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第93話

 「この『鋼鉄のタロットカード』もらったのは良いけど、どうやって使うんだろうね?。」とレンちゃん。

 「さぁ、これを置いてた武器屋さんも、『かなりのレア物で使い方はわからない』らしいよ」と俺。

 「そっか・・・。

 でも武器って事はこれで攻撃するって事だよね?。

 カードを投げつけるのかな?。」とレンちゃん。

 「たしかKOF(キングオブファイターズ)にカードで攻撃するヤツいたよね?なんだっけ?あのオッサン・・・そうだオズワルドだ。

 あんな風に攻撃してみてよ」と俺。

 「『あんな風に』・・・って。

 簡単に言うけどさぁ。」とは言っても昔から俺がゲームをやっているのを見ているのでレンちゃんは俺が何を言っているのかわかっている。

 文句を言いつつもレンちゃんは俺のリクエストをやってくれる。

 ため息を吐きつつもレンちゃんは空中にタロットカードをまく。

 するとタロットカードが一列に整列するようにレンちゃんの周りを回る。

 「スゲー!。

 フィンファンネルみてー!。

 『ニューなんたらは伊達じゃない!』って言ってよ!。」と興奮しながら俺が言う。

 「えーっと・・・『乳製品は伊達じゃない?』」とレンちゃん。

 「こんなところでマーガリンの悪口言わなくても。

 確かにマーガリン禁止されてる国もあるらしいけど。」と俺。

 俺とレンちゃんの話を半分も理解出来ない異世界の女の子二人。

 レダちゃんは「また何かバカな事を言ってるよ」くらいの気持ちで聞き流しているが、アイアちゃんは普段別行動を取っている事もあり、「話から取り残されている」と焦りを感じていた。

 俺はこの時生じていた小さな亀裂に気付かなかった。


 「踊り子って『おかしな踊り』で相手からMP吸い取るのかと思ってた。」と俺。

 「パペットマンか!。」とレンちゃん。

 ボケて、ツッコんでくれる人がいるというのは素晴らしい。

 今まで俺はボケてるつもりで、信じられて、違うとバレて、とんでもない嘘つきとして扱われた。

 もちろん嘘をつくつもりなんて全くなかった。

 「ボケって、ツッコミがいてはじめて機能するんやなぁ・・・。」俺はしみじみと偽関西弁で呟いた。



 ゲームの序盤に『誰も気付かないようなところ』に隠し扉がある。

 その隠し扉はゲーム終盤に続いている。

 その扉の存在はそのゲームが発売された何十年後に発見されたりする。

 


 その『隠し扉』はレベル:40以上の優秀な盗賊(シーフ)でなければ開けられない。

 その『隠し扉』は崖の断崖絶壁の途中にあり、よほど身体能力が高い者でないと見つけられない。


 そして・・・

 その『隠し扉』ダンジョンの地下三階にあるが、その『隠し扉』を通ると地下46階にワープする。


 普段のアイアちゃんであれば「初めてダンジョンに潜る人もいるのよ、ここは一旦引き返すべき」と言うだろう。

 ただ「仲間に置いていかれた」と焦っている彼女は冷静ではなく「『隠し扉』を見つけた!。行ってみましょう!。」と功名心、自己顕示欲を慎重さより優先させる。

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