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第89話

 「正直、お前の言ってる事がわかってなかった。

 でも『事故現場=人が亡くなった場所』って意味がようやくわかった。

 そんな場所で騒いで良い訳ないよな。

 すまん。」俺は稲川に頭を下げた。

 「わかってもらえれば良いんだよ。

 ところでお前に言われて心霊スポット探してたんだよ。

 『倶利伽羅峠』とかどうよ?。」と稲川。

 「倶利伽羅峠?」

 「そうだ。

 石川県と富山県に跨がる心霊スポットだ。

 鎌倉時代よりもっと古い古戦場だぜ。

 多少騒いでも、もう遺族も生きちゃいないし、除霊の真似事するならもってこいだろ?。

 平安時代から土地に縛りつけられてるんだぜ?。

 いい加減解放してやれよ。」と稲川。

 「・・・お前、本当に優しいな。

 何でこれで彼女いないんだろうな?。」と俺。

 「お前は本当に一言多いな!。」と稲川。


 しかしレダちゃんを連れて歩くのは可哀想だな。

 完全に女日照りのヤロー共のオモチャじゃねーか。

 まぁ、アイツらが人畜無害なのが救いか。

 女の子をどうにか出来るような女慣れしたヤツが一人もいない。

 「ハーフの女の子、父親は日本人で日本語はペラペラだけど、読むのはムリ。

 もう少ししたら近くの女子高に交換留学生として通う。

 今日は日本の大学を見てみたくて、オープンキャンパスの俺の大学についてきた」という、その場で考えたにしては中々それっぽいシナリオがある。

 しかし明日からどうしようか?。

 閉じ込めておくのは可哀想だし、一人っきりにするのも不安だし。

 レンちゃんに預けようか?。

 いや、レンちゃんに預ける=和乃(かあさん)に預ける、という事だ。

 母さんは見ず知らずの女の子を受け入れるだろうか?。

 「預ける」とか勝手に決める訳にはいかない。

 レダちゃんの意思もある。


 授業が終わり、下宿に戻る。

 何故下宿に戻るか?。

 異世界で夕飯を食べるためだ。

 レダちゃんと二人で異世界に転移する。

 そして食堂兼酒場で夕飯を食べる。

 レダちゃんはおばあちゃんとお父さんが日本人なのが原因か、日本人の好みがわかっているのか、レダちゃんのオススメを食べておけば間違いはない。

 アイアちゃんのオススメは本人には言えないが日本人の口に合わない事が多い。

 「祝い事の時に良く食べる『赤飯』のようなおめでたい料理」と言って、『鍵屋』がオープンした時に食べた『デスバレーボム』という料理はひたすら赤くて辛い、炒ったオカラのような料理だった。

 甘くも、しょっぱくも、酸っぱくもなく、ひたすら辛いという・・・。


 今回もレダちゃんのオススメの『ネックハンギングツリー』という料理を食べたが、本当に旨かった。

 イカ飯みたいな味だった。


 夕飯で腹を満たした後、俺とレダちゃんはトレーニングのために日本に戻った。

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