第82話
レダちゃんとトレーニングの時間だ。
レダちゃんもかなり強くなっている。
レダちゃんとアイアちゃんは全く違う成長曲線を描いている。
アイアちゃんが素早さ、スタミナから突出していき、他のステータスも高くなったのと違い、レダちゃんは『力』『身の守り』から突出していった。
野球に例えると、アイアちゃんはアベレージシッターで、レダちゃんは当たればホームラン、当たらないと三振というバッターという感じだ。
ただ二人ともステータスが上がって同じようなステータスになるのだが、そこに行くまでの過程が全く違うのだ。
俺が忙しい時、レンちゃんを迎えに行けるようにレダちゃんに俺の実家を教えた。
ランニングで連れて行ったのだが、到着した時、レダちゃんはほぼ死んでいた。
広島までの全速力のダッシュはまだ難しかったらしい。
でも『力』『身の守り』はすぐに上がったけど、『素早さ』はなかなかあがらなかったレダちゃんが広島までのダッシュについてきたというのが感慨無量だ。
もうすぐアイアちゃんだけでなく、レダちゃんにも凹されそうだ。
今日の夜のトレーニング終了。
レダちゃんと二人で行うトレーニングは終了し、俺一人で『置いていかれないように』取り組むトレーニングが始まる。
そして、それは心霊スポットを巡るのも兼ねていた。
マニアックなところはレンちゃんから聞くとして、今日は富士の青木ヶ原樹海へ行こう。
事故で有名な所は稲川が『行くな』と言っていたので、アイツの顔を立てて行かないとして・・・アイツは何で急に不機嫌になったのだろう?。
樹海へ到着した。
しかしそんなに悪霊の気配はかんじない。
霊魂は多い。
やはり亡くなった方が多いのだろう。
『霊感0』だった俺なら感じなかっただろう。
今は霊魂が話しかけてくる言葉も読み取れる。
『来ちゃダメ!』
『急いで帰って!』
『アイツが来る!』
『アイツは僕らを操る』
『僕らの身体がまだ操られないうちに早く帰って!』
俺は霊魂達に話し掛ける。
「『アイツ』って誰?」
『わからない。この森に昔からいたみたい。僕らを食べて大きくなってる。』
「『アイツ』の目的は?」
『わからない。けどすごい怒ってる。すごい悲しんでる。でも何で怒ってるか、悲しんでるかはもう忘れてるみたい。』
『あぁ、もうアイツがそこまで来てる!もう逃げられない!』
何か邪悪な気配を感じる。
俺は何も準備せずに来た自分を呪った。




