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第85話

 "コンコン"

 二階のレンちゃんの部屋の窓をノックする。

 「本当に来た。」レンちゃんが呆れたように言う。

 でもレンちゃんも俺が来る事は確信していたみたいで、靴も二階にもって上がっているし、着替えて待っていた。

 「じゃあ東京に行こうか!」とレンちゃんが言う。

 何度も「神奈川だ」と言っても「似たようなモンでしょ」と直さない。

 田舎者にとって神奈川も埼玉も千葉も等しく『東京』なのだ。

 だが、群馬と栃木と茨城は東京ではないらしい。

 その匙加減がよくわからない。


 「おんぶじゃなきゃダメなの?。

 抱っこじゃダメなの?。」とレンちゃん。

 「ダメじゃないけど振り落とされないように、しっかり掴まるんだよ?。

 俺と抱き合うみたいな体制はイヤでしょ?。」と俺。

 「別に・・・」そっぽを向きながらボソボソとレンちゃんが言う。

 お前は沢尻エリカか。

 それはともかくあまり時間もないしレンちゃんを無理矢理おぶって東京(ほんとうはちがうってば)に出発する。

 予定より早く到着したが、レダちゃんはもう準備万端だ。

 三人で異世界の小屋、別名『医者(アムロ)の本拠地』に到着する。


 早く出たのには訳がある。

 冒険者ギルドに用事があったからだ。


 レンちゃんに、冒険者としての適正があるのか?。

 適正があったとしてどのジョブがいいのか?。

 まあ、適正がなくて、事務手伝いでも良いんだけどね。

 『鍵屋』の手伝いでも、俺の秘書みたいな立ち回りでもどっちでも構わない。

 「せめて一日に何時間かは寝たい、そのための手伝いが欲しい」というのも本音だ。


 「この美しい女性を俺に紹介して・・・いや、何でもない。」と受付(イケメン)

 このヤローは俺の発する殺気に恐れをなしたようだ。

 「この子は俺の妹なんだけど、冒険者としての適正を見てもらえないか?。」と俺・・・少し威圧的だったかも。

 「じ、じゃぁ、この水晶の上に手を置いて」とイケメンはいつも通りを演じつつも若干ビビっている。

 「こりゃ珍しい!。適職は『占い師』だ!。」とイケメン。

 「『占い師』と『踊り子』?。

 ミネアとマーニャかよ!?。」と俺。

 俺以外誰もわからない。

 レンちゃんも世代的にわからない。

 「私、占い師になりたい!。」とレンちゃん。

 「いや『占い師』になるのと、冒険者の『占い師』になるのは話が違うからね?。

 俺も『格闘家』になりたくて、冒険者の『格闘家』になってエラい目にあったからね。」俺がレンちゃんに警告する。

 だが、レンちゃんの気持ちは決まってしまっているみたいだ。

 こうして『占い師レン』が誕生した。

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