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第86話

 イライラしている。

 当たり前だ。

 誰が身内をダンジョンに行かせたいものか。

 誰が身内を闘わせたいものか。

 それが女の子だったら余計だ。

 与謝野晶子だっけ?。

 『君死にたもう事なかれ』

 だからレンちゃんには俺の秘書的な事をやってもらうつもりだった。

 武道も格闘技も未経験だし、きっと『冒険者の適正はない』と思っていた。

 でも冒険者の職業に『占い師』なんてあるとは思わないじゃん。

 そういや前に『占いが趣味だ』みたいな事言ってたな。


 この世界じゃ『女が闘うのが当たり前』みたいな風潮があって、レダちゃんも『ふーん、冒険者やるんだ』くらいのリアクションだ。

 そして何よりリンちゃんが、冒険者になる気満々だ。

 しかし『占い師』ってどうやって闘うんだろう?。

 あまりにもレア過ぎて、誰も知らない。

 今度、冒険者ギルドのギルド長にでも聞こう。


 そして本題、湖畔へと向かう。

 そこにはアイアちゃんと盗賊達が。


 「ここにいる全員が俺らのファミリーだよ。」とレンちゃんに伝える。

 「ファミリー・・・名前とかあるの?」とレンちゃん。

 「『マッドアングラー』って名前だとテムさんが言ってました。

 こんにちは、一応、ファミリーの最古参は私とテムさんです。

 盗賊(シーフ)やってます、アイアです。」

 「ご丁寧にどうも。

 お兄ちゃん、こちらの世界では『テム』って偽名名乗ってるんですね。

 私はお兄ちゃんの妹です。

 レンって呼んで下さい。」

 自己紹介って、こんなに胃が痛くなるモンだったっけ?。


 あと自己紹介で驚いた事。

 五人の盗賊達に名前があった事。

 『盗賊A』『盗賊B』『盗賊C』・・・そんな感じの区別方法だと思った。

 しかしファミリー名をつけたのは俺らしい。

 ファミリー名というかパーティ名として『マッドアングラー』という名前をつけたらしいが、ファミリーが大きくなるにつれて、『マッドアングラー』はファミリーの名前になっていったらしい。

 問題がある。

 『名前をつけたはずの俺がその名前を知らなかった』という事だ。

 つーか、本当に俺が「『マッドアングラー』にしよう」なんて言う訳がない。

 『狂った釣り師』だぞ?。

 意味がわからない。

 裸で釣り竿を振り回して、かえしのついた釣り針がチ○コの皮に刺さって地獄の苦しみを味わいそうだ。


 しかし、レンちゃんを見ていて思う。

 レベル1の日本人ってクソ弱いな、と。

 そりゃ、俺もパーティいくつもクビになるわ。

 レベル1だから弱いというのもあるが「イマイチ占い師の闘い方がわからない」というのも多分にある。

 結局、朝の特訓で占い師の闘い方はわからなかった。

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