第97話
「よく『アイテムボックス』!とか叫ぶと空中にパカッて何か開いて、アイテムとか倒したモンスターいれ放題ってあるじゃない?。」
「そんな都合の良い話・・・。」
「まってくお兄ちゃんはラノベの読みすぎで・・・。」
「そんな話、聞いた事もないさ。」
「「「「あったよ!。」」」」
そこにいた全てのメンバーが『ダメで元々』と心の中で『アイテムボックス』と唱えたのだ。
当たり前だ。
誰だって名誉欲はある。
死ぬ想いをして古代種の竜を仕留めたのだ。
自慢したい。
持って帰りたい。
いや、金ならそこそこある。
金は欲しいがそれ以上に『凄いね!』って言われたい。
自分らを鼻で笑ってたヤツらの反応を見たい。
「これが食うためにソロの依頼こなして、橋の下に住んでた連中のパーティの仕事だ」って見せつけてやりたい。
目立つのは得策じゃないのはわかってる。
でも夢みちゃうじゃん。
「古代種の竜の死骸、大き過ぎてギルド内に置けないから、中央広場の噴水の前に置いたよ。」とかさりげなく言うの。
ギルド職員が急いで噴水前に行くと、窓って窓から噴水前の竜の死骸見てるの!。
わかってる。
わかってるって!。
目立つのは得策じゃないんだろ?。
そんなん百も承知だよ。
でも今回ばかりは『死』を覚悟した。
斬らなきゃ、部位を欠損させなきゃ、どれだけダメージを与えても回復する相手を知った。
強さは自分と敵のレベル差、ステータス差だけで決まる訳じゃない。
相性が優劣を決める事もあるのだ。
俺とアイアちゃんは古代種の竜に対して『決め手を欠いた』。
まさか竜よりはるかに実力で劣ると思っていたレダちゃんが竜とあんなに相性が良いとは思わなかった。
ハッキリ言ってオミソだと思ってた、レンちゃんが竜の弱点を教えてくれるとは思わなかった。
やっぱりパーティは全員で闘わなきゃダメだ。
それを改めて俺は実感したね。
反省はいくらでもある。
あるけど・・・今回だけは称賛を浴びたいじゃん?。
・・・そう思ってたのは俺だけじゃない。
パーティのメンバーみんながそう思ってたんだ。
じゃなきゃ、みんな同時に『アイテムボックス』なんて使ってみないよ。
「じゃあ、俺のアイテムボックスに竜の死骸入れるからね。」と俺。
「「「どうぞ、どうぞ」」」お前らはダチョウ倶楽部か。
しかし『アイテムボックス』って生き物入れるのかな?。
ペットホテルとして活用出来ないかな?。
なんとか日本での財に変わらないだろうか?。




