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第98話

 古代種の竜を倒し、パーティは鬼のレベルアップをする。

 具体的な例を挙げると、竜と闘った後のレンちゃんは竜と闘う前のレダちゃんより遥かに強く、竜と闘った後のレダちゃんは竜と闘う前のアイアちゃんより遥かに強い。

 夜のトレーニングで逆転するが、現時点では俺よりレダちゃんの方が強い・・・でも、誰も弱くなった訳じゃない。

 レベルアップの結果、こうなってしまったのだからしょうがない。

 それに補助魔法の使い方によっては、魔力の上げ方によっては俺はパーティメンバーと互角に闘える。

 『工夫のしかた次第で古代種の竜すらも倒せる』のだ。

 まだまだやれることは残されている。

 パーティの身体能力が鬼のように上がっていた事と、元々地下3階から地下46階にワープしただけで大して潜っていないという事もあり、あっと言う間にダンジョン入り口に戻ってきた。

 朝の特訓の後、だいぶ早い時間からダンジョンに潜った。

 そして俺のパーティは地下3階から地下46階にワープしたので、実質的に4階しか潜らず戻ってきた。

 つまりまだ朝早い時間だ。

 今からダンジョンに潜るパーティも多い。

 今からダンジョンへ潜ろうというパーティが、ドロドロのヘトヘトで今から街へ帰ろうとする俺らのパーティとすれ違う。


 「お早いお帰りで」茶化すような野次が飛ぶ。

 早々に低層で逃げ帰ってきたようにしかみえないんだろう。

 多くの冒険者が、パーティに入ってはクビになってた俺や、生きるためにソロの依頼をいくつもこなしてたレダちゃんを見ていたのだろう。

 笑いたいヤツは笑わせておけ。


 俺はギルド長の部屋をノックした。

 いつもの格好とは違うギルド長がひょっこり顔を出す。

 「今日は土曜日、休日だぞ?。

 朝から何の用だ?。」

 いつもと違う格好なのは私服だからなのか。

 しかし、週休二日とは、なんてホワイトな職場なんだよ。

 いや知らないよ、日曜日休みって勝手に決めつけた。

 でも土曜日休み、日曜日出勤って有り得ないでしょ?。

 「どうせなら明日、出勤日まで待ってくれれば良いのに」とギルド長。

 有り得たよ、誰だよ、土曜日休みで日曜日出勤は有り得ないとか言ったヤツは。

 何でも『兼業農家』みたいな『兼業冒険者』がいるらしい。

 月曜日~金曜日まで働いて、土曜日は一日休んで日曜日は冒険者やるらしい。

 日曜大工みたいなモンか。

 それに対応するために日曜日は休みに出来ないとの事だ。

 「それはともかく、今日、ダンジョン潜ってモンスター狩ってきたんだよ。」と俺。

 「そういう冒険者のために冒険者ギルドの魔物と魔物の証明部位の買い取りカウンターだけは開けてあるはずだが」とギルド長。

 「いや、屋内に入る大きさじゃないんだよ」と俺。

 ギルド長から気だるげな空気が消える。

 「その獲物って誰かに見られた・・・よね、それだけ大きいんだから」

 「いや、誰にも見られてないよ。

 見られないで運ぶ方法ってヤツを俺様ちゃんってば発見したのよね。」俺は少しふざけて言った。・・・って言うか、何でそんなにマジなんだよ?。

 まだ本題入ってねーぞ?。

 「見られてないんだな?。

 見られないで運ぶ手段があるんだな?。

 じゃあ、ギルド裏庭、訓練所に持って来てくれ。

 あそこなら高い塀に囲まれてて周りからは見えない。」とギルド長。

 「わ、わかった。」と俺。

 なんか想像してたのと違う。


 訓練所に古代種の竜の死骸を置く。

 訓練所が竜の死骸でパンパンだ。

 「こ、これは!」見た事がなくてもこの死骸が何の死骸だかはギルド長ならわかるはずだ。


 見た事がないからわからない演歌歌手がいる。

 しかし紅白でしか見なくても北島三郎は知っている。

 見た事がないからわからないモンスターがいる。

 しかし伝説でしか聞いた事がなくても古代種の竜は知っている。

 一目見て、ギルド長は古代種の竜とわかった。


 「お前らが古代種を狩れるほどの実力をつけていた事は驚きだが、これはあまり表沙汰にしない方が良いな。」とギルド長。

 「何でだよ!?。」思わず怒鳴ってしまった、だって面白くないんだもん。


 「今からお前らには一人の私が匿っている男に会ってもらう。」突然ギルド長が言う。

 そして、ギルド長は一人のヤサ男を連れてきた。

 「この男が誰だかわかるか?。」

 「ギルド長の色ですか?。」と俺。

 「そうなんだが、それだけじゃない!!。」

 やっぱり出来てるのかよ!?。

 そうじゃねーかと思ってたんだよ!!。

 やってられねー!。


 

 「この男は名声を上げすぎて、隠れなきゃいけなくなったんだ。

 聞いた事があるやも知れんな、アムロ=レイだ。」

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