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悪虐王子と王命婚することになりまして〜“関わるな”と言われた翌日に溺愛が始まりました〜  作者: 星月りあ


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二人きりの小屋で2

翌日、目が覚めると、なぜかベッドで横になっていた。


「殿下、お目覚めになられましたか。ご気分はいかがですか?」

「ん? 特に問題ないぞ」


クライヴは昨日の記憶を思い返す。


確か散歩中に雨が降って来て、リリーと小屋で雨宿りすることになって色々話してたのは覚えてるんだが……そこからどうして今に至るんだ? 多分、イザックが連れ帰ってくれたんだろうが。


「お前があの小屋に迎えに来てくれたのか?」

「ええ。あとマイラも一緒でした。何も覚えていらっしゃらないのですか?」

「ああ……」

「長年お仕えしてきましたが、あのような無防備なお姿は初めて拝見いたしました」

「いっ、一体何をしたんだ、俺は!!」

まさか、とんでもないことをやらかしたのでは!?


「私からはノーコメントです。それより奥様が心配されていましたよ」

「そっ、そうか」

「お目覚めになられたこと、お伝えして参ります」

「あっ、ああ」


そして、すぐにリリアーナが部屋へとやって来た。


「イヴ、ご無事で安心いたしました」

「そっ、そのリリー、昨日のこと、なのだが」

「はっ、はいっ」

緊張した様子で、彼女は返事をする。


「実は何も覚えていなくてな」

「え?」

「いや、その、意識が朦朧としてたというか、熱で浮かされてる感じでな。小屋で雨宿りしていたことは覚えているんだが。何か迷惑を掛けたりはしなかったか? へ、変なことをしたり、とか」

してないと信じたいが密室だったし、俺の理性が残っていたかどうか。


「えっと、その……」

リリアーナは何かを言い淀んで、頬を赤く染めはにかんだ。


こ、この反応はなんだ!? 何をしたんだ、昨日の俺!!


「頼む、嫌わないでくれ」

咄嗟に口をついて出た。


「えっ!? 嫌うだなんてとんでもありません。ただ、少し驚いたと言いますか。その、普段は仰らないような甘いことを仰るので……」

「甘い……こと……」

まさか、心の声が口に出てたのか!?


リリアーナは昨日のことを思い出し、恥ずかしくなったのか俯いた。


「……可愛い俺の天使」

「ふぇ!?」

あああっ、そんな初心な反応しないでくれ!! なぜ今言ってしまったんだ!? 頑張って抑えてたのに!! まだ熱でもあるのか!?


「きき聞かなかったことに……は出来ないか。俺はリリーは神が遣わした天使ではないかと思っていてだな」


慌てたクライヴは口を滑らしてしまった。


「あぁぁ、いつもの癖がっ」


クライヴは狼狽えまくり、自分が何を言っているのか分からなくなっていた。


リリアーナは顔を真っ赤にして、その様子を見ている。


「ま、まぁ、そういうことだっ!!」


何がそういうことなのか全くもって分からないが、勢いで誤魔化そうとする。


「そ、そうですか!!」


そして、勢いに圧されるリリアーナ。


「……」

「……」


二人して、真っ赤になって何も言葉を発することができなくなってしまった。


そのまま時間が過ぎ去っていく。


「失礼いたします。お食事のお時間ですが……」

そのとき、イザックが部屋に入ってきた。


そして、二人の様子を交互に見ると、

「……お邪魔でしたか。では失礼いたします」

と告げ、すぐに部屋から去ろうとする。


「ま、待て!!」

クライヴは慌ててイザックを呼び止めた。


「しょ、食事にするか」

「えっ、ええっ、そうですね」


動揺が隠せないまま、揃って食卓についたが、その日の食事は折角の料理の味も、全く分からないほどだった。

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