁ!!』


『魔王を継ぐ者よ。あなたの最後の力を解放します。特別サービスですからね。ユグドラシルの目を盗んでできるのはこれが最後ですよ』


「誰だか分からんがサンキュー。なになに? リビルド?」


 次の瞬間、俺がキャッチした宝物の額縁がバラバラの粒子に分解された。

 そして、作り変えられる。

 角が凄く尖った禍々しい額縁だ。


 これを……「おらぁっ! くらえ!!」


 投げつける!

 それは投射される宝物ミサイルを真っ向から粉砕。

 海賊王の胴にぶち当たった。


『ウグワーッ!? な、なんだこりゃーっ!!』


「こいつはどうやら……手にしたものを分析し、俺にとって都合がいいものへと再構築する力のようだな。あっ、リメイクとリサイクルが消えた! リビルドに統合されたか!」


 誰だか知らない声、ありがとう!

 ユグドラシルとか意味ありげな事を言ってたが、まあ誰しも秘密はあるんだろう。

 突っ込まないでおいてやろう。


「海賊王、これで俺とお前の戦力差が逆転したぞ。具体的には、お前はついさっきまで俺をかなりメタった能力をしていた。だが、ここからは俺の能力がお前の能力メタだ!」


『訳のわからぬ事をぉぉぉぉぉ!!』


 宝物ミサイルが次々に飛来する。

 さっきまでは、これを回避するしか無かった。

 キャッチできても一個だけで、しかもリサイクルにもリメイクにも時間が掛かったのだ。


 だが今は違う!

 キャッチした瞬間……いや、触れた瞬間に分析がギュッと完了し、俺の意図のもと作り変える。

 全ての宝物が俺の武器となり、海賊王へと打ち返されていく。


『ウグワッウグワッウグワッウグワッウグワーッ!! 馬鹿な! こんな馬鹿な! 俺の、俺の宝物がぁーっ!!』


「お前のお宝は俺のもの。俺のものは俺のものだ!! まあ、問題は常に意識しながら力を使い続けるから、すげえ疲れることだが」


 能力の適用範囲、効力が桁違いに上がったぶん、全部自分でやらないといけなくなったわけだ。

 これ、対マロングラーセ用に特化した感だな!?

 今までみたいに雑に魔人をむちゃくちゃにする用途には使いづらいぞ。


 ま、それは部下がたくさんできたからいいか!

 俺のリビルド能力は宝物ミサイルを遡り、海賊王の宝物庫に至る。

 そこに貯蔵されている全ては俺の手にかかり、再構築される!


「海賊王、お前の宝物庫が空になったぞ」


『そんな……馬鹿な……!!』


 全身に、俺がリビルドした宝物が突き刺さった海賊王が、息も絶え絶えに呻く。


『俺が……俺が集めた、世界の富が……! 俺の……俺の宝が……!!』


 俺は全ての宝物を呼び戻した。

 それを分解、再構築し……作り上げるのは巨大なハンマーだ。


「じゃあな、海賊王」


 振り下ろされる一撃。


『そんな……そんな馬鹿なぁぁぁぁぁぁぁ!!』


 海賊王が断末魔をあげた。

 プチっと潰される。

 そしてハンマーは勢い余って、福岡市に匹敵する広さの甲板をも叩き割った。

 やり過ぎた。


「みんなー! 船が崩れるぞーっ! 奥に逃げ込めー!!」


 俺は掛け声とともに、ヘルガーディアンを走らせた。

 この後を追って、吸血鬼村の面々がバタバタ疾走する!

 アニタが空を飛んだのを見て、みんなハッとした。

 そしてピュンピュン飛び始める。


 ラッシュはヘッドレスを持ち上げて飛ぶ。

 カグツチも普通に飛ぶ。

 ファルメラは走るほうが速い。

 彼女は俺と並走しながら……。


「やりましたわね、リョウ様! ですけれど、崩れ行く背後の甲板に、またマロングラーセが現れていますわ!」


「なぁにぃーっ!?」


 振り返ると、崩れる甲板が燃え上がり、灰になっていくところだった。

 真っ白な人影が、海賊王と見られる頭を手にしている。


 振り返る俺と、目が合った。

 奴が俺を指さすと……。

 うおわーっ!

 なんかめちゃくちゃに輝く槍みたいなのが何本も出現したぞ。


 あれは受け止めたくないなあ!

 というか、うちの仲間が大損害を被りそうだ!


 これはピンチか……!?

 というところで……。


「ツアーッ!!」


『!?』


 崩れ行く甲板を粉砕しながら飛び上がってきた男が、飛び蹴りで輝く槍を数十本まとめて蹴り折ったのだった!

 うおーっ、ゼクウ~っ!!

 助かる~!


『計算外の対象が二名……。この状況で相手をする必要はない……』


 マロングラーセが空気に溶けるように消えていく。

 ふう、撤退してくれたか!


 あとは……海賊王の手下を、まとめて俺の側に寝返らせるだけだな!

お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
どっかの慢心王みたいに飛ばしてくる物が全部伝説の武器じゃないだけマシだなw しかもあっちは自動で回収してまた飛ばすから在庫切れがないしw しかしこれでゴボウの栗の1/10か。
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